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国際関係学科国際文化学科

卒業生の坂下東士(さかした はるし)さんが、在ベナン日本国大使館専門調査員に採用されました。

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卒業生の坂下東士(さかした はるし)さんが、在ベナン日本国大使館専門調査員に採用されました。

 2015年度卒業生の坂下東士さんが、外務省の専門調査員採用試験に合格し、2024年2月より西アフリカのベナン共和国(フランス語圏)に、2年間の任期で赴任されることになりました。坂下さんはエドワード・マーゲルJr教授のゼミ生で、卒業論文の「国連東ティモール暫定統治機構から学ぶ教訓―今後の国連平和維持活動に活かすために―」は、国際関係学部の卒論コンテストで優秀賞を受賞しています。

 また、2016年6月から2年間、日本国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてベナン共和国の農村で活動し、バジルの栽培などを手がけました。現在は、立命館大学大学院国際関係研究科の修士課程に在籍しており、同課程を2年間休学してベナン共和国に赴くことになります。

松本弘学部長が坂下さんに、専門調査員のお仕事やベナン共和国について、お話を伺いました。

◆専門調査員とは、どんなお仕事ですか?

 外務省の在外公館に勤務し、公館の職務やイベントなどの補助をしながら、赴任地に関わる自分の研究を進めるというポストです。僕は政務と経済の補助を担当する予定ですが、大使館の規模が小さいので、その他の文化や広報のお手伝いもあるようです。

 専門調査員の試験は赴任地ごとに受験し、一次試験で赴任地にかかわる小論文と語学(ベナン共和国の場合は英語とフランス語)、二次試験で日本語の面接と外国語面接(ベナン共和国の場合は英語とフランス語)になります。

◆ベナン共和国は、どんな国ですか?

 西アフリカの中では、政治、経済のどちらも安定している国だと思います。近年では、中国の資本が入って都市を中心に経済発展が進んでいます。実業家出身の現在の大統領が2期目を務めており、憲法で三選が禁止されているため、次の大統領選挙が注目されています。

 歴史的には、南部がブードゥー教発祥の地であり、その遺跡などもあるのですが、観光地としては有名ではありません。中国資本により、海岸部でリゾート施設の整備も進められていますが、経済が持続的に成長するような産業などは存在せず、日本を含めた外国からの援助が重要な役割を果たしています。

◆専門調査員になられた理由を、お聞かせください。

 将来、国際協力に関わる仕事に就きたいと思っているので、そのためのステップアップやキャリアと考えています。ベナン共和国を赴任地に希望したのは、青年海外協力隊で現地での経験があり、また修士論文のテーマもベナン共和国の政治とする予定なので、そのための現地調査も理由になります。

 着任後は、インタビュー調査などで政治に関わる研究を行い、また、協力隊の時に滞在した村にも訪れたいと思っています。協力隊として共に活動した際の友人が、ベナンでビジネスを始めており、そういった人たちとの交流も楽しみにしています。

◆今後の抱負を、お聞かせください。

 外務省での研修も終わり、ベナンに行くという実感が湧いてきたところです。ベナンに戻る幸せも感じていますが、それと同時にベナンの政治経済発展に貢献できるよう頑張りたいと願っており、身が引き締まる思いです。

 大学院修了後は、外務省やJICA、国連開発計画(UNDP)などの国際機関への就職を希望しています。まだ、どの職場にするかは決めていませんが、国際協力と政治研究の双方を扱う仕事ができればと考えています。