学生取材企画

2022.10.25

【学生取材企画】『政治学インターンシップ ✕ 福島物産展』政治学科 武田知己教授インタビュー!「カフェつく!」プロジェクトvol.3

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「Café WAcca」プレオープン期間中の10月17日(月)、18日(火)に、イベントスペースにて、【「政治学インターンシップ テーマ探究 福島被災地研修」成果報告会and福島物産展 @100周年記念事業「Café WAcca」東松山キャンパス!】を企画・出展した、法学部政治学科 武田知己教授にインタビューを行いました。

 

政治学インターンシップってなに?福島物産展ってなに?なぜ福島?武田教授の“福島”に懸ける想いに迫ります。

法学部政治学科   武田知己 教授

現在の専門分野
〈 日本史、政治学、国際関係論 〉

主要科目
〈 日本史通論、日本政治外交史、政治学 〉

大東文化大学教員紹介サイト
教員紹介:武田知己教授

ホームページ
武田知己の日本政治研究の部屋

 

──政治学インターンシップとは? 

 

法学部政治学科で、2020年度から開講している他学部他学科開放科目です。一部の学科を除いて履修することができる体験型授業です。担当教員がフィールドを設定し、事前学習を経て、現地へ同行し、“体感” “体験”を共にします。教室に戻ってからは、現地で見たこと、理解したこと、考えが変わったことをまとめさせます。現代の日本と世界における重要な課題を、教員と学生が「向かい合わせで学ぶ」のではなく、「肩を組んで共に学ぶ」ことを重視しています。僕たち教員は、幾度も現地を訪れていますが、学生とインターンシップに行く度に新発見があり、“体感” “体験”する学びの重要性を実感しますね(笑)。現在の政治学インターンシップは、福島被災地研修の他に「沖縄」「宮城・岩手」「登別(北海道)」のプログラムがあります。

 

《 政治学インターンシップの詳細はコチラ 》

 

まんなか学部:地域の現場でリアルに学ぶ。「政治学インターンシップ」インタビュー1 
まんなか学部:地域の現場でリアルに学ぶ。「政治学インターンシップ」インタビュー2 
まんなか学部:地域の現場でリアルに学ぶ。「政治学インターンシップ」インタビュー3 

 

 

──なぜ、政治学インターンシップの対象地域が福島に?

 

僕は福島県出身で、東日本大震災が発生した2011年3月11日は、住まいのある所沢にいました。そのため、僕は直接的に震災を経験した者ではありません。直接的に震災を経験していない福島県出身者の自分には、何ができるのだろうかと、ずっと考えています。今もあの震災を生きている者の一人です。
僕の専門は、日本政治外交史。あの震災や福島原発事故を歴史はどう描くのか。未来で歴史として語られる出来事の最中を、歴史家の僕が “いま” 生きている。「歴史家として、同時代史をどのように書けるのか」という気持ちが強いです。さらに、福島は福島原発事故による放射能被害と、それによる風評被害の複合災害の現場です。僕たちと皆さんたち世代が、ずっと関わっていかなければならないこの二つの問題は、震災を超えた問題にもなりつつあります。こういった問題を、実際の現場で考えたい。つまり、「僕なりのあの震災との関わり方」がこの授業とも言えます。

 

 

──「Café WAcca」の存在を知ったのはいつ? 参加しようと思った理由は?

 

かなり前から「Café WAcca」を担当する大学職員の國島さんを通じて、このような企画があることを知っていました。本来は、2021年に政治学インターンシップに参加した学生たちに、視察内容を事後学習としてまとめさせ、2022年度から開講される「現代社会の諸問題」という科目の履修を考えている学生の前で、成果報告として発表させるつもりでしたが、新型コロナウイルスの影響で叶いませんでした。その成果報告ができる良い機会であると思い、「Café WAcca」への参加を決めました。
また、100周年を迎える2023年度は、在外研究で日本にいない予定なので、大東文化大学で教鞭を執る者の一人として、このプレオープン期間中の参加を決めました。

 

 

──【「政治学インターンシップ テーマ探究 福島被災地研修」成果報告会and福島物産展 @100周年記念事業「Café WAcca」東松山キャンパス!】は、どんな企画?

 

名称の通り「政治学インターンシップ 福島被災地研修 成果報告会」と「福島物産展」を掛け合わせた企画を予定しています。具体的には、Café WAccaの会場でポスターやモニターを用いて、学生の成果報告を掲示しながら、その側で、福島の銘菓や季節の果物を売りたいなと考えています。

 

 

──「福島物産展」という形で出展した理由は?

 

僕は、2年ほど前から学生や教職員だけでなく、東松山キャンパス周辺に住む地域の方にも宣伝し、福島の美味しい野菜や特産品を販売するイベントを開催したいと考えていたのですが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で叶わぬままでした。その考えを叶えるためにも、今回の「福島物産展」という形は理想的だと思いました。そこで、福島県アンテナショップの「MIDETTE(みでって)」さんに連絡をしたんです。
また、日本国政府は、2023年春を目処に福島原発事故の処理水を海洋放出する計画を進めています。処理水は、基準値を大きく下回っているとはいえ、福島で採れる魚介類や農作物に対する風評被害が懸念されます。そのような懸念を払拭するために、実際に福島の農作物や銘菓を食べて、その美味しさを実感していただくとともに、福島の安全性を証明したいという想いがありますね。

 

 

──出展協力をしてくださる福島県アンテナショップ「MIDETTE(みでって)」さんとの繋がりは?

 

MIDETTE(みでって)さんには、飛び込みで連絡をしたんですよ(笑)。「僕、福島出身で、大学で学生たちと協力して、福島に関するイベントをするのですが、ご協力いただけないでしょうか?」って。そしたら、MIDETTE(みでって)さんの外販担当者の鈴木愛さんが「学生さんたちと一緒にやるイベントなら、是非協力します!」って快諾してくれたんです。この福島物産展の実現は、鈴木愛さんの“熱意“の賜物だと思います。有り難い限りです。

 

──「福島物産展」に出品される“品物”は、どのように決定した?

学生たちと一緒に、MIDETTE(みでって)さんに足を運んで選びました。だから、物産展には《学生が学生目線で選んだ商品》+《MIDETTE(みでって)さんに選んでいただいた商品》を並べる予定です。自分たちの推し商品が売れた学生たちには、僕と「Café WAcca」担当の大学職員である國島さんで、特別に景品を用意してたりします(笑)。
また、協力してくれる学生の中には、政治学インターンシップのOBやOGとしてボランティアで参加してくれる者もいました。そのように一生懸命にやってくれる学生たちの「学生らしい誠意」が、今回の企画を支えてくれているし、MIDETTE(みでって)さんという新たな出会いにも繋がったと考えています。そんな学生たち、國島さん、大東文化大学に感謝です。

 

──今回のイベント出展準備に際して、大変だったことは?


やはり、新型コロナウイルスの影響で、政治学インターンシップの実施も、福島物産展の開催も延期せざるを得なくなってしまったので、⼤変だったこととして印象深いです。あとは、⼤変だったことではないけど、福島は全国新酒鑑評会で⾦賞受賞の酒蔵が9年連続⽇本⼀の酒処なんですよ。僕はお酒が好きなので、⽇本酒を販売して魅⼒を伝えたかったけど、キャンパスということもあって販売が出来なくて、仕⽅がないけど、残念だったな(笑)。ただ、100円〜200円の学⽣でも購⼊しやすい商品と、500〜1,000円の教職員向けの少し⾼い商品を準備しているので、多くの⼈に買いに来て欲しい。

 

──今回のイベントを通じて、学生に感じて欲しい、学んで欲しいことは?

そもそも、社会問題に関心を持つ人もいれば、自分には関係ないから、面倒だからと関心を持たない人もいる。僕たち人間は面倒くさがりだし、関心を持たなくても生きていけるんですよね。それが自然だと思います。でも、関心を持つ人と持たない人の違いは何なのかと考えると、一つは「前提知識」がちょっとでもあるかどうかだと思うんです。もう一つは「共感力」を持っているかどうか。社会問題に対する理解力ではなく、共感力の有無です。「福島にはこんな食の問題があるのか。」「原発事故の影響はこんなに大きいのか。」「まだ生まれ故郷に帰れない人たちがいるのか。」とか、それぞれが異なる共感をしてくれることが、それぞれの興味感心を持つキッカケになるし、学習の起点になると思うんです。だからこそ、福島に興味関心がゼロの人ほど来て欲しい。最初は、同じように興味関心がゼロの状態で、政治学インターンシップに参加した学生たちも、様々な“体感” “体験”を通じて、視線が変わり、姿勢が変わり、福島が抱える社会問題を積極的に学び、吸収している。
僕が「政治学インターンシップ」という名前に拘っているのは、政治学を学ぶ者は、国際関係や安全保障などの大きな問題が議論される下で、見捨てられ、苦しめられている人々の存在を見いだし、その「弱者や少数者に目を向けられなければ、政治を語る資格はない。」という信念があるからなんです。その信念は、2011年3月11日の東日本大震災を契機として、僕の中に確立しました。多分、東北の人間は同じように考え方が変化したと思います。
ですから、来場者には、豊かな学びを始めた学生たちと教員の姿を見ることで、福島が抱える社会問題に関心を持つキッカケとしていただき、是非、福島に行って欲しいなと思います。政治学インターンシップは他学部他学科開放科目ですし、履修していただければ、自分の世界に開く窓が広がり、人生が豊かになると思います。社会に出たら、世界との関わり方をじっくり選ぶ時間はなくなるかもしれない。そういう贅沢な時間を持てるのが大学生の醍醐味ですから。

 

──武田教授が思い描く、100 年後の大東文化大学の“スガタ”は?

 

難しい質問だなぁ(笑)。僕は、政治学者でもあり、歴史家でもあるんだけど、政治学者や歴史家にとって、100年単位で世界や社会を見ることは当たり前なんです。100年前の日本を考えてみると、明治の文明開化という社会変化のピークが過ぎ、先の見えない世界情勢や不安が広がっていた。現代の情勢も似ていて、バブルが崩壊し、冷戦が終結し、先の見えない世界情勢や不安が広がっている。100年前の日本人は、その中でも特にじっくりと時間をかけて、最適解を導き出すという日本人らしい変化をしてきた。だからこそ、100年後の日本という国も急速な変化はなくとも、良い国であり続けると思っています。
その上で、大東文化大学の100年後を考えると、大東文化大学の伝統である「東西文化の融合」は、これからの100年に、すごく重要になると思います。グローバル化が進む世界の中で、アジアと欧米の架け橋となる大学になれれば良いなと思います。

 

武田教授。快く取材に協力してくださり、ありがとうございました。

担当:Yuichi Onizuka

 


 

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※本記事は100周年記念プロジェクトを学生が取材、発信していく「学生取材企画」によるものです。

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