Professor

教員紹介

小塚 由博(こづか よしひろ)

【自己紹介】
中国の明清時代、とくに明末清初(17世紀)の文学を中心に研究しています。この時代には、『三国志演義』や『水滸伝』『西遊記』といった白話小説を始めとして、『唐詩選』『唐詩三百首』等の詩集、『剪灯新話』や『聊斎志異』等の志怪小説など、さまざまな文学作品が出版されました。更にこれらは江戸時代に日本に伝わり、日本人にもよく読まれました。私は、そのような作品を作り出した作者、つまり文人たちの多種多様な生き様や文化に興味を持ち、その精神世界や交遊関係などについて研究を行っています。

 

【学生へのメッセージ】
漢文は難しくて分からないという方もいますが、その場合はまず逆に現代日本語訳を読んである程度内容を把握することから始めてみてはいかがでしょう。漢和辞典等を参考にしながら、あれこれ読み方を考えて、意味が分かった時にはとても楽しい気持ちになります。また、中国の古典作品は何らかの形で日本の文化に通じているものが多く、中には意外なものが日本に影響を与えているものもあります。漢文を知ることで、さまざまな日本文化のルーツを探るのも面白いのではないでしょうか。

 

【ゼミのテーマ】
3年生のゼミでは、前期は詩や文章・小説など中語文学の各ジャンルについておさらいします。後期はその年のゼミ生のリクエストで文学作品を選び、皆でその作品を読んでいきます。今までに志怪小説の『聊斎志異』や白話小説の『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』などを読んでいます。また、4年生で制作する卒業論文のテーマについてもゼミ生一人一人と相談しながら探していきます。
4年生のゼミでは、卒業論文制作に関する様々な知識を学びながら、それぞれが卒業論文を制作していきます。
これまでに私のゼミ生は、中国の各種文学作品をはじめとして、日本漢文や日中比較文学、中国の文化等様々なテーマを選んでいます。これまでゼミ生が制作した卒業論文のタイトルについて、代表的なものを紹介します。
・「長恨歌」のテーマについて
・孟浩然について
・薛濤と魚玄機から見た妓女文化
・中国の志怪小説に見られる地獄―『剪灯新話』を手がかりに―
・『聊斎志異』における異類婚姻譚について
・『西遊記』の人物像について
・『三国志演義』について―正史『三国志』との比較を通じて―
・『阿Q正伝』の阿Qの心情について
・菅原道真の人生と漢文作品
・『笑府』と落語
・唐詩の日本における受容について―宮沢賢治のイーハトーヴに対する思想を中心に―
・中国と日本における冥婚の概念と変遷

 

 

 

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