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“川” から学ぶ武蔵国の歴史と民俗

講座内容

≪ 古代・中世の東国史を学ぶ Part34 ≫

すみだ川ゆかりの伝説と史実(5/9)
武蔵国の古代・中世史を考える上で、墨(隅)田川にまつわる伝説を見逃すことは出来ません。今回は能や歌舞伎でお馴染みの「梅若伝説」と、『更級日記』の中に登場する「竹柴伝説」を御紹介します。そのほか、墨(隅)田川ではありませんが、中世の武蔵国と“ 川” との関係がうかがえる狂言『入間川』についても御紹介します。
(担当講師:宮瀧 交二)

利根川東遷再考 ―戦国大名北条氏と河川改修―(5/16)
これまで、江戸幕府による一大河川改修事業として歴史上で位置づけられてきた「利根川東遷」事業ですが、近年、新たに確認された江戸時代前期の絵図や史料等の分析から、江戸幕府以前の戦国時代に遡る可能性がでてきました。本講座では、当時武蔵国を支配していた戦国大名小田原北条氏による利根川東遷の前提となった河川改修事業について、関連史料を紐解きながら解説してみたいと思います。
(担当講師:新井 浩文)

川とともに歩んだ白岡の人々(5/23)
白岡市域には県内第2位の面積を持つ自然湖沼「柴山沼」のほか、一級河川と用排水路合わせて14本が流れ、9か所の「川の立体交差」が存在します。講座では地域の歴史や風土の持つ「水」との深い関係性を紐解き、川や沼と人々の暮らし、地域の歴史を生んだ背景などを様々な角度から掘り下げるとともに、皆さんがお住まいの地域の環境と歴史文化の関係を調べる視点をご提供します。
(担当講師:奥野 麦生)

古墳時代の武蔵の物流と河川交通(5/30)
古墳や集落から出土しているモノ(例えば、須恵器や埴輪、古墳の石室石材など)から古墳時代の物流や文化交流を「河川交通」をキーワードに学びます。
(担当講師:水口 由紀子)

近世の川境をめぐる争論 -武蔵国の裁許絵図を事例に-(6/6)
古来より、川は境界としての機能を有していました。江戸時代になり開発が進行して多くの村が置かれると、その境界をめぐる争論が多発しました。このような争論をめぐり江戸幕府の評定所という裁判所で下されたのが裁許絵図と呼ばれる、裁許(判決文)が書かれた絵図です。この講座では、東松山市の近隣に残された裁許絵図から、江戸時代の川をめぐる生業や慣行を読み解きます。
(担当講師:宮原 一郎)

川の民俗学 ~荒川水系をめぐって~(6/13)
秩父山地を水源に東京湾へ注ぐ荒川は、埼玉の「母なる川」として、流域の人たちと深く関わってきました。そこでは生活に必要な水の恩恵を享受する反面で、度重なる水害も受けてきました。各地で暮らす人たちは水の神を信仰し加護を祈りましたが、その様相には地域の特色が如実に反映されています。ここでは、これらの水神信仰を通じ、荒川水系に伝わる民俗の一端をたどってみたいと思います。
(担当講師:柳 正博)

テキスト

レジュメを配付します。

講座番号(会場)
105(東松山キャンパス)
回数
全6回
曜日・時間
金曜日 10:00-11:30
期間
5月9日(金)~6月13日(金)
日程詳細
5/9・16・23・30
6/6・13
定員
34名
受講料
一般 12,000円 (学生 9,600円)
受付終了

講師紹介

宮瀧 交二(みやたき こうじ)
大東文化大学文学部歴史文化学科教授
図書館長
立教大学大学院文学研究科博士後期課程史学専攻(日本史専修)博士予備論文提出退学。博士(学術)[新潟大学大学院現代社会文化研究科]。専門は日本古代史、博物館学、観光歴史学。著書に『岡倉天心 思想と行動』[共著]他。(公社)日本博物館協会 平成25年度棚橋賞受賞。
新井 浩文(あらい ひろぶみ)
埼玉県立文書館学芸主幹
国立公文書館認証アーキビスト
駒澤大学文学部卒業。博士(歴史学:駒澤大学)。専門は日本中世史、アーカイブズ学。著書に『関東の戦国期領主と流通』(岩田書院)『文書館のしごと』(吉川弘文館 )他。
奥野 麦生(おくの むぎお)
白岡市立歴史資料館学芸員
大正大学文学部卒業。専門は日本考古学、文化財保護行政論。論文に「「文化財多様性」の把握と「文化財系」の提唱について~多様な文化財の包括的把握と文化財保存・活用の新機軸について考える~」他。白岡遺産保存活用市民会議事務局として活動中。
水口 由紀子(みずぐち ゆきこ)
埼玉県立さきたま史跡の博物館主任専門員兼学芸員
國學院大學大学院修士課程修了。専門は日本考古学。論文に「武蔵武士と経塚」他。
宮原 一郎(みやはら いちろう)
川越市教育委員会文化財保護課学芸員
「専門は日本近世史(江戸時代の裁判制度)。著書論文に『近世史を学ぶための古文書「候文」入門』(共著)、「近世前期の争論絵図と裁許」他。
柳 正博(やなぎ まさひろ)
埼玉民俗の会共同代表理事
東松山市文化財保護委員
國學院大学法学部卒業。専門は民俗学、祭りや人生儀礼の法社会学。著書に『都道府県別 祭礼行事・埼玉県』他。県立歴史資料館(現嵐山史跡の博物館)在任中に始まる「荒川総合調査」(県事業)を機に、「水の民俗」に取り組み、現在も継続中。