大東文化大学 国際関係学部/多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造大東文化大学 国際関係学部/多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造

メニュー
  • アクセス・キャンパス案内アクセス
  • スクールバススクールバス
  • Language
  • Japanese
  • English
  • Chinese
  • 資料請求資料請求
  • 出願はこちら出願する

国際関係学部からのお知らせ

2016年11月28日

「企業と雇用B」・第2セッション(商社の魅力と将来性)報告

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEでシェア

 「企業と雇用B」第2セッションは「商社の魅力と将来性」がテーマです。講師には、三昌商事株式会社の代表取締役高橋慎治社長をお招きしました。

 

1時間目(11月11日)

 「日本初の商社はどこでしょうか?」。-1865年に坂本龍馬によって結成された「亀山社中」。後の「海援隊」です。まずは、日本における商社の歴史。三井物産や三菱商事や住友商事、伊藤忠商事や丸紅や日商岩井等を中心に、明治の勃興期から平成の再編期にいたる商社の盛衰が簡約に説明されました。

 

 販売先と仕入れ先の中間に位置する商社。「モノを買って売る『泥臭い仕事』」とは高橋社長の言。モノの売買にかかわる「引合 (Inquiry)」「見積(Offer)」「注文(Order)」「出荷(Delivery)」「支払(Payment)」が日常的な業務です。

 高橋社長は商社機能を三つに分類します。第1は、物流ビジネス=商社機能の「基本中の基本」であるマーケティング機能(モノを売る、情報力など)と「金融」と「ロジスティック」。第二の機能は「『モノ』を介さないビジネス」。グローバル経済に対応し、国境を越えて”Seeds”と”Needs”を結びつけるネットワーク機能や、委託加工や組立外注といった製造機能、そして、ベンチャー起業支援や海外展開支援等のコンサルティング機能がそれです。第三の機能は、Coordination機能や投資や「M&A」等の商社の枠を超えた機能。三井物産や三菱商事、外資系商社の大きな商社では、もはやこの種の機能が「花形部門」になっているそうです。

 高橋社長は、こうした動向について直言します。商社が投資に向かいすぎているようなきらいがある。「モノを売ってなんぼ」の商社。物流ビジネスの将来のための「商社本来の“目利き”」を失ってしまうのではないか。これからの商社には、投資とモノの売買の「両輪の感覚」が不可欠である。

 

 「営業する喜びって何?」。三つ目のトピックです。「儲け」「収入」「昇進」? 営業力=モノを売る力とは何だろうか? 「安価で高品質な商品は誰にでも売れるから、営業はいらない」「営業とは『商品を売る仕事』ではなく、『自分を売る仕事』」だと高橋社長。したがって「営業力を高めることは、自らの『人間力』を高めること、すなわち『高く売れる自分をつくる』ことに他ならない」のだと高橋社長は断言します。

 「この商社に頼めば責任をもってすべての面倒を見てくれる」「あの商社のあの営業マンと仕事がしたい」「あの営業マンになら任せてみたい」という顧客の評価を得ることこそが「営業する喜び」に違いありません。

 

 講話の後、学生からは、次のような質問が出されました。「商社マンとしてもっとも辛かった体験は何ですか?」「酒が飲めないけれど、商社マンとしてやっていけますか」「多様な物品を扱う商社で特にもとめられる能力や資格は何ですか?」「商社に向かない人とは、どんな人でしょうか?」「三昌商事は将来的にはどのような方向に進んでいくのですか?」等々。

 

課題

 グループワークの課題は「『10年後の大東貿易』を見据えて、新規ビジネス提案をせよ」というもの。高橋社長は「突拍子もないアイディアでもOK!」だと言います。「よいアイディアがあれば採用する」とも。俄然、やる気が出ますね。

 年商200億円、10箇所以上の海外拠点を構えている「大東商事」。8つのグループには、「大東商事」の強みをふまえ、10年後の日本やアジアを見据えてじっくり考え、奇想天外なアイディアを提案してもらいたいと思います。最終報告の講評後に「ベスト3」が発表されます。

アンケート

 「『商社の魅力と将来性』を聴講して」(アンケート)によれば、聴講前には「商社」を就職活動の対象と考えていた学生は17名(「考えていた:5」「少し考えていた:12」「考えていない:16」)でしたが、聴講後には「考えるようになった」が25名に増加(「考えようと思わない:8」)、商社への関心が著しく高まったことがわかります。

 商社の仕事に関しても、聴講前には、28名の学生が「商社の仕事を知らない」と回答していましたが、高橋社長のわかりやすい講話により、聴講後には、全員が、仕事の内容を理解できたようです。

 「高橋社長の講話の中で印象に残っているトピックは何ですか」という質問への回答には、次のような意見が記されていました。「営業時代の嫌な体験」「下積み時代の話」「高橋社長による茨城訛りを交えての顧客の話」「嫌なことは月曜日に終わらすという働き方の工夫」等々。

2時間目(11月18日)

 8つのグループが、「10年後の大東貿易」を見据えた新規ビジネス提案のために、次のような観点から「プロジェクト会議」を行いました。すなわち「10年後の日本社会はどんな社会か?」「10年後の日本社会において、多くの人々が直面する『困ったこと』は何だろうか?」「10年後のアジア地域はどうなっているだろうか?」「10年後のアジア地域では。どんな『困ったこと』が生じるだろうか?」「大東商事の『強み』は何だろうか?」等々。

 「新商品」を検討するグループ、「人材サービス」や「SNSを活用した新規ビジネス」を開拓しようとしているグループ、前回のセッションでの収穫を活用し、高齢社会事業の海外展開を具体化しようとするグループ。前期からこれまで5つのセッション(雇用、旅行、金融、建築資材、高齢社会事業)をこなしてきた学生たちですが、今回の課題解決がもっとも苦労しているように見えます。授業内ではまとまらず、ほぼすべてのグループが「宿題」として持ち帰ったようです。

3時間目(11月25日)

 8つのグループが、三昌商事株式会社執行役員の芳賀潤氏と藤原弘保氏を前に、「大東商事」の10年後を見据えた新規事業を提案しました。

 介護施設のある街づくりを目指す「D-TOWNプロジェクト」(G1)。高齢者とその家族が同じ街に住むことによる「安心」をビジネスに繋げるという構想です。一人暮らしの高齢者や介護施設をターゲットにした「おはなしロボット」の開発(G4)や、全身を自動で洗い乾燥させるだけでなく、ヘルスケア付「システムバス(シャワー)」(G8)等も提案されました。

 ITの先端技術を活かし、VR技術とGoogle Earthを組み合わせ「高齢者向け旅行体験」等のサービスを提供したり、ヘッドマウントディスプレイの小型化を推進する「VR推進事業」(G2)。多言語対応の企業版SNSの開発(G3)。世界規模での企業間連携や新規ビジネスの展開に活用できるネットワークを構築することが目的だと言います。

 外国人向け多言語対応「地方レストランの超詳細!情報アプリ」の開発(G5)。外国人の地方移住や外国人観光客の地方旅行を促進することを狙った事業提案です。イベント企画、機材の発注や会場手配、人材派遣、物流までをパッケージで行う「トータル・イベント・サポート事業」の提案も(G6)。

 海外での事業展開もありました。東南アジア地域の「雨水(スコール)」に着眼。「Topmix Permeable(英国企業)」が開発した「高吸水力アスファルト」を利用し、雨季に大量に降る雨水を「乾季のための貯水」「浄水(衛生)」「傾斜を利用した発電」など多方面に活かす「Cycle Puddle Project」(G7)。「アジアの地域研究」という学部の学びにふさわしく、現地研修や海外旅行の経験をふまえた魅力的な事業提案ではないでしょうか。

講評と評価

講評と優秀賞の発表 講評と優秀賞の発表

 プレゼン終了後、芳賀氏から、注目すべき提案を行った3つのグループ(ベスト3)が発表されました。最優秀は、G3の「多言語対応の企業版SNSの開発」。海外駐在でアポ取りの苦労を実感された商社マンの観点から、企業間の「マッチングビジネス」への着眼が評価されたようです。

 準優秀は「Cycle Puddle Project」のG7。国際関係学部にふさわしく、東南アジアの現状をしっかりふまえた提案である。アジアインフラ投資銀行、世界銀行、アジア開発銀行からの資金調達も組み込んでおり実現可能性もある。18日のグループワークではもっとも苦戦しているように見えたG7でしたが、当日のプレゼンでは、板書や映像を駆使した、見事な挽回劇でした。

第三位は、ヘルスケアやエコ(節水)の観点から「システムバス」を提案したG8に。多様性と汎用性と将来性が感じられる。「プレゼンの雰囲気もよく、学生らしく、元気のある提案」とも。

 芳賀氏の講評はこう結ばれました。「50代の我々にはなかなか思いつかない柔軟なアイディアが散見された。今後は、もっと若い社員の着想や考えに今まで以上に目を向けていきたい」。「三昌商事の企業説明会に足を運んでいただきたい」とも。(すかさず、教室の後方で授業を参観していた東松山キャリア支援課の川瀬龍彦氏から「来週の木曜日の企業説明会には三昌商事も参加します」とのアナウンスが)。

まとめ

 製造と小売(消費)の中間にある卸売業、そして「B to B」の典型でもある「商社」は、多くの学生にとって「名前は知っているけれど、具体的な仕事が想起できない」。したがって「なかなか就職先の候補にならない」という類の業種です。高橋社長の講話を聴いた学生全員が、商社の機能や実際の業務を理解できたことは、本セッションの最大の成果ではないでしょうか。

 「モノを売ってなんぼ」の商社(高橋社長)。しかし、その一方で「IoT」関連事業への参入や、ベンチャーへの投資も、生き残りのためには不可欠です。商社という業界は、製造・流通・販売の全過程に関わり、扱う商品(財・サービス・情報)もフィールドも「Allround」&「Global」! 広汎な商社機能に対応できるのは「Generalist」にして「Specialist」であるような「21世紀型人材」(Specialist & Generalist in Allround & Global fields)。もちろん、個人で「SGAG」を兼備することは困難です。「21世紀型人材」とは、とりもなおさず「SGAG」として行動できる「人脈」や「情報ネットワーク」を構築できる能力ということになります。どうすればよいのでしょうか?

 高橋社長は講話の中で「営業という仕事」にふれて「営業とは『商品を売る仕事』ではなく、『自分を売る仕事』」。「営業力を高めることは、自らの『人間力』を高めること、すなわち『高く売れる自分をつくる』こと」だと力説されました。「あの商社のあの営業マンと仕事がしたい」――地道な努力の積み重ねによってしか築くことのできない、この人間的な信頼こそが「SGAG」という力の獲得に繋がっていくのではないでしょうか。

 「高く売れる自分をつくる」ために何をすればよいのか? 目指す業界にかかわらず、学生諸君には、3ヵ月後にはスタートする就職活動の中で、自問自答を繰りかえしてもらいたいと思います。

 

 1時間目の講話のために、大阪本社から駆けつけていただいた三昌商事(株)代表取締役の高橋慎治社長、学生の荒削りな提案の意図を汲み、的確なご指導をいただいた芳賀潤部長と藤原弘保部長、そして、授業の企画段階から細やかなご配慮をいただいた管理部総務課の北原康衛氏に、記して感謝の意を表します。

 

 高橋慎治社長には、2017年度「企業と雇用A」の「特別講演Ⅰ」(9月22日)において「企業で働くこと―その魅力と覚悟―」の演題で、ご講演いただくことになっています。

 

このページのTOPへこのページのTOPへ