学生取材企画

2023.04.12

【学生取材企画】キービジュアル制作秘話を大公開!イラストに込められた想いとは

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キービジュアル制作チームの皆様キービジュアル制作チームの皆様

皆さんは大東文化大学100周年キービジュアルをご存じですか?

4月に入り学内ではキービジュアルのデザインでラッピングされ、いよいよ100周年のムードが高まってきました。

キービジュアルとは、100周年イヤーに向けたPRのために作成されたビジュアルのことです。イラストはイラストレーターの北構まゆさん、デザインは本学100周年ブランドプロジェクトチームの宮﨑未彩さん、津村穏令さん、植付あゆりさん、河﨑隆通さんの4名を中心に制作されました。今回は宮﨑さん、津村さん、植付さんにインタビューしました。イラストに込められた想いや裏話まで明らかにしていきます!

 

イラストの全容はコチラ↓≫

「大東文化大学100周年キービジュアル」を公開

 

──キービジュアル制作の経緯を教えてください。

津村さん:

創立100周年に向けた事業を展開する「100周年ブランドプロジェクト」というものがありまして、そのメンバーの中からこの4名を中心にキービジュアルを制作してきました。これから100周年を迎えるということで、統一したデザインを用いて学内や学外の方にPRをしていきたいということになったんです。2021年の12月頃から、広告代理店の(株)大広さんと一緒にデザインを考える計画がスタートしました。

キービジュアル作成の流れ

最初は広告代理店の方からいくつかの方向性の提案をしていただき、その中から我々メンバーが候補を絞っていきました。例えば、大東文化大学で有名な書を強調するものだったり、多文化共生・多様性を大事にというメッセージだったり。様々な候補の中からまず絞られたのが「多様性」と「たくさんの笑顔」という2つのテーマでした。翌月の定例会ではそれをもとに広告代理店の方からデザインについて提案があり、その後に我々メンバーで話し合いを行いました。実は、キービジュアルの制作にあたって長丁場となったのがこの話し合いでした。何度も話し合いを重ねていく中で、やっぱり我々自身もこだわりが出てきて。どの案も魅力的ではあったのですが、どれも我々としてはちょっとなにか足りない、違うなという印象を持ちました。その中でも我々のリクエストとしては、 “多様性の賑やかさや100周年のお祝い感を出したい” ということだったんですね。今のままでは少し納得ができないということで、広告代理店の方とも一度振り出しに戻って我々自身が納得のいくものを作りましょうという話になりました。これまでに決めた方向性を踏まえつつも、少し違う方向でも考えてみようと。

目指すは“明るくてポップなデザイン”

採用には至りませんでしたが、候補の1つとして実際の人の顔写真を用いたデザインがあったんです。それは「たくさんの笑顔」という方向性に沿っている一方で、人を実際に出すことによって生々しさが出てしまっているのではないかという声がありまして。
そこでより賑やかさを出すために、少し方向性を変えてイラストはどうですか?という案が出てきました。イラストを使うことで可愛げや朗らかさが出るんです。広告代理店の方から明るく爽やかなトーン&マナーで大変人気のあるイラストレーターさんをご紹介いただき、いくつか候補を見ていく中で北構まゆさんにお願いしようという話になりました。

 

また、学内ラッピング(板橋キャンパス図書館前の大きな階段や正門の警備室など、学内をこのキービジュアルで埋めていく取り組み)を行う際に、ポップなイラストの方がいいんじゃないかという意見も挙がりました。このような点をふまえてディスカッションをしていく中で提案された、 “開いた本から人が飛び出ていくようなデザイン” がポップで可愛いねという話になり、このテイストでやっていきましょうと決めました。そして現在の案に近づいてきたという感じです。

 

遂に完成形へ!

 

最終的に決まったのが「真ん中に文化がある。」というタグラインとロゴを載せて、漢籍からいろいろな人が飛び出してくるというデザインです。大東文化大学はもともと漢学振興というところからスタートしたんですね。日本が明治時になり、西洋文化に傾倒していった当時、「もう一度東洋の文化を大切にしましょう」という考えの下で生まれた大学なんです。なので、イラストにも “漢籍から様々な人やものが広がっていくイメージ” を反映させています。周りには校舎や応援団、カッパさんもいますね。そして民族衣装を着た人や孔子も入れているんですけど、これらは漢学振興のモチーフからきています。こういった歴史や多様性というものを表現するようなデザインを北構さんが描いてきてくださって、キービジュアルが出来上がったという流れです。だいたい9ケ月ほどかけて完成しました。

 

キービジュアルを通して大学が伝えたいこと

 

このキービジュアルを通じて大学が何を伝えたいのかというと、まず一番はタグライン「真ん中に文化がある。」というものを強調して伝えたいです。そして次に多様性、100周年の歴史や祝祭感、あとは大東文化らしさなどを伝えられたらと思っています。キービジュアルにはこういった想いや皆さんへのメッセージが込められているんです。

 

 

──イラストレーターさんの中でも北構さんにイラストを依頼したのはなぜですか?

宮﨑さん・植付さん:

紹介していただいたイラストレーターさんの中で、一番イメージしているテイストが近かったからです。アート系というよりはポップで楽しそうなイラストを希望していたので、北構さんが過去に描かれた作品(他のお仕事で描かれたイラストやInstagram等)を拝見して、この感じいいな、ぜひお願いしたいという話になりました。

 

──キービジュアルの中でのこだわりや思い入れのあるイラストはありますか?

津村さん:

私はスケートのイラストですね。大東文化大学には特別強化クラブがあるんです。本学が特に全国レベルで活躍してもらいたいクラブを指定し、それがデザイン中に6個入っています。男子・女子の陸上長距離、ラグビー、スケート、テコンドー、男子バスケット。その中でもスケートの飛び出てくる感じがいいなと思います。本当は全部のクラブを載せたいくらいですが、今回は大東文化大学をひとつ代表するクラブに登場してもらいました。

植付さん:

1つに決めるのは難しいんですけど、1個1個に実はこだわりがあります。1つは大東文化大学の学生さんと卒業生の方じゃないと分からないものですね。例えばオーバーブリッジやスクールバス、板橋にある時計のモニュメントなどを見て「あっ、あったね!」と思ってくれたらいいなって。あとは多様性やダイバーシティというメッセージを込めたかったので、車いすの学生さんや民族衣装を着た留学生にも登場してもらいました。他にも書道の授業をしている風景とか、ゼミの発表風景とか、そういうところに気づいて共感してくれたら嬉しいです。

宮﨑さん:

私もどれか1つをというのであれば、男子陸上部と女子陸上部の子がたすきリレーをしているイラストですね。今の学生さんの大会では、男女が一緒にたすきリレーをする大会はなかなかないですよね。普段はそれぞれで活躍している部活動が一緒に走っている様子を載せられたのは、イラストならではのことだと思います。撮影した写真を使うとこういった場面が見られることはないので、今回そういうところを描けたのがよかったです。

【ご都合により書面での取材となりましたが、河﨑さんのこだわりもご紹介します!】

河﨑さん:

孔子のイラストの隣の「学則不固」など、特に書道に関する部分にこだわりました。

本学は書道教育に力を入れており、書道を教育ブランドとして掲げています。そうしたことから、古くから〝書の大東〟と呼ばれています。本学の書道研究所は「書道の振興と書技の向上」を目的とし、これまで一般や高校生を対象にした書道講座や60回を超える全国規模の展覧会など、さまざまな事業を展開してきました。書家の故・青山杉雨(さんう)教授が書道文化センター(現在の書道研究所)の初代所長に就任されてから、今年で設置54年と半世紀以上の歴史を誇っています。また、2000年には全国の大学で初の「書道学科」が開設され、今年で23年を迎えます。全国で活躍している卒業生も多く、青山教授のイズムは卒業生に脈々と継承され続けています。

このように、本学は書道と根強く関係しており、今年2023年に本学が創立100周年を迎えるにあたり、書道は切っても切れないものであるといえます。キービジュアルにおいても書に関連付けられるものには細部までこだわって制作しました。

 

※「学則不固」の書

孔子の隣に載せた「学則不固」(学べば則ち固ならず)の出典は『論語』です。『論語』の「学而第一」中に出てきます。学問をすれば固陋(ころう)…(見識が狭くてがんこなこと)でなくなるという意味です。

この「学則不固」の現物は学長室に展示されていて、書は本学で教鞭を執られていた故・上條信山先生(文化功労者)が書かれました。上條先生の書は、故郷長野県の松本城にある「国宝松本城天守碑」、長野県庁の「県歌〈信濃の国〉歌碑」などが一般に知られています。この「学則不固」は上條先生の書風〝信山バリ″を全面的に打ち出しているため、剛健さを感じられる点がポイントです。100周年後、これからの100年の道を照らしているかのように思えます。

 

 

──皆さんが思い描く100年後の大東文化大学の“スガタ”を教えてください。

宮﨑さん:

もし2123年もキービジュアルというものを作るとなったときに、ここに描いてあるものが少なくとも残っているといいなとすごく思います。これに加えて、また他の大学にはないイラストもたくさん書き足されていったら嬉しいですね。ここまで積み上げてきた100年が次の100年にも受け継がれていてほしいです。

 

植付さん:

このイラストの中で100年前にあったものというと、袴を履いた学生さんたちや書籍あたりでしょうか。でもそれ以外のものはその後の100年にできたものですよね。ここからさらに100年後となると、この中のいくつかのものが残っていて、また新しいものが追加されていくんだろうなと思います。その中でも今のようにワイワイとした、賑やかな雰囲気が100年後の大東文化大学にもあるといいなと思います。

 

津村さん:

100周年記念事業をやろうと決めたときにはコロナやオンライン授業なんて想定していなかったので、この2年間は改めて人が集まることの大事さや喜びを見直す機会だったと思います。このイラストにあるように、そのときにいるいろんな人たちが集まってくれる場であってほしいです。「真ん中に文化がある。」ということを中心に大東文化大学は続いてきたので、そこで培ってきた校風や大学の良さを継承しながら、100年後も人が集まる場であってほしいなと思います。きっと、そうあると思います。

 

キービジュアル制作チームの皆様、ご協力ありがとうございました。

 


 


 

※本記事は100周年記念プロジェクトを学生が取材、発信していく「学生取材企画」によるものです。


 

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