2025年6月14日(土)
教職課程センター主催の教員養成コロキアムが板橋校舎多目的ホールにて開催されました。参加者は学生、教職員、市民を合わせて約200名でした。
”コロキアム”とは、ラテン語のコル(一緒に)とロキアム(話す)に語源を持つ単語で、「人と人との対話を大切にする学びの場」のことです。
教職を目指す学生や教育関係者の教養を深めることを目的に、市民講座という形式で毎年実施され、板橋区教育委員会の後援もいただいています。教職課程センター発足の2016年から数えて、秋のキャリア系教員養成コロキアムを入れると、通算18回目となります。
今回は「戦争は人間の本能ではないのです!!-平和を創り出す教育とは-」をテーマに、元イスラエル空軍兵士のダニー・ネフセタイさんを講師にご講演していただき、その後学生が参加してトークセッションを行いました。
オープニングでは、高橋進学長からは、ご自身のお父様の戦争体験が語られ「ガザで空爆が続いている今、学ぶ意義は大きい」と挨拶がありました。
小出高義教職課程センター所長から、「ダニー・ネフセタイさんは日本に在住して40年以上になり、家具職人であり同時に平和活動を行っています。このようなご講演を昨年は3日に1回はされています。今日はみんなで大いに学びましょう」と講師紹介がありました。
講演は、ダニーさんが空軍パイロットになることは、イスラエル男子にとって憧れであり誇りであったこと、「国のために死ぬことは素晴らしい」ということに何の疑問ももっていなかったことから語られました。しかし、日本に住んで外からイスラエルという国を見たときに、戦闘機は物を破壊すること、人間を殺すことしかできないことに気づきます。学校で戦争をどう教えているか、何年に何々戦争が起こったと、戦争の歴史しか教えないから戦争するのは人間の本能だと思ってしまう。動物は獲物を捕らえることが本能だが、人間のDNAには敵を殺すことは組み込まれていない。敵だと思わされているからであって、同じ人間なんだと分かれば戦争は起きない。日本には憲法9条という素晴らしいものがある。日本の防衛費は約8兆円。額が大きすぎてピンとこないが、こうして講演を聴いている間にもご飯を食べている間にも、1秒間に31万円が消えている計算になる。戦闘機は1時間にトラック1800台分のガソリンを使い、地球全体の環境破壊を進めている。今、ガザで起こっていること、それはどうして起きてしまったのか、教育にできることは何なのかなど多岐に渡りました。
その後のトークセッションでは学生実行委員の堀部愛子(英米文学科)さん、藤井快帆(日本文学科)さん、今野裕仁(歴史文化学科)さんが登壇。教師を目指す立場から自分たちに何ができるか、渡辺雅之センター教員をコーディネーターにダニーさんと語り合いました。政治的なことを取り上げると偏っていると批判されるのではないかと学生から率直な不安が述べられると、ダニーさんは「戦争と平和の問題は人権の課題として考えるべきです」と明快に答えてくださいました。特別に位置づけた平和教育と、日常の中の平和教育のあり方についても語られました。
最後に学生実行委員長の渡邉心(教育学科)さんから謝辞が述べられ、盛況のうちにイベントは終了しました

大活躍だった実行委員のみなさん(順不同)
今野 裕仁
木村 祥麻
渡邉 心
藤井 快帆
小口 陽希
三浦 空翔
堀部 愛子
山崎 青空
岡部 由翔
有澤 綾香
三田村 優衣