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2023年度秋季教員養成コロキアムが開催されました!

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2023年10月28日(土)、爽やかな秋晴れの午後、板橋校舎にて教職課程センター主催「2023年度秋季教員養成コロキアム」が開催されました。

 

”コロキアム”とは、ラテン語のコル(一緒に)とロキアム(話す)に語源を持つ単語で、「人と人との対話を大切にする学びの場」のことです。
教職を目指す学生や教育関係者の教養を深めることを目的に開催され、教職課程センター発足の2016年から数えて今回で15回目となります。今回は500人以上の学生・教職員が参加し、教育現場の実際について情報交換や交流を行いました。

第1部 働いて分かった教職の実際

第1部は、本学卒業生のお二人にご登壇をいただき、新任教員から見た教員生活の実際についてお話を伺いました。

▌1人目:秦優人先生

一人目の秦優人先生は、中学校の国語科の教員になって2年目です。ユーモアの溢れる報告で、会場に何度も笑いが起きました。学生の感想でも「秦先生の話術に凄さを感じた。時折ユーモアを交えながら教員という仕事の現状を語っていただき、いつしか話に聞き入ってしまっていた」という意見が多数寄せられました。

 

秦先生には生まれつき左腕がないのですが、先日、担当している生徒にそのことについてどう感じているか尋ねたところ、あっけらかんと「もうあたりまえ。慣れた」と言われたとのこと。毎日忙しいですが、自分の伝えたことを吸収し、成長を見せてくれる子どもたちに出会えることが、やりがいになっている、というお話でした。

本学では障がいがある学生も教師を目指してします。そうした学生からは「秦さんが、生まれつき左腕が無いという障がいを抱えている中で教員をやっていることについて、自分も障がいを持っているので尊敬した。左腕が無いことに対して生徒から『慣れた』という返答が来たのは、秦先生が普段から明るく振舞っているからだと考えた。自分は障がいのことで人目を気にしやすいが、お話を聞いて、自信を持って生徒の前に立つべきだなと考えた。」といった声がありました。

▌2人目:宮島朝比先生

二人目の宮島朝比先生は今年高校の保健体育科の教員になったばかりです。当日は午前中の授業を終えたその足で参加してくれました。

 

学生の感想には「特に印象に残っているのは、宮島さんが『この前生徒が背負い投げができるようになって...』と話しをしているときの笑顔だった。教育実習の三週間で私自身も感じた生徒が成長する喜びをすごく嬉しそうに話していて、それがやりがいだと語っていた。大変さはあると話しつつも、それ以上に生徒の話を楽しく話す宮島さんがすごく輝いて見えた」といった声がありました。

宮島先生は、3歳から柔道を続けて全国大会でも活躍してきましたが、自分ができることと、うまく教えられることは違う、だからこそ試行錯誤する楽しさがある、と言います。「宮島先生は自身が受け持つ体育で、腕立てが10回もできず、1kmも走れない生徒たちについて考えました。実は、生徒たちは、中学校時代にコロナ禍で部活や運動をする機会が少なく、習い事は塾、という勉強を中心にする子が多かったのです。生徒がノルマを達成できないことを叱るのではなく、達成できない生徒の理由を理解することが大切だと宮島先生は話していました。」

 

宮島先生からは、教職のメリットとして、私生活のコーディネートがしやすいという点が挙げられました。超過勤務は確かにあるものの、学生時代にディズニーキャストとして働いていた宮島先生は、その分を使って長期休みや授業のない日に振替休暇を取得し、今も月一レベルで平日ディズニーを楽しんでいるとのこと。この発言には本日一番のどよめきが起こりました。

第1部では、卒業生のお二人の報告に続いて、本学教職課程センターの児玉准教授を交えたトークセッションが行われました。お二方からは「働いて分かったこと」として「大変だろうという覚悟をもって就職したが、思ったよりは働きやすかった」「自分も大変さは分かったうえで就職したが、思ったよりも、支え合い、助け合いの現場だった」という点が挙げられました。

 

「教職のやりがい」については、前述の秦先生の話を踏まえ、宮島先生からは「私は先生がいるから部活を辞めずに頑張れています」という言葉をもらった時や、自分が力を注いだ子が成果を出せたときに「この子と出会えてよかった。自分も成長させてもらった」と感じるというお答えがありました。

 

秋季コロキアムの対面開催は4年ぶりということもあり、会場は活気に溢れていました。学生からは「二人の先輩のお話を聞いて、教員はやりがいを1番感じることのできる職業であると思いました」「全体会のひとの多さにとても驚いて、自分と同じように教職免許取得に向かって頑張っているひとがいるんだなと思い、共に頑張っていきたいなと思った」といった意見がありました。

▌第2部 行って分かった教育実習の実際

第2部は、本学で取得できる免許の多様性を反映して、中学国語・高校国語・中学保健体育・高校保健体育・中学社会・高校社会・外国語・書道の8つの分科会に分かれ、教育実習を終えた4年生と、来年教育実習に行く3年生が小グループになり、教育実習の体験報告会を実施しました。

 

以下に学生の声を紹介します。

  • 「分科会では、3年生から質問をするだけでなく、逆に先輩方から『知っておいたほうがいいこと』をお話ししていただいて、国語の授業だけではなく色々な授業を見学していろんな先生の授業からいいなと思ったものを盗んだほうがいいというアドバイスや、『授業作りのコツは、そのクラスの雰囲気をなるべく早く知ること』また、『きつい時はきついといったほうがいい』など色々お話をしていただけて、とてもためになる分科会だったと思います。不安なことが多かったのですが、この会で少し不安がなくなりました。教育実習の理解にとても役立ちました。先輩方も丁寧に説明していただいて良かったです。」

 

  • 「分科会をしてみて教育実習へのモチベーションが高まったので、すごくよかった。協力してくださった4年生にすごく感謝しています。来年、今年の4年生のように後輩の皆さんにお伝えできたらいいなと感じました。」

 

  • 「来年度に教育実習を控えた人たちと同じグループになって、4年生方から話を聞くことができる機会は貴重なので、時間がもっと長ければよかった」「4年生と連絡先を交換できたため、コロキアム後に相談に乗ってもらうことができた」といった声もありました。

 

  • 4年生からも「不安ばかりだった去年の自分を思い出し、成長を実感できた。3年生の力になれて嬉しかった」「3年生の質問に答えつつも、ほかの4年生の話を聞けたので、私自身の学びにつながった。」といった声がありました。

 

  • 分科会の運営を担当した教員からも「4年生が自分たちで司会をし、3年生に親身になって実習のことを話している姿に成長を感じ、感動した」「教員の出る幕はほとんどなかった」といった声が聞かれました。3・4年生のみなさん、本当にお疲れさまでした。

本学教職課程センターでは、今後もこうしたイベントを通して、教育の本質に迫るための活動を推進するとともに、学生・既卒生に対するキャリア支援を探求し、地域や本学卒業生との交流・連携を推進していきたいと思います。