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国際関係学科国際文化学科

最終報告会(7月18日)が開催されました―国際関係特殊講義(地域文化の探求)―

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 7月18日、東松山キャンパス内のM-Hallにおいて、国際関係特殊講義(地域文化の探求)の最終報告会が開催されました。4月末から3ヶ月にわたって、3グループ、総勢20名の学生が、東松山市文化スポーツ課より提示された「若いみなさんがウォーキングに参加したり、実践したりする『ウォーキングのまち東松山』を全国に発信するためにはどうしたらよいか」という課題に取り組んできました。6月21日の中間報告を経て、その待ちに待った成果が森田光一東松山市長、中村幸一東松山市教育長ほか、課題出しをご担当いただいた文化スポーツ課をはじめとする市役所の方々の前で報告されました。

チームA


「森田市長、日本スリーデーマーチは50回大会まで続くでしょうか? 中村教育長、記念すべき100回大会を迎えることができるのでしょうか?」。
いきなりの質問攻めでチームAのプレゼンがはじまりました。出場者数を増やすことは大事だけれど、それ以上に高齢化が進む運営の組織的基盤を強固にする必要があると問題提起し「TDR」なる組織づくりを提案しました。「TDR?? 東京ディズニーリゾート?」と思いきや、東京電機大学、大東文化大学、立正大学という比企地区にキャンパスをもつ大学の学生によるウォーキングネットワークの提案でした。クリーンウォ-クやアジア料理の屋台ボランティア、本格的なアンケート調査などからはじめ、将来的には実行委員会を支援できる組織へと成長させる計画です。比企から埼玉へ、埼玉から日本へ、日本からアジア、そして世界へと、構想は遠大です。オランダはナイメーヘンの学生と大東文化大学の学生が比企の道を散策する日もそれほど遠くはなさそうですね。

上:チームAのプレゼンをした学生。下の画像をクリックするとプレゼン資料をご覧いただけます。

チームB

上:チームBのプレゼンをした学生。下の画像をクリックするとプレゼン資料をご覧いただけます。


「日本スリーデーマーチは完成された家屋です。付け加えるようなものはなかなか見当たらない」。
そこで、チームBが取り組んだのは、若い人々がごく自然に「(今日は)歩いて帰ろうか」といえるような「ウォーキングのまち“東松山”」の環境づくりです。
さまざまな施策が提案されました。まず、ウォーキングイベントとして、500mの「世界一長いバージンロード」を歩く「ストリート・ウエディング」や「子どもウォーキングキャンプ」を実施すること。
第2は、20代・30代のスリーデーマーチ参加者数を現在の倍の3000人にするためのアプリの提案です。第3の提案が、若者“定住化”作戦です。目標は「待機児童ゼロに」そして「若者が働ける場所をつくること」。
第4の提案は東松山市をPRする方法で、「東松山オリジナルの美少女キャラクターを!」等など。最後は「東松子さん」が登場し、4つの提案をまとめてプレゼンを締めくくりました。30分にわたる長いプレゼンでしたが、アイディアの玉手箱といった感じでしたね。

チームC



丹念な資料収集とフィールドワークを重ねてきたのはチームC。
「ウォーキングに関心のない若者は多いけれど、若者の健康行動への関心は実は高い」。
けれども、スリーデーマーチに学生を参加させるだけでは一時の盛り上がりに終わってしまう。「ウォーキングのまちは三日にしてならず」といったところでしょうか。ウォーキングのまちづくりのためにはもっと長期的な視点が必要。そこで、目をつけたのが「ママさん」。ママさんを対象に「SLOWカフェ」などさまざまな取組を展開し「理想の循環」をつくりあげ、オランダ・ナイメーヘンのような「ウォーキング文化」を培っていこうという提案です。親子の楽しいウォーキング体験により、子どもが成長し大人になるにつれウォーキングが日常化するようになります。結婚すれば夫婦で歩くようにもなり、子どもが生まれ「ウォーキングとともにあった人生」を子どもに継承するために、今度は親として子どもといっしょに「SLOWカフェ」に参加する。
「理想の循環」とはこのようなものです。

上:チームCのプレゼンをした学生。下の画像をクリックするとプレゼン資料をご覧いただけます。

 3チームのプレゼン終了後、森田市長と中村教育長(日本スリーデーマーチ実行委員長)から全体講評をいただきました。中村教育長からは「東松山キャンパスに4年間という条件を生かして、学生が主体となって本日のアイディアを実現すべく努力してもらいたい。市は学生を支援するかたちで進んでいきたい」とのお話がありました。森田市長からは、次のような講評をいただきました。現実をよく理解したうえでの提案が多く、ウォーキングを「まちづくりのアイデンティティ」とする東松山市においてすぐにでも実現したい魅力的なアイディアもあります。実効性のあるものから実現に向けて検討をはじめたい。東松山市のスリーデーマーチは世界第2位、日本では他の追随を許さない参加者数を誇る「参加型のイベント」(お祭りではない!)なので、若い人々の「参画」によって盛り上げていっていただければ有難い。最後に、今年のスリーデーマーチには「みなさんを特等席にご案内するのでぜひ参加してもらいたい」と、37回大会への一足早いご招待(?)をいただきました。


  プレゼンで提起された「TDR」の組織化、アプリの作成やウォーキングイベントの開催、理想の循環の糸口となる「SLOWカフェ」開催など、いずれも魅力的な企画ですが、これらをどうやって実現していくか。最終報告をもって授業としては一区切りですが、東松山市との連携事業は今後も続きます。

  本格的なPBL型授業は、学部にとってはじめての取組でしたが、なんとか最終報告会までたどり着くことができました。昨年6月に政策財政部に本企画のご相談に伺って以来、森田市長をはじめ東松山市役所の方々には多大なご協力をいただきました。記して深く感謝の意を表します。