学生がマーケティングをより深く理解するためには、実際の企業の取り組みに触れることが重要です。そうした学びの機会として、関口ゼミでは2025年7月15日、「製品開発」への理解を目的にクラシエ株式会社本社を訪問しました。現場で語られた社員の方々のお話は、学生にとって大きな刺激となり、理論と実務をつなぐ学びの場として非常に意義深いものとなりました。
今回の訪問では、社員の方々から実務に即した貴重なお話を伺うことができ、学生にとって大きな学びとなりました。当日は、クラシエ株式会社の社員5名の方々にご対応いただき、それぞれの専門性に基づいた実務的なお話を伺いました。ご対応くださったのは、経営企画室企画部の佐藤様、ヘアケアマーケティング部の下野様、山﨑様、日暮様、竹藤様です。企業の概要や製品開発への取り組みについて具体的にご紹介いただき、学生たちは終始関心を持って聞き入っていました。実践に裏づけられた内容には説得力があり、通常の講義では得られない貴重な学びとなりました。
クラシエの企業文化に触れたことも、学生たちにとって印象的な体験でした。お話の前半では、クラシエの全体像と、それを支える理念や価値観について紹介していただきました。主力事業であるトイレタリー・コスメティックス、薬品、食品の三つの事業に加え、理念「しるし」、スローガン「夢中になれる明日」、ビジョン「CRAZY KRACIE」などについての紹介がありました。これらの価値観が社員一人ひとりに浸透し、「夢中になっていること」を社内で共有する文化や、「NICE!CRAZY賞」として社員の挑戦を評価する制度がある点が印象的でした。理念と行動が結びついた企業文化に、学生たちは強い関心を抱いていました。
後半では、クラシエの主力ヘアケアブランド「いち髪」を事例に、マーケティングの実践について学びました。「いち髪」は「日本の髪を本質から考える。」というコンセプトのもと、日本に古くから伝わる和草の研究を基に開発されたブランドです。お話を伺う中で、市場調査(定性・定量)の重要性、ブランド戦略、消費者との関係づくり、インサイトに着目する視点などについて理解を深めることができました。製品コンセプトをぶれずに貫きつつ、消費者ニーズに柔軟に対応する姿勢が強く印象に残りました。
ショールーム見学では、クラシエの製品の多様性やブランドの世界観を視覚的に体感することができました。「いち髪」や知育菓子®「ねるねるねるね」、漢方薬「葛根湯」など、ジャンルの異なる製品が並び、それぞれが異なる消費者層や価値提案を持っていることが実感できました。製品を直接見ることで、クラシエの柔軟な発想や企画力に触れることができ、現場でのお話によって理解はさらに深まりました。
今回の訪問を通じて、学生たちは実践的なマーケティングを学ぶことができました。お忙しい中ご対応くださったクラシエ株式会社の皆様、特に訪問の調整にご尽力くださった佐藤様、製品開発やマーケティングについてご紹介くださったヘアケアマーケティング部の皆様に、心より感謝申し上げます。ゼミ生はこの貴重な経験を、今後の学生生活や将来にしっかりと活かしてまいります。