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2009年度現地研修報告―パキスタン

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2年次の学生(希望者のみ)を対象にした、大東文化大学国際関係学部の現地研修ですが、今回はパキスタンからの報告が届きましたのでお知らせします。

本年度のパキスタン現地研修には引率教員1名と学生5名(女子2名、男子3名)が参加しました。研修期間は2009年9月21日から10月19日までの28日間でした。うち、9月23日から10月15日までの23日間は提携校のあるラホール市に滞在し、パンジャーブ大学での語学研修に参加しました。語学研修後、ラホール市内観光の他、ラワルピンディーやイスラマーバードを見学しました。


ラホールでの宿は新キャンパスにあるゲストハウスでした。部屋は大きく清潔で快適に過ごすことができました。毎朝8時前にパンジャーブ大学の専用車で、旧キャンパスにある教室に移動し、そこで12時過ぎまでウルドゥー語の授業を受けました。その後、宿で昼食を食べたあと、学生は現地アシスタントの学生と一緒に、市内の博物館、モスクや市場にでかけました。本年度は提携校の現地大学院生2名(男女各1名)にアシスタントになってもらいました。彼らの自宅で家族の皆さんと交流させていただいたり、旧市街の路地裏を案内していただいたり、学生は貴重な体験をすることができました。当初はあまりうまくできなかったコミュニケーションですが、慣れてからは、知っているウルドゥー語や英語の単語を総動員して、意思疎通ができるようになりました。

ラホール滞在期間中に、ホンダの工場(二輪車)を見学しました。多数の部品が最終品に組み立てられていく工程は圧巻でした。駐在されている3名の日本人技師の皆さんからは、業務内容のほか、海外生活の醍醐味と苦労について、いろいろとお話を伺うことができました。また、JICAの「技術教育」プロジェクトと「識字教育」プロジェクトを見学する機会もありました。草の根レベルでの国際交流の現場を訪ねることができ、学生達は大きな刺激を受けました。


ラホールでの食事は、すべて宿に準備してもらいました。毎年料理をつくってもらっている馴染みのコックさんに、今回も日替わりの食事を準備してもらいました。学生の健康と栄養のバランスに配慮したきわめて美味しい食事をつくってくれたので、体調をくずす学生はほとんど出ませんでした。今年は、牛挽肉カレー、魚カレー、そして苦瓜入りチキンカレーが逸品でした。

今回の研修では学生の安全確保を最優先にして行動計画をたてました。現地の日本大使館、JICA事務所、提携校の研修受け入れ担当教員、宿の管理者、現地旅行業者と密に連絡をとりあいながら、日々の行動計画の確認や見直しを行いました。10月中旬、パキスタン各地でタリバーンによるテロが発生するようになってからは、安全確保のために、何度か宿で待機するように学生に指示を出しました。パキスタンの情勢が好転することを願っています。


学生達は今回の研修から、体調管理、ストレス管理、自己表現法、多様な文化・価値観の尊重、など多くのことを学んでくれたものとおもいます。今回の現地研修を契機に、参加学生のパキスタンやウルドゥー語への関心がさらに深まることを願っております。


(国際関係学科教授 篠田 隆)