学部案内/Information
学部長からのごあいさつ
ようこそ大東文化大学社会学部へ
社会学は、社会科学の一つです。社会科学には社会学のほかに、法律学、政治学、経済学、などがあります。
社会科学が世の中の仕組みを理解する学問の総称だとしたら、社会学は、とりわけ世の中の仕組みと人間の関係、あるいは人と人との関係を分析します。いま仮に、法律学の成果により、世の中がよりうまく運ぶであろうルールが定められたとしましょう。あるいは経済学の叡智により、生産力が増大し福祉の充実につながったとしましょう。すると社会学は、そのルールができたら人々はいかに行動したか、福祉が充実したらどのような行動パターンをとる人間が増えたのか、などを研究・分析していきます。人々の行動を知ることにより、それを更なるよりよい社会の仕組みづくりへとつなげていく、あるいは政策自体の課題や問題を見出していく、それが社会学の使命といえます。その意味で社会学は、人間を対象とし、人間の行動を分析する、きわめて「人間臭い」学問です。人というものに強い興味がなければできない学問ともいえるでしょう。
社会学という学問の歴史は古く、多くの学者が、実に多彩な方面から精神力をつぎ込んできました。それゆえ、研究方法も多様です。古典・新刊を問わずテキストをじっくり読み込むのは、社会科学に一般的な学問スタイルです。他方、当時者にインタビューする、アンケート調査を行う、あるいは自分が半ば当事者になってしまう(加わってみる)、などは社会学では重要な研究方法です。さらには人の行動を数値化して統計的に分析することも、この学問では当たり前のことです。ですから“社会学なのだから、数学は関係ない”などとは決して思わないでください。さらに、学問上の成果はこれまでは主に論文として結実してきましたが、本学部の卒業研究などでは、作品も学問上の成果として認めております。
私達の学部は2018年にできた、比較的新しい学部です。古い伝統を受け継ぎつつ、しかし新しい手法を積極的に取り入れながら社会を分析していこうとしています。パソコンの登場が新しい手法を飛躍的に進歩させ、かつては専門家が行っていたような分析が学生でも可能になりました。画像や動画を通じて真実を理解する機会もますます増えています。ですから本学では学生が常にパソコンを携えて授業にのぞむことが求められています。より新しい手法で学問に挑戦する、それが大東文化大学社会学部です。
大東文化大学社会学部の教育上の特徴
本学の社会学部は、学生数が1学年約200人と、大東文化大学のなかでも小さい学部であり、小さい学部なりの充実した教育を目指しています。まず大学では、“授業”とは形態の異なる“ゼミ(演習)”というものがありますが、本学部では1年生から4年生まで、全学生が全学年においてこのゼミに所属します。1年次では「フレッシュマンセミナー」という名称で、基礎的な研究方法を体得するレベルですが、2・3年次では「社会学演習」として専門的な内容について研究しかつ研究方法を習得し、4年次の「卒業研究」において卒業論文を書きあげます。卒論は2万字の論文執筆という大作業になりますが、自ら社会の問題・課題を見出し、他者の研究成果をわきまえた上で、自分なりの分析により結論を出す作業は、確固たる能力として、卒業後に実社会に出てからも大いに力を発揮することでしょう。
また本学の社会学部は、学科としては社会学科しかありませんが、次の3つのコースから成り立っています。「都市と地域」「多文化と共生」「メディアと情報」です。2年次になったらこのいずれかのコースに属することになり、コースによって履修する授業がかなり異なってきます。コースに分かれて、より専門的に学ぶということです。
さらに広く国内外に出て、世の中に関する知見を得ようとする授業もあります。「社会調査実習」、「国内研修(沖縄と東北)」、「海外研修(台湾とオーストラリア)」、「海外英語研修(マレーシアとフィリピン)」、「国内留学(札幌と沖縄)」、「インターンシップ」、「社会活動」などの科目です。また長期海外留学奨学金と単位認定制度を活かして毎年2人までの学生が1年間アメリカなど海外の協定校に留学できます。
社会で活躍できる人材の育成のために
本学部は学生のキャリアを形成することにも力を入れています。1年次から「キャリア支援特殊講義」という名称の授業が設けられていますが、これはとくに3年次になると民間企業・公務員志望者向けに一般教養の学力向上と就職試験の対策となるための授業を行っています。
また私たちの社会学部において、とり得る資格としては、「社会調査士」と「認定心理士」があります。前者は「社会調査の知識や技術を用いて、世論や市場動向、社会事象等をとらえることのできる能力を有する「調査の専門家」」(一般社団法人社会調査協会)です。また後者は「心理学の専門家として仕事をするために必要な、最小限の標準的基礎学力と技能を修得している」(公益社団法人日本心理学会)ことを学会が認定した資格です。これらの資格をとるための科目が社会学部のカリキュラムの中に含まれています。
以上が私たちの学部の紹介です。より詳しい情報を知りたい場合には、是非ともホームページの中に入り込み、またオープンキャンパスに足を運んで頂けたらと思います。