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学部長からのごあいさつ

経済学を学ぶ意義: 「時代を読む力」の習得

経済学部長 古屋 核

私たちの生活は、技術革新等によって短期間に大きく変化することがあります。たとえば、30年ほど前には全世帯の3%程度にしか普及していなかったインターネットは、今や日本の9割近くの世帯に広まり、情報検索・収集のための不可欠なツールとなりました。地図・音楽・映像等を無料で検索・視聴できるGoogle等のサービスを重宝している人も多いでしょう。

 

ただ、このようなデジタル変革の恩恵を受動的に享受するだけでなく、背後にある仕組みや問題点をしっかり把握することも重要です。GoogleのようなIT事業者が各種無料サービスを提供できるのは、サービス利用者の検索履歴に即した広告を配信したい企業等から、広告収入が得られるからです。Google等の利用者は、(一定のプライバシー保護を受けつつも)第三者に自己のデータを提供することと引き換えに各種サービスを得ているわけです。

 

上述のようなデジタル変革の他にも、今後の日本では、少子高齢化・公共インフラ老朽化・気候変動など、様々な変化が予想されます。これら変化の構造や社会への影響を的確に把握することは、将来に備え、生活をより良くしていくための鍵となります。経済学は非常に論理的で幅の広い学問です。経済学を学ぶことで、時代の流れを読む力が自然と身につき、変化への対応力を高めることができます。

大東文化大学経済学部の特徴

大東文化大学経済学部は、状況を的確に把握し主体的に問題に対処できる人材の養成を目標とし、この目標に即したカリキュラムを用意しています。カリキュラムの特徴としては、以下の三点が挙げられます。

 

第一の特徴は基礎の徹底です。1年次の必修・選択必修に「基礎演習」「入門数理」「経済データ分析入門」などの少人数科目を設置し、文章作成・口頭発表等の基本スキル、数的処理スキル、Excelを中心としたデータ処理手法などを着実に習得できるようにしています。英語・中国語を中心に、少人数の外国語クラスも数多く開講されています。また、1,2年次専門必修科目として「経済学の基礎AB」「ミクロ経済学I」「マクロ経済学I」を設置、必要最小限の経済分析手法を早い段階で習得できるよう配慮しています。

 

第二の特徴は科目選択幅の広さです。金融、財政、国際経済、産業組織、公共経済といった応用分野のほか、社会経済学科では歴史・思想・地域研究系の、現代経済学科では理論・計量系の科目が数多く選択必修として開講されています。また、各人の興味・ニーズに合わせ、経営学・法学・政治学・心理学等、隣接分野の科目も選択できるようになっています。(卒業に必要な単位の3割程度までは、より幅広い分野の全学共通科目も履修可能です。)

 

第三の特徴はゼミ(通常10~25名程度の演習)の重視です。「基礎演習」(1年次)、「一般演習」(2年次以降)、「卒業研究」(4年次)とともに、教員の専門分野に応じ、2,3年次に各20個ほどの専門ゼミ(「専門演習I,II」)が学科横断で開講されています。講義科目等を通じて学んだ基礎の上に、課題発見から問題解決まで一貫して指導を受けられ、同級生とも活発に交流できる専門ゼミは、主体性を養う絶好の場といえます。毎年12月には、専門ゼミでの研究成果を報告する学部主催の発表会も開催されており、他ゼミから刺激を受ける機会にもなっています。

 

本学部で学ぶ皆さんには、特徴あるカリキュラムをフル活用し、有意義な学生生活を送って頂きたいと思います。そのためのお手伝いができることを、学部教員一同楽しみにしております。