世界のクルーズ市場は近年拡大を続けており、今後も成長が見込まれています。実際、Cruise Lines International Association の調査によれば、世界のクルーズ人口は2019年の2,970万人から2024年には3,460万人へと増加し、すでにコロナ禍前の水準を上回っています。さらに、2028年には約4,200万人に達するとの予測も示されており、クルーズ産業は今後ますます注目される有望な産業であるといえます。
こうした産業の成長を踏まえ、「国際マーケティングB」では昨年に引き続き、2025年11月28日(金)に専門家を招いた特別講義を実施しました。一般財団法人みなと総合研究財団クルーズ総合研究所主任研究員の藤田萬世様をお招きし、お話を伺いました。藤田様は、日本を代表するクルーズ船「飛鳥」のチーフパーサーや郵船クルーズ株式会社の営業部長などを歴任されており、豊富な実務経験に裏づけられた実践的なお話を聞くことができました。実体験に基づく内容は、学生にとってクルーズ産業を多角的に理解する貴重な学びの機会となりました。
特別講義では、日本および世界のクルーズ産業をテーマとして、その魅力や市場の現状について体系的な解説が行われました。具体的には、クルーズ旅行の魅力、多様なクルーズ船の種類、世界および日本におけるクルーズ人口の推移、産業構造の特徴などが分かりやすく紹介されました。これらの説明を通じて、受講生はクルーズ産業の多面的な価値や国際的な広がりについて理解を深めることができました。
さらに特別講義では、国際マーケティングの視点からクルーズ産業についての解説が行われました。特に、国や地域ごとの顧客ニーズの把握、ニーズに応じた商品開発やサービス提供、地域別のプロモーション戦略、販売パートナーとの連携の重要性などが、具体例を交えて説明されました。これらの視点を通じて、国際マーケティングとクルーズ産業の親和性が高いこと、そしてクルーズ産業が国際市場で成功するためには柔軟かつ戦略的なマーケティングが不可欠であることが強調されました。
今回の特別講義は、受講生がクルーズ産業と国際マーケティングへの理解をさらに深める大きなきっかけとなりました。講義中には受講生から鋭い質問が寄せられ、講義後にも追加で質問する学生が見られるなど、高い関心と学習意欲がうかがえました。こうした姿勢から、受講生が講義内容を自身の学びへ積極的に取り入れようとしていることが感じられました。
今回の特別講義を通じて、受講生は実践的な国際マーケティングに対する理解を一層深めることができました。講師を務めてくださった藤田様には、ご多忙の中ご協力いただきましたことを心より感謝申し上げます。受講生は今回の学びを、今後の学生生活や将来のキャリア形成に活かしてまいります。

