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国際関係学科国際文化学科

「企業と雇用A」・第1セッション(人を雇うということ)報告

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 4月22日から「企業と雇用」第1セッションがスタートしました。第1セッションのテーマは「人を雇うということ」「経営者の視点」を知っておこうというものです。講師には、国際関係学部のOGで、現在、社会保険労務士として活躍されている平真理氏をお招きしました。昨年『企業と会社経営の実務がよくわかる本』を刊行されています。

1時間目

 「企業で働くってどういくこと?」。「労働契約」や「労働基準法」に関する基礎知識をふまえ、「企業が一人雇うのにどのくらい経費がかかるのか」「会社はなぜ人を雇うのか」といった、まさに「企業と雇用」の核心的な問題を、実にわかりやすい言葉と事例で語っていただきました。

 「起業をしよう!」
①社長他の役職を決めよう。
②どんな製品(サービス)を提供する会社にするか?
③会社で新卒採用をすることになりました。どんな人を採用しますか?

2時間目(4月29日)

 セッション2回目の授業では、5名1チームで「会社」を設立し、課題に取り組みました。「一人7万円の予算で、社員旅行をすることになりました。さて、行き先はどこにしますか?」。授業冒頭の平先生の仕かけたアイスブレイクをきっかけに「各社」とも熱の入った議論を展開していました。

 「どんな新卒を採るか?」まずは、ブレイン・ストーミング。「明るい人」「気の利く人」「英語のしゃべれる人」「コミュニケーション能力のある人」等々、各社ともそれぞれの業務に応じて、優に50を超える採用条件があがっていたようです。「そもそもコミュニケーション能力のある人ってどんな人ですか?」「出来合いの『求人条件』の言葉に依存せず、自社を潰さないため、自社を発展させるためにどんな人材が必要なのか、具体的に考えてみましょう!」。平先生のサジェスションにより、業務内容をより具体化することで、採用条件の絞込みに向かったようです。

3回目(5月13日)

 セッション3回目の授業は、12社による「採用する新卒の条件」のプレゼンです。夢あり遊び心ありの、しかし現実的でもあるさまざまな会社が設立されました。「全国各地で外国人向けの観光案内所を運営する会社」「幹事代行会社」「空港の中の『道の駅』」「開発も行う自動車販売会社」「『ファミール』というアパレル会社」「都会を中心に展開するチョコレート専門店」「遊園地向けパレード運営会社」「『酒場山和田』という居酒屋」「『海辺の結婚式』を演出するブライダル会社」等々。思わず「起業してみたら!」と言いたくなるような魅力的な会社も。

 それぞれの会社が、会社のコンセプトや業務内容に即した採用の条件について、具体的な根拠を明示しながら報告を行いました。平先生からは、各社が提示する新卒の条件について「それを採用面接でどうやって確認するのか(見抜くのか)」といった質問がなされ、さらに「男女雇用機会均等法」をふまえた現実的な観点からの有益な講評をいただきました。

まとめ

 「人を雇うということ」。本セッションにおいて、おそらく、ほとんどの学生がこれまで一度も本気で考えたことのない「採用する側の立場や採用の視点」の一端に触れることができたのではないでしょうか。4年生は現在、そして3年生の大多数が1年以内には、確実に採用される対象になります。採用する側の視点を知ることは、いわば「敵の手の内を知ること」。これからの就活を、余裕をもって計画的に進められるのではないでしょうか。それでも、就職活動の途中で、躓いたり、行き方に悩んだときには、今回の体験を振り返ってもらいたいと思います。

 平真理氏には、本業の繁忙期であるにもかかわらず、3回にわたって、母校の教壇に立ち、熱心に後輩たちをご指導いただきました。本セッションを通じて、就活に不安を抱いている多くの学生たちが大いに勇気づけられ、自信を持つことができたに違いありません。記して感謝の意を表します。