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歴史文化学科

歴史文化学会秋季大会が開催されました

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1月11日(土)に、歴史文化学会秋季大会が93名の参加のもと開催されました。武藤会長の挨拶のあと、第一部が4年生3名による卒論の発表、第二部が本学の武藤慎一教授による講演、『未踏、未見、未達 ―東西宗教の「三一」をめぐって』でした。

 

第一部

菅野 雅喜氏「中世の鎌倉大道と板碑 ―道しるべとしての板碑を探る―」(日本史)

大澤 真由氏「日本のマスメディアが見たマレーシア華人 ―「513事件」を起点に―(東西文化)

打川 生真氏「出羽三山信仰の再検討 ―東京都板橋区徳丸の事例を中心に―」(観光歴史学)

 

 参加した学生の感想を、いくつか紹介いたします。

 

【池本ゼミ】

(講演)

・オリジナルな(独自性のある)論文とは、どういうものであるのか、発表を通じてその手法・考え方が示されていて、卒論への向き合い方として非常に参考になるものだった。発表では一つの時代、地域だけでなく、複数を扱っており、非常に面白く自身の認識が広がるものであった。普段、別々に研究されているものを結びつけて統合的に扱うことで、あらゆる発見の可能性が無限に広がるという言葉は非常に印象に残るものであった。

 

【落合ゼミ】

(学生発表)

・卒業研究に対する、取り組み方や研究する方法の具体的なことを知る機会になった。目的にあった、史料を見つけることが大切であるとともに、実際に足を運ぶことや直接体験しにいくことも研究を行うなかで、重要な要素であると感じた。

・4年次から始めるのではなく、春休みから興味のある分野などを見つけ、勉強していきたいと思った。

・歴史文化学科各コース代表の卒業論文発表を聞いた中で、日本史コースの菅野先輩が研究した板碑が道標として使われていたという発表は、とても興味深い内容で研究内容が分かりやすくまとめられており、さすがの発表だと感じた。自分が卒業論文を制作する際には、先輩方のような多角的な視点からみた卒業論文を書きたいと思った。先輩方のような卒業論文が書けるように、今のうちに研究書や論文、企画展などから多くの知見を得ていきたいと思った。

 

【新居ゼミ】

(学生発表)

・日本史:板碑が当時の道しるべとしての役割を持つと同時に権力誇示などの様々な役割を持ち、当時の人々と深い関わりをもっていた事が印象に残った。またそのこのような特性が時代と共に変化したことに驚いた。 

・東西文化:マレーシアの特殊な選挙形態から事件のきっかけにもなっていたことを知れた。またマレーシアは東西で大きく文化などが異なると感じていたが、互いに政治的に大きな影響を与えていたことが分かった。

・ 観光歴史:板橋キャンパス近くの徳丸に出羽三山信仰があるのを初めて知った。また出羽三山信仰についても初めて耳にした。狭い地域にピンポイントで研究することによって深い研究をしていたと感じ、印象に残った。

(講演)

・一年生のときの「歴史文化学入門」の講義で、武藤先生がよくおっしゃられていた「オリジナリティが最も大切」という意味が、やっと今日分かったような気がした。卒業研究は未達のものを追い求めて行くと思うが、学術的に重要度のある研究をしたいと思った。

 

【野瀬ゼミ】

(学生発表)

・日本史コースの発表者は史料の読み込みをとても丁寧にされていた。上道と板碑の分析を詳しく行うことで板碑の分布の特徴を掴んでおり、史料の読み込みの重要性を改めて感じた。

・東西文化コースの発表について、私は初めて513事件のことを知ったが、どのような経緯で事件が起きたのか、などがよく理解することができる発表だった。新聞を史料として用いることも参考にしていきたいと思った。

・観光歴史学コースの徳丸講に関する研究発表ついては、以前少し身につけた知識があったため、自らの知識と照らし合わせながら拝聴した。その中でも、出羽三山を登る要因として病気平癒があげられていることは新たに知ったことであったため、とても興味深く感じた。二つの日記の比較を何度も行うことで自らの見解を述べており、発表者の見解が伝わる発表だった。

(講演)

・武藤先生が何度もおっしゃっていた、オリジナルが大切というお言葉は、現在、卒業論文の構想で悩み続けている私自身にとても響く言葉だった。あらためてオリジナル性のある卒業論文を執筆できるよう努力したいと思った。発表内容については、特にシリア人は縦書き横読みというところに驚いた。また、もともと中東では横書き、アラム文字が中央アジアでは縦書きというのは中国語の影響と言われていることについて、一つの言語が他の国の言語に与える影響力の高さに興味を持った。

・武藤先生の発表の最初に、オリジナルとは発見とは何かについての説明があった。なんのために研究するのか、どうしたらオリジナリティがある研究になるのかがわかった。また、今回の武藤先生の研究の特徴として、地域を絞って研究するのではなく、東西両方をみた研究であり、時代も通時的にみて研究されているとわかった。そうすることで新たな発見ができたとおっしゃっていた。さまざまな場所、時代に着目してみることが大事だと思った。

 

【武藤ゼミ】

(学生発表)

・4年生の発表で一番印象に残っているのは、最初に発表していた鎌倉大道についてだった。徹頭徹尾、疑問に思うところをすぐに解消し、レベルの高い論文だと感じた。また、現地に赴いたり、本論文にかけた労力も目を見張るものだった。全くの専門分野外だったが、とても楽しく聞くことができた。

(講演)

・縦書き、横読みの文書を90度回転させて読むという方法があったのが驚きだったが、その習慣が放棄されて縦書き、縦読みの読み方になった理由に納得した。研究で最も重要なことはオリジナリティがあることとおっしゃられていたように、従来の研究方法に独自の調査方法を取り入れてみるなど、楽しんで研究できるような要素がある方が論文作成のモチベーションが保てると感じた。また、今後の自分の研究で未発見だったモノ・再発見したモノの重要性を示せるように、分かりやすく丁寧な文章作りをしたいと思った。

 

【湯城ゼミ】

(学生発表)

・4年生の研究の発表を聞き、全て自分の専門の分野とは異なる研究だったが、板碑や新聞、信仰について実地調査なども含みながら研究をするというプロセスが参考になった。

(講演)

・解明されていない文書を解読するという、困難に思われる研究が、膨大な時間と熱量をかけて研究されているということを、本講演を通じてあらためて理解し、普段翻訳済みの史料を手に取る身としては、背筋の伸びる思いだった。