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政治学科

「震災に向き合うということ――3・11から12年の視点」報告

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 2023年7月14日(金)、大学院法学研究科政治学専攻・法政学会共催の講演会、「震災に向き合うということ――3・11から12年の視点」が開催されました。
 武田真一先生(宮城教育大学特任教授、311メモリアルネットワーク代表、元河北新報社報道部長)をお招きし、防災と復興をテーマとしたお話をしていただきました。

 12年分の被災地を記録した写真のスライドショーが提示され、それらを見て受講学生が抱いた感想や、彼ら自身が持っていた被災地への印象や関心等について意見を求めながら、東日本大震災からどのように被災地が復興をしたのか、あるいは何が今なお課題として残っているのかという点についてお話しいただきました。
 私たちは被災地の12年間の記録を通して、このように町が「復興」していくことができるという現実にある力について、しかしながらどれだけ時間とお金と人手をかけることができても取り戻せないものがあるということについて、知ることができます。それはむしろ12年の年月を重ねた今だからこそ気づくことのできることかもしれないということでした。
 また、災害に直面したときにどのように行動すべきか、あるいはなぜ私たち(被災者および語り部だけではなく)は被災について話すのかという視点からもお話しいただきました。復興ということが出来事をきちんと振り返って総括ができるということならばいまだ私たちは途上にあるのであり、実際に被災地を訪れる、あるいは被災地や被災の経験について語られることを聞くということを通して事実に触れ、私たちが話しあう中で、教訓に留まらない何かを理解するだろうし、そのことが風化を防ぐことにも繋がるということでした。その何かとは「尊厳ある死」を迎えるための防災という武田先生が繰り返し説かれていることでもあります。
 とくに政治学インターンシップ科目としての被災地研修に参加する学生にとっては事前学習として大きな意味を持つ講演であったのではないかと思います。また、その他の参加者にとっても、大小を問わず多くの災害が発生する日本に暮らすうえで、防災という問題について今一度問い直し、考えるための重要な視点を提示していただいたと思います。これからも講演会や科目の実践を通してこの問題に取り組んでいくことが重要であるだろうと思います。