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政治学インターンシップ(テーマ探究・日本の安全保障研修)実施報告書

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政治学インターンシップ(テーマ探究・日本の安全保障研修)実施報告書
2024年 12月 24日
武田 知己

 

 2024年度の「政治学インターンシップ テーマ探究 日本の安全保障研修」は、12月18日から21日にかけて、総勢16名の参加学生とともに、無事現地研修を終えました。

 

<事前学習>

1回目
日時:11月16日(土曜日)10:55開始
教室:8222教室
内容:①各自自己紹介、②全行程の確認、③沖縄の歴史について ④見学先の自衛隊などへの質問、⑤旅費集金

 

2回目(任意)
日時:2024年11月23日(土曜日・祝日) 13:00-17:00(12:30開場)
シンポジウム:『海上保安における競合と協力』
開催場所:一橋講堂
〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2丁目1-2 学術総合センター 2階

 

3回目
日時:12月14日(土曜日)9:10開始 ※開始時間にご注意ください。
教室:8222教室
内容:①日本の安全保障をめぐる問題(日米安保、海上保安について)、②旅行前の最終確認

 

 

■2024年12月18日(水)


09:30羽田空港集合・搭乗(ANA469)==13:15那覇空港到着==荷物預かり==那覇市内博物館等見学(14:15~17:15)== ホテル帰着==各自で夕飯

 

 

 

 

 

■2024年12月19日(木)

 

08:30ホテル前集合・出発==09:30那覇基地正門(~09:40)==F15研修(09:40~10:10)・砲台跡研修(10:20~10:40)==移動==航空自衛隊那覇基地着・基地司令による那覇基地概要説明及び懇談(11:00~12:00)==体験喫食及び売店、休憩*喫茶代支払(12:10~13:00)==救難隊研修(13:00~13:40)==移動(空自→那覇基地庁舎前)==概要説明・質疑応答(広報展示室 14:00-14:00)==若手隊員との懇談(広報展示室、3名。14:40-15:10)==広報資料室見学(15:10-15:30)==移動(基地庁舎前→格納庫)==航空機見学(P-3Cを予定、15:40-16:10)==写真撮影==移動(格納庫→正門)16:25解散==ホテル帰着==各自夕食・自由時間

■2024年12月20日(金)

 
09:10ホテル前集合・出発==0930キンザー到着(第2屋冨祖ゲート)==(バス車内より)キンザー見学(9:30-:10:00。途中、団体写真の為下車)==沖縄戦戦争資料館見学(10:00-10:45)==移動==隊員らと一緒にランチ&交流(11:00-:13:00)==移動==正門前下車(13:30)==第11管区海上保安本部:業務説明及び質疑応答(13:30~14:30)==旧海軍司令部壕(14:45-16:00)==勉強会(講師:内田真一氏16:45-18:00)==移動==懇親会

■2024年12月21日(土)

 

10:00ホテルチェックアウト==自由時間・各自で昼食==14:00那覇空港着・搭乗(ANA468)==16:30羽田空港着

<総括>


 本年度は、海上保安庁の視察と海兵隊との交流を新たに組みこみました。来年度からは新たな枠組みでの実施になりますが、学生たちからは帰京後報告書を提出いただきました。その一端を紹介します。

 

・事前学習等では南西方面は喫緊の危機下にあるような印象を受けていたが、実際現地に出向いて空自、海自の自衛官の方々の話を聞いて少し印象が変わった。やはり現場の声と研究や読み取られた情報の分析された結果では認識の相違があるんだと思い、自分で受け取った情報の咀嚼、取捨選択は改めて大事だと感じました。
・対馬丸記念館に展示されている亡くなられた方の写真を見ていると、ほとんどが小学生であり2歳の幼児も犠牲になっていました。戦争を起こすと多数の民間人が殺されることを改めて実感すると共に、戦争を起こさせないことの重要性を再認識させられました。
・日本の安全保障環境は、常に変化し、緊迫している状態にあると思っています。領空、領海侵入が北朝鮮、ロシアから中国に推移し、沖縄が安全保障上の重要地点になりました。イギリス、イタリアなどの戦艦が日本に来航し、各国との安全保障連携が緊密に取れている状態であると思いました。
・今回のインターシップを終えて、現在の日本の安全保障環境には少し不安が残りました。理由としては日本の防衛機関の準備不足などではなく、外的な要因です。
・安全保障で守るものとは、自国の国益、自国の基本的人権だと思います。自国の自然、領土、文化などは、祖先が代々培ってきた国益です。それらを次の世代に継承させ、永遠に守っていくため、他国によって侵害されないための安全保障であると考えています。
・今回の研修全体を通して受けた印象としては、安全保障で守っているものは現地の生活そのものと思います。私たちが滞在した沖縄本島には悲しい歴史があったり最前線ではないにせよ危機が差し迫る場面はあるはずです、しかしその現地で見た人々はとてもおおらかで例えばお土産のおばさんにしろ道端で仲間と飲み明かしていたお兄ちゃんたちも明日を生きることができることを疑っていない。私はこの事実を平和ボケと一蹴したくはないです、彼らが安心して過ごせていること、命の危機を感じていないことこれはひとえに安全保障がうまくいっている結果だと思います。つまり、基地内部の自衛官たちやキンザーで働く米兵たちの存在が守ってくれているものと思います。
・海上保安庁に初めて関心を持った。海の警察という存在を初めて知った。
・私は日本の安全を守っている人とは、関わっている全てのひとだと思います。実際に現場で働いている人や裏方で頑張る人。その人たちの健康を作るための食事を作る人だったり。全ての人の関わりが大切だと思いました。また、遺骨収集などのボランティアをしている人も誰かの心の平和を守っていると思いました。
・キンザーでの海兵隊との食事会が印象に残っています。食事のメニューや量にも驚きを受けました。また、海兵隊と会話をする機会は、人生で数回あるかないかだと思うので、あまり上手く喋ることは出来ませんでしたが一番の思い出になりました。

 

 引率者からは、批判する前に現実を受け入れることの大切さ、良いとも悪いとも判断できないもやもやとしたその感覚が大事なので、その気持ちを忘れずに、ずっと沖縄に関心を持ってもらいたいと総括しました。

 

※来年度の「政治学研修 沖縄」は、従来の「沖縄社会調査」と「日本の安全保障」を合併させ、6月下旬に開催します。

 

(文責・武田知己)