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野嶋ゼミの参院選ファクトチェックの検証記事がメディアに8本掲載されました

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 大東文化大学社会学部野嶋ゼミでは、このほど行われた参議院選挙において、ファクトチェックメディア「InFact」(https://infact.press/category/factcheck/)と協力し、学生による選挙関連情報のファクトチェックを行い、その内容を実際にメディアに記事として掲載する試みに取り組みました。

 

 参加した学生は、4年生と3年生あわせて合計10人に達しました。その中心を担ったのは野嶋ゼミで2年からファクトチェックに取り組んできた4年生と3年生です。4年生は就職活動、3年生は期末の課題の多い時期にあたりましたが、それぞれ時間をやりくりしながら献身的に作業にかかわってくれました。

  野嶋ゼミにおけるファクトチェックの掲載の流れは以下の通りです。

 まず野嶋ゼミは普段、協力関係にあるファクトチェック普及団体NPO「ファクトチェック・イニシアチブ(FIJ、https://fij.info/)」の疑義言説データベース「クレイムモニター」などから偽情報・誤情報の疑いがあるXなどの発信を探してきます。そうした発信の内容について、事実関係が間違っていないか、根拠が定かではない情報を載せているかどうかなどについてファクトチェックを行います。そうしてゼミ内でレポートをまとめて授業のなかで発表するほか、執筆のプラットフォーム「note」で、「大学生がファクトチェック」という専用のページを開設して対外的にチェック内容を発信しています(https://note.com/daito_factcheck)。

 

 今回は、特に国政選挙である重要な参院選であり、昨今の兵庫県知事選で情報の正確性の問題も注目されたところから、InFact、同様に大学生がファクトチェックに取り組んでいる同志社大学などと協力関係を作り、参院選の告示前から選挙関連情報を中心としたファクトチェックに取り組みました。

 

 具体的には、3年生6名のメンバーがファクトチェックのチェック対象をさがし、おおよそ1週間から10日かけて真偽検証を行なってファクトチェックレポートにまとめます。これを4年生がデスクワークをしてnoteにあげます。それらのファクトチェックを、野嶋先生とInFactの立岩陽一郎編集長が協議しながら、InFactに掲載するものを選んだうえで、InFact向けに書き直したり、検証対象となった政党や人物に質問を送ったりしながら、原稿を完成させていきます。

 

 参院選の公示前後から都開票までの選挙期間中、InFactでは40数本の記事をサイトで公表しましたが、そのうちの8本を野嶋ゼミからのチェック内容を原稿として掲載することができました。

 InFactに掲載された記事のなかでPVが高かった主な記事は別紙の通りです(赤字が大東文化大学社会学部野嶋ゼミの発信)。

 これらの記事は、インファクトからさらに流量の高いスマートニュースにも転載されたため、学生たちのチェックが数万人単位の人々の目に止まったことになります。PV(アクセス数)で最大のものでは10万PVを記録したものもあり、その他のものも参院選の関心も高いだけあって数万、数千単位のPVとなりました。このほかnoteで発表した記事も含めると、野嶋ゼミでは参院選について、合計15本のファクトチェックを実行したことになります。

 

 InFactの立岩編集長は「今回は大学生のファクトチェック力を大きく示すことになった。大東文化大学のファクトチェック力は目を見張るものがあり、スキルや精度には感動させられた」との評価をいただいています。ゼミ生たちが2年次から取り組んできたファクトチェックのスキルが、この参院選で大きく生かされたと言えるでしょう。

 ネット社会に氾濫するフェイクニュースへの問題意識や被害が社会に広がっているなか、大学生でも、しっかりとしたスキルと経験を大学で積むことで、プロの検証にも耐えうる真偽検証が可能なことを今回の取り組みは証明したと言えます。今後も大学教育におけるファクトチェック推進の意義を訴えていくとともに、野嶋ゼミでは、今後もFIJ、InFact、同志社大学など学外との協力関係を維持しながら、フェイクニュースによって社会が誤った情報を受け取らないようファクトチェックに取り組んでいく所存です。