2018年度文学部特別講義が10月18日、東松山キャンパス60周年記念講堂にて、「線量計が鳴る」-元・原発技師のモノローグ-」と題し、俳優の中村敦夫さんを招いて行われた。
2011年3月11日に発生した東日本大震災。その津波により発生した原発事故ですべてを奪われた老人。その真摯な独白が不毛の荒野にかすかな光をもたらす。いったい、だれが責任をとるのか…原発事故に遭遇し、その顛末から原発の被害、原発の危険性、会社や国の無責任さ、推進する「原子力むら」の利権構造などを告発していくといった内容だ。
休憩をはさみ、約2時間にわたる朗読劇に会場内の500名近い学生たちは見入っていた。
朗読劇の終了後、再び壇上に現れた中村さんから、「若い学生さんたちに原発事故の本質を知り、一人ひとりが考えるきっかけにしていただきたい」とのメッセージが贈られ、会場は学生からの大きな拍手で包まれた。
中村敦夫(なかむらあつお)プロフィール
1940年東京生まれ。小・中学時代を福島いわきで過ごす。
東京外国語大学を中退して俳優の道へ進み、1972年放映の『木枯し紋次郎』が空前のブームとなった。
俳優として、リーガル・ハイなどドラマにも数多く出演し、最近ではNHK連続テレビ小説『まれ』に出演した。
過去にニュースキャスターや参議院議員なども務め、作家としても活動している。
現在は日本ペンクラブ理事も務めている。