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国際関係学科国際文化学科

7月6日「アジアの舞踊と身体文化」で外部講師による「カラリパヤットゥ」体験レッスンを行いました。

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「カラリパヤットゥ(Kalaripayattu)」とは、南インドのケーララ州を発祥とする古武術で、一説によると少林寺拳法のルーツともいわれています。「カラリ」とは教室、「パヤット」とはエクササイズのことです。ケーララ州は「ココ椰子の国」という名称の通り、自然が豊かな土地です。そこで生まれた身体技法は自然の中で観察された動物の動きを模したものであったり、アーユルヴェーダの伝統医学と同様にホリスティック(身体と精神をまるごと扱う)な側面が見られます。カラリパヤットゥは南インドの軍隊の正規教育に用いられていましたが、今日では身体面だけでなく精神的な安定をもたらす身体訓練法として、現在では欧米のダンサー、俳優、格闘家のトレーニングとしてもニーズが高く、ケーララ州に、だいたい1000前後の道場があるそうです。

※ホリスティック…一個体は孤立に存在するのではなく、それをとりまく環境すべてと繋がっているという考え

 

NPO日本カラリパヤットゥ協会代表 ニディーシュ・カリンビル先生

7歳より伯父であったゴーパーラン・グルカル(師匠)の指導のもとでカラリを習い始め、すべてのトレーニングをへて、マルマ治療術を学ぶ。その後、2001年より、若手師範代格として、伯父の同僚であった故K・ナーラーヤナン氏の道場(CVNkalari Nadakkav)で指導者、施術者、演舞者としての経験を積む。

 

NPO日本カラリパヤットゥ協会 浅見千鶴子先生

学生時代、インド古典舞踊を習うため渡印した後、ヨーガ、アーユルヴェーダなどのインド文化に興味を持ち始め、2001年、本格的にヨーガを学ぶために南インドケーララ州に渡る。このとき偶然出会ったカラリパヤットに魅せられ、カラリパヤットの道場に入門。現在に至るまで、毎年渡印、定期的に道場に通い、さらなる鍛錬を積んでいる。

 

 

学生たちは、あらかじめケーララ州について調べたり、カラリパヤットゥの基礎知識を学んだ上でレッスンに臨みました。まず、ニディーシュ先生と浅見先生のスティックやウルミと呼ばれる鞭状の長剣などを用いた迫力ある演舞を鑑賞しました。次にニディーシュ先生による8種の動物のポーズをデモンストレーションして頂いた後、学生にご指導いただきました。低く腰を落とす、足を高く上げる、バランスをとるなど普段あまり行わない動きに学生たちは四苦八苦していましたが、それぞれに新鮮な気づきがあったようです。

【学生の感想】

・最初のお二人の武器を使ったパフォーマンスはとても覇気があって見入ってしまいました。立ち姿だけでもすごく綺麗で体幹が鍛えられているんだろうなと感じました。

 

・今回象のポーズとライオンのポーズを教えて頂いて、最初お手本を見た時は出来ないかもしれないと思いましたが、力を入れる場所など的確に教えて頂いたので私でもポーズをとることが出来ました。

 

・カラリパヤットゥを体験して、普段は行わない動きがたくさんあったため、授業が終わった後に足が軽くなったように感じた。日常生活で体全体を使うことがないためカラリパヤットゥをやるのは難しく感じたが、全身や体幹を鍛えることができることが魅力であると感じた。先生のやっている姿から動物の様子が浮かび上がってきて、動物の力強さや特徴が細部まで表されているように感じた。

 

・一つ一つの動きに意味があり、攻撃につながる様に工夫されていることがわかった。この動きは普段の生活で使うことのない筋肉を使っていて、筋肉が収縮している感覚があった。姿勢や足の先、手先など細かい部分の動きも意識しており、繊細な武術だと感じた。この度はありがとうございました。

 

・本格的にやるとほんと疲れるんだなと思いました。体力がないことに気付かされました。そしてバランス感覚もないことに気づきました。しかし、曲剣や木製の棒を生でみることができてとても感動しました。ニディーシュ先生の曲剣の使い方が迫力があって凄かったです。今日はお忙しい中貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました!

 

・細かな動きに注意してみると、筋肉が伸びていく感覚や、腰を上手く使えている感覚があり、楽しかった。また実際に行ってみると、一つのポーズがどんどん連続していき、理にかなった動きが多いと感じたとともに、相手の体制を崩したり、逆に自分の体制が崩れないようにする動きなど、実践を想定した動きが思っていたより多いと感じた。

 

(文責:小尾 淳)