Class & Seminar report

書学演習B

河内利治ゼミ

書の美学・芸術学

書とは何だろうか、美しいとはどういうことだろうか、といったような漠然とした問について深く考察していくのが本ゼミです。特に「道」「自然」といった中国美学の側面が本ゼミの中心にあります。


授業形式は先生の講義が一年目の前期に行われます。「きれい」と「美しい」の違いは何かについて考える講義や、高村光太郎や神田喜一郎などの書道について書かれた文章を読む講義が行われます。書道について、多角的な視点で考察を深めていくことができるようになります。夏に行われる合宿では、学問だけでなく書道の実技面の練成も行われます。また、大学院生の参加もあり、院生と学部生が交わる数少ない場でもあります。普段は目にすることのない先生がはしゃぐ姿を見ることもできます。後期からは卒業論文に向けた各人の発表及び質疑応答で構成されます。毎週1~2名が発表します。発表内容は、一人の書家や書作品に焦点を絞った研究や、書道と他の芸術とを比較考察する研究、哲学的側面から書道を考察する研究など多岐にわたります。一人の発表に対して全員が意見を述べる。積極的に参加することによって、自身の研究にもプラスになることが多いです。一通り質疑応答が終わると、先生からの指摘を受けます。一つ一つの言葉の意味を問い、テーマに対して深く追求する先生の助言から新たな着眼点を得ることができます。2010年度からは自主ゼミとして週に一度、放課後の時間を卒業研究にあて、ゼミ生が書学書作両面を鍛える時間を設けています。3年生には春休み中に合宿を行い、書道に集中する時間を持つことができます。


意見を交換し、それぞれが自分の意見を更新して行く中で書道に対する考え方が変えられ、より一層書道の楽しみ、素晴らしさを知ることができるゼミです。

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