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国際関係学科国際文化学科

国際交流委員会企画 第1回 NGO/NPO関連講座(7月4日)が行われました

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 NGO/NPO関連講座では国内外で活躍するNGO(非政府組織)やNPO(民間の非営利団体)の関係者をお招きし講義やワークショップを行っています。学生の国際的な協力活動や学習に役立ててもらおうという目的で昨年度から開始されました。今年度第1回目は東洋大学の箕曲在弘(みのお ありひろ)先生にフェアトレード運動の基礎知識と実践についてお話し頂きました。

講義 「フェアトレード運動が目指すもの」

 箕曲先生は東南アジア、ラオスのコーヒー生産者のもとでフェアトレードの影響について調査研究を行われ、現在は農民主導による生産者協同組合を再生させるプロジェクトに取り組まれています。
<プロフィール>
早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(文化人類学)。
博士論文『フェアトレードの生産者への影響をめぐる人類学的研究-ラオス南部ボラベン高原のコーヒー栽培農村の事例から-』でアジア太平洋フォーラム・淡路会議第12回アジア太平洋研究賞受賞。
現在、東洋大学社会学部社会文化システム学科助教、(株)オルター・トレード・ジャパンのラオス事業アドバイザー。

フェアトレードとは

 「フェアトレード」とは「発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み」のことです。
 通常の利益重視の取引では、生産物は安く買い取られます。そのため生産者は大量生産せざるをえません。しかし、収入・技術が十分にないまま無理に生産しようとすると質も落ち、結果的に生活も成り立たないという悪循環がみられるそうです。

 フェアトレード商品には衣料品や食品など様々なものがありますが、身近なところでコーヒー、バナナ、エビ、チョコレートなどが挙げられます。一般のスーパーでは取扱いはまだ少ないですが、日本でもフェアトレードに取り組む団体やフェアトレード商品を扱うお店が増えてきています。

学生によるフェアトレード実践の紹介

 大学生によるフェアトレードの実践をご紹介頂きました。全国規模の大学生によるフェアトレード・ネットワーク「Fair Trade Student Network」がは組織化されており、情報共有・発信、キャンペーン、シンポジウムなどが活発に行われています。また、複数の大学共催の「まちチョコネットワーク」では、フェアトレードのチョコを売るだけでなく、大学の地域でパッケージ・デザインを募集したり、店舗を交渉するなどの試みを行っています。
 

 フェアトレードには関心があるけれど、何から始めたらいいのかわからない、という学生も多いと思います。箕曲先生のアドバイスは①現場に行ってみよう!②人をつなぐ、地域をつなぐ、社会の仕組みを知る③問題意識をもつ!④目標をもつ!⑤何よりも楽しむ!でした。

ワークショップ「フェアトレードを広める団体を作ろう」

 フェアトレードを広める団体をつくる、という前提で、①活動のミッション(使命)を考える②今年度の目標を一つ定めよう③メンバーを募ろう。組織をつくろうという手順でワークショップが進められました。グループに分かれ、活発に意見交換がなされました。
 

この講義やワークショップは、日ごろ何気なく購入している商品がどのような経路で私たちのところに来ているのか考えてみるきっかけになったと思います。夏休みを利用してより知識を深め、実際にフェアトレード団体に参加してみるのもよいかもしれません。