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政治学科

大学院法学研究科・法政学会共催講演会「震災に向き合うということ~311から15年目の視点~」報告

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「震災に向き合うということ~311から15年目の視点~」報告

 

 2025年7月11日(金)、大学院法学研究科・法政学会共催の講演会、「震災に向き合うということ~311から15年目の視点~」が開催されました。

 武田真一先生(公益社団法人3.11メモリアルネットワーク代表理事、宮城教育大学非常勤講師(元特任教授))をお招きし、防災と復興をテーマとした講話をしていただきました。

 

 

 武田先生は元河北新報社報道部長でもいらっしゃいますが、被災地を記録した14年分の写真(昨年度の能登半島地震の被災地の写真を含む)をスライドショーの形でお見せいただき、被災地がどのように復興してきたのか、あるいは何が課題として残っているのかという点について問題提起をする形で、講話が始められました。学生へのクイズや質問をときに交えながら和やかな雰囲気で講話は進められ、スライドショーに対して学生が抱いた感想や被災や復興について学生たちがもっている考え等についても尋ねられる機会がありました。

 武田先生は、防災とは人間の尊厳に関する問題だ、ということを繰り返し伝えられています。「避難したがらない高齢者にどのように声がけするか」という問いを提起し、被災による死が想像以上に過酷であり、「弔い」すら難しくすることについて学生に想像を求めながら、その人らしく生き、その人らしく死ぬための防災の重要性を説かれていました。

 多くの災害が発生し、今後も発生すると予測されている日本に暮らすうえで、防災という課題について考えるための重要な視点を提示していただきました。また、東北被災地研修に参加する予定である学生にとっての事前学習としても、あらためて何を知ろうとして被災地に行くのかということをあらためてふりかえる有意義な機会になったことと思います。