Asia education

研究班「大豆のアジア学」の「ふるさと支援隊」事業がスタートしました。

  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア
  • Xでシェア

 7月4日(土曜日)、研究班「大豆のアジア学」の「『鳩山大豆』の栽培・加工・広報による『元気創造』プロジェクト」がスタートしました。これから半年にわたって、鳩山町をフィールドに、地元の高齢者の方々と力を合わせ、地域と学生による「元気創造」を目指します。

 午後3時半。大豆栽培ははじめてという8名の学生からなる支援隊が、高野倉の畑に集合します。作業の前に、花之木営農組合の根岸正樹氏と船橋春雄氏から、種播きから収穫までの大豆栽培の初歩を学びます。 
 梅雨真っ只中。大粒の雨の降る中での作業でした。船橋氏の鍬使いをお手本に(まさに名人藝!)、まず畝縄を張り、畝切りに取りかかりました。鍬を使うどころか、鍬にさわるのもはじめての学生たち。しかし、筋は悪くないようで、すぐに畝切りのコツを摑み、40分ほどで、約5畝(500㎡)の畑に6本の畝を切りあげました。

畝の間隔を測る

「高齢者にもできる大豆栽培」は、本プロジェクトの柱の一つです。そのために、畝と畝の間隔を150cmにしました。畝間は、通常は70cm程度です。畝間を広くしたのは、高齢者にとってとりわけ負担の重い除草作業を、管理機を入れて簡単に行えるようにするためです。「収量よりも、農作業の手軽さを」というわけです。

種まき

 次は、いよいよ種播きです。化成肥料を撒き土をかけ、大豆の種を株間15cm間隔で置いていきます。大豆種は四種類。ほとんどが「青山在来」ですが、他に大学の実験農場で10年にわたって栽培し続けている「アケボノ」(山梨県身延産)と鳩山在来の「宇宙大豆」、そして根岸氏から提供された「丹波の黒豆」の三種類を播きました。

 大豆を播きおわったところから、土をかぶせていきます。「かぶせる土の厚さは、種の直径の2倍です。あまり厚くかけすぎると発芽しないことがあります」と根岸氏。学生たちは少々不安げな面持ちで、濡れた土が付いて重くなった鍬を操りながら慎重に土をかけていました。
 

 大雨にもかかわらず、畝切りから播種まで順調に進んだのは、学生を上回る数の熱心な「応援団」のお陰です。東松山農林振興センターの黒澤健一副所長、吉本理恵氏、野﨑洋平氏、鳩山町産業振興課の福岡速身課長と清水儀行氏には、文字通り「ふるさと支援隊」の一員となって、学生とともに(学生以上に?)たくさんの汗を流しご活躍いただきました。
記して感謝いたします。

 大豆を播き終わった、黒々としたこげ茶色の畑はとても美しく豊かに見えます。梅雨の雨、そして学生たちの汗や喚声を吸収した大地で、大豆は早ければ一週間で発芽し、二週間もたてば双葉になるはずです。さて、学生たちの種まきの成績はいかに。
 梅雨が明け夏本番ともなれば、やっかいな雑草との戦いがはじまります。しかし、そこは「畝間150cm」の強み。管理機を押しながら、大豆の成長を応援したいと思います。

「旬の花」でのサプライズ

  播種の終了後、学生たちはサプライジングなおもてなしをうけることになりました。鳩山町の「鳩豆工房 旬の花」において特産品の「鳩豆うどん」をご馳走になりました(根岸さんの枝豆も美味しかったですね!)。重くぬかるんだ土と格闘し汗をかいた後だけに、美味しい「鳩豆うどん」は何よりのご褒美です。予期せぬ歓待に学生たちも大喜びでした。
 もちろん、旬の花では「鳩豆うどん」をご馳走になっただけではありません。東松山農林振興センターの黒澤健一副所長の進行で、「ふるさと支援隊」をめぐりさまざまなお話を聞くことができました。歓迎の言葉と「食べるものをつくる『農業』の大切さ」を説かれたのは、花之木営農組合の下口宏組合長。根岸正樹氏には、本日の播種作業を振り返りながら「大豆栽培の手順」のおさらいをしていただきました。また、清水儀行氏(鳩山町産業振興課)からは鳩山町観光ガイド『ぐるり鳩山』の紹介と、加工品開発への熱い期待が語られました。最後に『比企地域 農と食のガイド』が配布され、野﨑洋平氏(東松山農林振興センター)から「ふるさと支援隊として、地元のみならず比企全域の農産物にも関心をもってもらいたい」との激励の言葉が語られました。
 『広報はとやま』の編集を手がける政策財政課の黒田裕介氏には、本日の活動の一部始終を丁寧に取材していただきました。

 10月には枝豆になります。地元の小学生を招待しての「枝豆収穫体験」を計画しています。2013年度から「大豆のアジア学」が毎年参加している身延町の「曙収穫体験」のような、みんなに気軽に参加してもらえる楽しいイヴェントを企画したいと考えています。 
 本日で、大豆の種まきも一段落。次なる課題は「枝豆」をテーマにした加工品の開発です。学生たちは、ドリンク系、パン系、スイーツ系など、いくつかの作業グループに分かれ、新商品の開発を目指します。10月の枝豆収穫体験の頃には「試作品」ができあがっているかもしれません。乞うご期待。