中国語学科青木孝雄君、加島悠斗君の二名がダブルディグリープログラムを修了し、本学と北京外国語大学より大学卒業の認定を受け、学士の称号を授与されました。
日本の文部科学省と中国教育部(日本の文科省に相当)が定める規定に則り、日中両国の大学を卒業するためには所定の単位を取得する必要があります。学修期間、修得科目、取得単位について双方の大学で単位認定が行われ、卒業の基準を満たしていることが認められたものです。
ダブルディグリーの制度は、本学で2年間学んだあと、北京外国語大学、上海師範大学、アモイ大学いずれかの本科で2年間学びます。3年次からは専門分野に関する高度な内容の授業を中国語で受け、所定の科目を履修し、必要な単位を取得するのはなかなか大変なことです。4年次には中国語で卒業論文を作成するという高度な課題をクリアしなければなりません。
今年度、青木、加島両君は見事この課題をクリアし、無事にダブルディグリープログラムを修了しました。
ダブルディグリープログラムを終えての感想
青木孝雄君
今回、ダブルディグリープログラムを選択したことで、様々な貴重な体験をすることができ、また日中双方の文化の違いについて多くのことを学びました。
二年間の留学生活はとても長く感じるであろうと思っていましたが、あっという間に卒業を迎えることになりました。この二年間を振り返ってみると、様々な経験を積み重ねることができました:中国語のディベート大会出場、中国建国70周年記念パレードへの参加、中国語スピーチコンテスト出場、そして様々な留学生イベントへの参加などなど。楽しいことばかりではなく、大変な思いをすることも有りましたが、充実した貴重な時間でした。
留学した当初は自分の中国語が正しいかが心配で、先生やクラスメートたちの中に入って積極的に話すことができませんでした。でもせっかく中国語を使う理想的な環境に来たのだから一生懸命に先生や北京外大の中国人学生たちに話しかけ会話するうちに、だんだんと日本語より中国語が先に出るようになりました。そして、たくさんの中国人の友人ができ、標準語(普通話)だけでなく、各地の方言も話せるようになりました。
この二年間の留学生活は私にとってとても有意義な時間でした。
加島悠斗君
二年間のダブルディグリープログラムを振り返って、私は大きく二つの力をつけることができました。一つ目は、どのような環境下でもやりきる力です。三年次に北京外国語大学本科に留学し、最初の半年間は毎朝5時に起床し授業の予習、授業後は図書館で閉館まで復習し、死に物狂いで授業についていきました。その結果、留学して半年後の授業の内容はほとんど問題なく理解できるようになり、四年の最後の学期には論文を執筆できるまでになりました。留学当初はあんなにも大好きだった中国語が嫌になる時期もありましたが、北京外国語大学の先生方の支え、多くの友人に恵まれ苦しい時期を乗り越えることができました。この経験があったからこそ、論文の質疑応答(口頭試問)、留学中の就職活動で自分が納得できる結果を得ることができたのだと思います。
二つ目は、行動力です。中国では何か困っているとき、自分一人で悩んでいたら誰も手を貸してはくれません。自分はこういうことで困っているとしっかりと相手に伝えなければいけません。日本では困っている顔をしている人がいればだれか手を差し伸べてくれますが、中国では通じません。主体的に行動する、自分の意見を論理的に言えるようになるという点で、中国は非常に良い環境だと私は思います。この経験から、留学中の就職活動でも、北京で行われた就活交流会や日系企業の選考にはすべて参加し、他大学にも就活仲間ができ、高いモチベーションで就職活動を行うことができました。
中国の大学で過ごした二年間は挑戦の日々でもあり、失敗の連続でした。多くの失敗を重ねながら一つ一つクリアしたこの二年間は私にとってかけがえのない二年間であり、人として大きく成長できた時間でした。最後になりますが、大東文化大学留学担当の先生方、北京外国語大学中文学院の先生方はじめ関係する皆様に、貴重な経験をさせて頂いたことを感謝申し上げます。
後輩へのメッセージ
加島悠斗君
中国に留学に行かれる方は中国語の習得はもちろんのこと、広大な中国を自分の目で見て確かめて来てください。北方と南方の違い、沿岸部と内陸部の違い、地域によって雰囲気が違うのでとても面白いと思います。留学に行かれない方も中国人の友人を作り日常的に中国語を使う機会を作る、中華料理店の店主と仲良くなるなど、日本で勉強していてもやれることは沢山あると思います。しかし、百聞は一見に如かずという言葉の通り、大学在学中に一度中国に行くことをおすすめします。最後に、中国語を通して沢山の経験をし、皆様が活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。