7月24日(土)に、2021年度大東文化大学歴史文化学会・春季大会が行われました。
今回はコロナ感染拡大防止の観点から、Zoomでの開催となりました。
宮瀧交二歴史文化学会会長(本学科主任)による挨拶、総会のあと、第一部では学生によるグループ発表、第二部では湯城吉信教授による講演が行われました。
当日は本学科の学生と教員を中心に90名を超える参加者があり、各発表や講演後の質疑応答も活発に行われました。
歴史研究とは、まさに湯城先生の講演のテーマであった事件の捜査のように、さまざまな角度や方法によるアプローチを積み重ねながら、すこしずつ事実を明らかにしていくところに醍醐味がありますが、今回の発表や講演ではこうした「手続き」の部分の工夫がよく開示されており、とくに1年生の皆さんには強い印象を与えたようです。
以下、プログラムおよび1年生の皆さんから寄せられたコメントの一部を紹介します。
~~~プログラム~~~
〇会長挨拶 宮瀧交二(大東文化大学歴史文化学会会長/歴史文化学科教授 )
〇総会
〇第一部 歴史文化学科学生発表
第1発表:渡邉直樹・平田 優(歴史文化学科2年)
「人々の心の支えアマビコ:江戸時代から現在におけるアマビコの捉え方」
第2発表:丸山由梨・山本沙紀・佐藤晴香・池田さえ(歴史文化学科2年)
「新しい窓」
〇第二部 講演
湯城吉信(歴史文化学科教授)
「陳徳による嘉慶帝刺殺未遂事件について:裏事情?」
~~~本学科1年生の皆さんから寄せられたコメントの一部~~~
〇第1発表「人々の心の支えアマビコ」について:
「アマビコ、アマビエの二つの名前がどうしてあるのかなどが分かりやすく知ることができた。くらづくり本舗の上生菓子のアマビエの色がインパクトがあり、アマビコ(エ)というとそちらの姿が思い浮かぶが、人の感情から色や形が変わっていくこともあるのだなと思った」
「アマビエはアマビコの誤記だという説がある中で、アンケートやインタビューの結果から、万人受けをしないアマビコが名前や姿を変えてアマビエになったという説が浮上したのは面白いと思った」
〇第2発表「新しい窓」について:
「東洋史、西洋史、日本史といった様々な視点から広げられる考察が、多様な観点から見つめるということで参考になりました」
「宗教との関わりや石材や木材、レンガのような素材の違いなどにも触れていた。また住み心地や大変なこと、快適さなどそういう建築物に住んでいる人でないとわからないことを、協力を得て実際に行ってインタビューしていて凄いと思った」
〇講演「陳徳による嘉慶帝刺殺未遂事件について:裏事情?」について:
「過去に起きた刺殺未遂事件の研究がされているという点に興味をひかれた。200年余り前の刺殺未遂事件にも証拠や供述内容までもが詳しく述べられているということに驚いた」
「内容について予備知識があまりなかったが、地図や丁寧な説明によって、とてもわかりやすかった。これから、自分が発表する際にも、丁寧な発表を心がけたい。自分だけが理解できる発表ではなく、内容を初めて聞くような相手にも、一語一語伝わるようにしていきたい」
「論文を出版したときに嬉しさと怖さの両方があること、そして史料の内容が必ずしも事実ではないことを学び、これからの論文やレポート作成の際に生かしたいと思いました」
「論文を書く際の先生の心境が印象に残った。論文やレポートのような学術文書はそのまま残り続ける。そのため、記述の際には細心の注意を払う必要があると、湯城先生のお話から感じられた」