1月15日、午後1時30分より、研究班「大豆のアジア学」(「中山間ふるさと支援隊」)が、12月に刈り取りとった大豆の脱穀作業を行いました。参加者は14名。高野倉の畑での今年度の最後の作業となりました。
脱穀作業の報告をする前に、前回(12月12日)の作業時に話題になった「藁縄」について一言。船橋春雄さんが、ご自宅の縄綯い機で、見事な藁縄を編んできてくれました。もはや一種の工藝品ですね。
まず、根岸正樹氏から、脱穀の要領が説明されました。

ビニールシートの上に積まれた刈り取ったままの大豆を、高さが同じになるように横に寝かせていきます。

だいたい平らになったら、いよいよ「脱粒」。大豆の莢から豆を出す作業です。「くるり棒」という農具を使用します。くるり棒は、乾燥した大豆を叩き、豆を出すための道具です。
船橋名人の滑らかな模範演技の後は、学生たちによる人生初のくるり棒体験です。「棒が回らない!」「どっちに回せばいいの!」。名人の手取り足取りの指導で、なんとかくるり棒で大豆を叩けるようになりました。軽やかなくるり棒さばきを見せたのは松本怜さん。「くるり棒・松本」と称えらました。

くるり棒で叩いた後は、叩き残しがないか確認します。

枝や豆の出た莢をどんどんシートの外によけていきます。最後は「篩(ふるい)」を使って、残りの莢や殻をよけます。
しかし、これでも、細かい殻が粉状になって混ざっているので、そこから滓を払い、大豆だけを取り出さなければなりません。
ここからは「唐箕(とうみ)」という農具の出番です。一人が、上方の三角口から篩にかけた大豆を入れます。向こう側で、もう一人が、手回しハンドルで羽根車を回転させて風を送ると、軽い滓は吹き飛ばされ、大豆だけが選別口から出てきます。

学生からは感動の声が上がっていました。この作業は、かつては篩を使ってやっていたこともあるそうです。根岸さんのお手本を真似て、只野さんがやってみました。なかなかのものです!「くるり棒・松本」に次いで、「人間唐箕・只野」の誕生です。

唐箕による作業は30分程で終了し、最後は、大豆の選別です。虫食い大豆や割れた大豆を、篩を使って、よく見ながら手作業で除いていきます。
選別が終わる頃になると、冷たい風が吹きはじめました。選別された少し青みがかった大豆を眺め、脱穀後の枝や莢の山で焚き火をして暖を取りながら、収穫の喜びを分かち合いました。
最終回も、熱心な「応援団」の方々にご参加いただいました。東松山農林振興センターの黒澤健一副所長と小池崇氏、鳩山町役場産業振興課の清水儀行氏には作業を手伝っていただきました。ちなみに、小池崇さんも初の「くるり棒」体験だったようです。
今回の作業をもって2015年度の現地活動は終了します。花之木営農組合の根岸正樹氏と船橋春雄氏をはじめ多くの方々のご協力により、「ふるさと支援隊活動」の初年度を無事に終えることができました。記して深く感謝の意を表します。ありがとうございました。
2月4日には、飯能市市民活動センターにおいて、中山間ふるさと支援隊の最終報告会が開催されます。