Asia education

研究班「大豆のアジア学」による、枝豆収穫体験(ふるさと支援隊事業)が実施されました(10月15日)。

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 研究班「大豆のアジア学」は、「『鳩山大豆』の栽培・加工・広報による『元気創造』」をテーマに掲げ、鳩山町をフィールドに活動しています。7月の播種、そして中耕・培土などの管理作業の後は、ほぼ10日ごとに生育状況の観察を行ってきました。やや「草ボケ」感はありますが、9月中旬頃からは順調に莢が膨らみはじめ、10月上旬には立派な枝豆に成長しました。

鳩山大豆の成長(7月31日~10月6日)












 10月15日、秋晴れの空の下、鳩山町立亀井小学校3年1組のみなさんを招いて「枝豆収穫体験」を行いました。学校長の小峰洋先生、担任の村上佐千子先生の引率により、15名の元気な児童のみなさんが参加してくれました。

 「大東文化大学・ふるさと支援隊」主催の枝豆収穫体験は、ただ枝豆の莢を摘み取るだけではありません。摘み取る枝豆の重さの正確さを競います。目標は「500g」。計量の結果、500gちょうどの人は「ピタリ賞」がもらえるという「ゲーム感覚」の収穫体験です。

 子どもたちは、大豆畑に入っても、はじめのうちは畝間を歩きながら、目に付く枝豆だけをやや控えめに摘み取っていました。「葉っぱをよけると大きいのがたくさんあるよ」「太った莢だけをとるんだよ」。船橋さんや根岸さんが声を掛け、学生たちが摘み方を教えると、小学生たちの動きがにわかに活発になりました。三連の莢を見つけては大喜びの子ども。何度もテントの下に行っては、真剣な表情で、自分の摘んだ枝豆と500gの枝豆が入った袋やペットボトルと重さ較べをしている子ども。計量をするかどうか迷っている子ども。実りの秋を迎えたこの日の大豆畑で、15人の児童のそれぞれの微笑ましい「収穫体験」を眺めながら、わたしたち「ふるさと支援隊」もゆったりと愉快なひとときを過ごすことができました。3年1組のみなさん、どうもありがとうございました。

 ところで「500g」の結果はどうなったのでしょうか。スタートから約30分後、早くも計量に表れた女の子がいました。「もういいのかな」と学生。「どうしようかな」と少し迷っている表情。「もういいです。量ってください」。枝豆の袋を量りの上に乗せると、驚く勿れ「500g」の目盛りと針がぴったりと重なりました。いきなりの「ピタリ賞」です。次々に計量し、最終的に、4名の児童が「ピタリ賞」に輝きました。賞品は、大東文化大学特製のフェイスタオルです。なお、全員に参加賞として、大東文化大学からは「特製キーホルダー(東松島復興応援グッズ)」が、指導者の根岸正樹氏からは、丹精込めてつくった「鳩山産『前川次郎柿』(甘柿)」がプレゼントされました。

 計量の後は、枝豆の試食と「飲む枝豆」の試飲会です。この日のために、ミキサーをフル稼働させ試作を繰り返してきました。大豆の加工品開発は、研究班の「活動の三本柱」のひとつ。2015年度は「枝豆」をコンセプトに、ドリンクやパンづくりを中心に試行錯誤を重ねています。「飲む枝豆」は「大東文化大学・ふるさと支援隊」が手がけた加工品の記念すべき第1号ということになります。

 「枝豆のほかに、何が入っていると思いますか?」「きゅうり」「ゴーヤ」「ほうれん草」(惜しい!)「メロン」(おいしい!)・・・。残念ながら、どれも入っていませんね! 正解は? もちろん「企業秘密」です。

 試飲の後、小学生のみなさんに「飲む枝豆」の味を採点してもらいました。最高100点、最低30点(きびしい!)。平均点は、89.9点でした。数名の児童のみなさんが「感想」を書いてくれました。「ツブツブしていておいしかったです」「色がきれいです」「豆のあまさがありとてもおいしかったです」「えだ豆のあじがすごくっておいしかったです」「ぎゅうにゅうが入っているのがわかりました」等々。牛乳は一滴も入っていないのですが、「牛乳の味を感じた」という小学生の純粋な味覚は、今後の製品開発のための貴重な情報です。

 試飲は、大東文化大学、鳩山町役場、埼玉県農林振興センターのそれぞれの職員の方にもご協力いただきました。100点満点の平均点は、大東文化大学(10名)「58.0点」、鳩山町役場(24名)「65.8点」。「うまい」「爽やかでさっぱりしていて、飲みやすい」「スイカ、メロンの味がする」「豆乳よりうまい」等々。あたたかい励ましを込めた有難い感想を頂戴しています。小学生や「応援団」の皆さまの貴重なご意見を参考にしながら、最終活動報告会には、さらにおいしい「飲む枝豆」を振る舞えるように改良を重ねていきたいと思います。

 「大東文化大学・ふるさと支援隊」は、「枝豆収穫体験」や「飲む枝豆」のようなささやかな取組を、鳩山町の活性化に繋げたいと考えています。亀井小のみなさんの小さな枝豆収穫体験がきっかけとなって枝豆収穫体験畑が町中に広がり、鳩山が「枝豆の里」として有名になる日のために、そして、100%鳩山産の枝豆でできた「飲む枝豆」を、子どもたちが給食で飲める日が来るように、わたしたちはこれからも智恵を絞っていきたいと考えています。

 今回も、やさしく熱心な「応援団」の方々にご協力いただいました。東松山農林振興センターの黒澤健一副所長と吉本理恵氏、鳩山町産業振興課の清水儀行氏と『広報はとやま』の黒田祐介氏、JA埼玉中央営業部の嶋田幸二氏には、「枝豆収穫体験」を最後まであたたかく見守っていただきました。ありがとうございました。
 最後になりましたが、「ふるさと支援隊」の趣旨をご理解いただき、枝豆収穫体験への児童の参加を快諾していただいた鳩山町立亀井小学校長の小峰洋先生と、3年1組担任の村上佐千子先生に、記して深く感謝の意を表します。

 11月の下旬ともなれば、大豆の葉が落ち、いよいよ刈り取りの時期を迎えます。脱穀は、昔ながらの「くるり棒」や「唐箕」を使って行う予定です。

 後日、亀井小学校3年1組のみなさんから、心のこもったすてきなお礼のお手紙をいただきました。どうもありがとうございました。これからも「大豆の教室」で大豆のことをしっかり勉強して、「鳩山の大豆」を世界中に広めていってください。