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国際関係学部からのお知らせ

2016年11月10日

「大学生のための県内企業魅力発見事業」報告・問題解決学Ⅰ(1)

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 「問題解決学Ⅰ」(キャリア特殊講義)は「埼玉県内の企業参加によるPBL型授業」の2年生版。細田咲江先生(株式会社ベネッセi-キャリア担当講師)の指導の下で、企業の経営課題に取り組むプロジェクトです。9月から12月までの三ヶ月間、30名の2年生が参加しています。

細田咲江先生 細田咲江先生

 全員が、前期開講の「企業の研究」の履修者です。「企業の研究」とは、自力で企業にアポをとり、企業を訪問、業務内容等に関するインタビューを行う実践型の授業。社会人インタビュー報告会を経て、7月には「自分の強みや課題」「社会とのかかわり」を振り返り、大学卒業までを睨んだ目標や、その目標を達成するための具体的な行動計画を、全員が『宣言』しました。

 社会人インタビューで、中小企業の魅力を垣間見た学生たち。企業が提示する現実の経営課題にどこまで切り込むことができるのか。大いに期待されるところです。

 今回は、チーム編成から、企業による課題出し(Missionの提示)までをレポートします。

チーム編成

 9月23日。10月から企業の問題解決に共に取り組むチーム編成が行われます。新学期の始業式の日に、クラス分け表を見るような気持ちでしょうか。少々緊張感が感じられます。

 ディスプレイに映しだされたチームごとに、まずはチーム名とロゴの検討会議。名称の由来と、本取組にかけるチームの意気込みが発表されました。「ヌガー・ド・モンテリマール(Nougat de Montelimar)」「情熱きびだんご」「G・U・T・S!(ガッツ)」「Big Up(ビゴップ)」「パイナップル・エグゾディア(鳳梨黒暗大法師)」。着想が「問題解決学入門」の1年生とはまったく異なります。一つ違いの学年でこうも違うものかと、感心することしきりでした。

チーム編成!
チーム編成!

模擬問題解決

 チーム名が決定した後は、企業の課題出し本番に備えた模擬「問題解決」です。細田先生の提起する「課題」に、できたてほやほやのチームで挑みます。

 大学のスキークラブで、合宿の費用を稼ぐために、大学祭で模擬店を出したところが、さまざまな要因が重なり、大幅な赤字になってしまったという想定。さて「あなたは部長として、何をどのように解決しますか?」

 「目的を明確化し、チームで共有する」「目的と現状を比較し『ギャップ』を明確化する」「ギャップの埋め方を考える」等、細田先生から問題解決の基本を叩き込まれた5つのチームが、9月30日の授業では「ロジックツリー」を駆使した解決策が発表されました。いかに的確に「問題」を構成できるか、問題解決のコツはこのあたりにありそうですね。

課題出し(Missionの提示)10月7日

高橋祐介社長 高橋祐介社長

 課題出しをご担当いただく企業は「サンメンバーズ株式会社」。30名の学生のボスは、代表取締役の高橋祐介社長です。教室のディスプレイには「新規事業開発プロジェクト-10年後を見据えて-」と大書されたスライドが映し出されています。

 開口一番「我が社の社員としてやることに反対の人はいますか?」「賛成の人は?」と高橋社長。全員の挙手を確認した後は「辞令」交付式です。「あなたの成長と活躍を期待して新規事業開発プロジェクトチームのメンバーとします。平成28年10月7日 サンメンバーズ株式会社代表取締役社長高橋祐介」。これをもって、全員が、サンメンバーズ350名の社員の仲間入りです。いやがうえにも、士気が高まりますね。

サンメンバーズ株式会社の変遷と経営哲学

 サンメンバーズ株式会社は、1920年(大正9年)に、履物の卸問屋として、高橋社長の祖父により創業されました。大正9年当時の履物といえば、草履や下駄が一般的でした。「へップサンダル」(オードリ・へップバーンの履いていた靴に由来)「ベンハーサンダル」といったヒット商品もありました。

 高橋社長は、96年間続いた、売上げ30億の履物部門を、2016年1月にやめたといいます。なぜ? 量販店とは共存できないと考えたから。前社長も「経営者の使命は企業の存続であり、従業員の雇用を確保すること。将来性のない事業はやめたほうがよい」と賛成してくれたそうです。「暖簾を守ることより、会社の存続や社員の雇用が大事」。先代社長から継承されている一貫した経営哲学だといいます。

メッセージ①

 「世の中は移り変わっていく。企業(事業)も変わっていかなければならない」。ほぼ1世紀にわたって履物卸業界で優位を占めてきたサンメンバーズですが、現在は「地域に根ざし、地域の人々に喜ばれたい」をモットーに、ホテル、温泉、生花、葬儀等の「トータルライフサポート事業」を展開しています。

メッセージ②+企業が求めるもの

 高橋社長は、ビジネスの鉄則は「お客様の『困った』の解決を事業化することだ」と断言します。人は困ったことに一番お金を出すからだといいます。

 「企業は利益を上げ、健全な経営の下、半永久的に存続させることを使命とする」。この経営理念を実現するためには、次の3つの力が不可欠だと、高橋社長。すなわち「新しいことをはじめる力」「既存のことを継続する力」「勇気をもってやめる力」の三つの決断力。

課題(Mission)

 高橋社長からは、以下のような課題(Mission)が提示されました。埼玉県本庄市を拠点とするサンメンバーズが、新たに東松山市に営業所を出します。少子高齢化という観点で、比企地域の人々が何に困っているかを発見し、10年後にビジネスとしてしっかり成り立ち、しかも、地域社会の問題の解決に貢献できるような新規事業を提案せよ。比企地域の現在の人口構成は、66歳を中心にその前後の年代がもっとも多い(団塊の世代)。10年後には、76歳がもっとも人口の多い世代になることを念頭に置いた課題解決が必要。

 高橋社長がこのような課題を提起したのは、サンメンバーズが「トータルライフサポート」を掲げながら、従来の事業に「65歳から、亡くなるまでの人生へのサポート」がなかったことに気付いたからだといいます。

新規事業の検討に当たって

 新規事業の検討に当たって、高橋社長から、三つの指示が与えられました。第一は「地域の顔の見える方のために役立つ」等、サンメンバーズが堅持する三つの企業スタンスをふまえること、具体的な事業を考案する際には、地域密着型の高齢者支援が前提であることと「誰が利用者なのか?」を常に意識すること。

 第二の指示は、事業の対象者(利用者)として「平均的な人物像や年齢層を想定すると失敗する」。一般論ではなく、具体的に「あの人」を対象に考えれば失敗しない。対象(利用者)を「高齢者」という抽象的な括りで考えるのではなく「自分の祖父母や両親などを思い浮かべ、困っていること、喜ばせられること(喜んでくれること)」を考えれば、結果的に、それが多くの高齢者にとっても役立つ事業になるはずです。

 第三の指示は、ビジネスだからいつまでも赤字が続いてはいけないが、大きく儲ける必要もない。3年後に黒字をめざせる事業であればよい。

 課題を聴きながら、スマホやグールグが脳裏をよぎった学生がいたかどうかわかりません。高橋社長は、こんなふうに、しっかりと念を押します。「困った人の顔を見ないと何も出てこない」「ネットで調べて、新規ビジネスが出るほど、世の中は甘くない」。「何で困っているかは、お客様のところに行かなければ教えてくれない」等々。

 机上の空論でビジネスは成り立たないから、具体的な高齢者のところに足を運び、話を聞くようにしてもらいたい!最後の指示とともに、ヒアリング等で使用できるようにと、学生全員に「サンメンバーズ社員」の名刺が手渡されました。

高橋社長より

 「当社の将来を君たちに託します!」「日本の将来を君たちに託します!」――最後に、高橋社長から学生に向けた熱い激励の言葉が語られました。「いいアイディアがあれば採用する。失敗を恐れずがんばってもらいたい」。「将来、みなさんが起業をするという場面があれば、できるかぎりの応援をする。この縁を大切にしたい」。

 本授業の冒頭でも、高橋社長は、企業経営における「人脈」の力に言及され、自分ができないことを快くやってくれる存在の大切さとともに、人から頼られ、期待されることは喜びであると力説されました。学生たちには、将来の「人脈」に繋がるような奮闘努力に期待したいと思います。第一次提案は、11月11日に予定されています。

 「高橋社長が事業化したいというアイディアを、この大東文化大学から出しましょう。この教室からだしましょう」。課題出し終了後、細田先生は、学生に向かって、力強く、こう語りかけました。

 

 10月7日の授業は、「大学生のための県内企業魅力発見事業」を担当する、埼玉県産業労働部の石井悠史氏にもご参観いただきました。

 

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