板橋キャンパス多目的ホールで9月10日、本学の中堅職員を対象とした階層別研修の全体発表会を開催しました。階層別研修は本学園の「等級」や「役職」といった階層ごとに実施される研修で、それぞれの立場や役割において求められる知識・スキルを効率的かつ体系的に習得させ、持続的な成長を促すことを目的としています。
今回は、社会的ニーズが高まっている「社会人向けリカレント教育」をテーマに、本学が有する教育・研究資源やキャンパスの地域特性などを活かした、持続可能な教育プログラムの企画・立案に取り組みました。
また、参加者が共通の課題についてグループで議論を重ね、一つの企画としてまとめ上げ、チームで発表する形式は、本学園の階層別研修では初めての取り組みとなりました。
研修に参加した53名の中堅職員は、数カ月にわたるグループワークを通じて、本学の多様な研究・教育資源や各キャンパスの特色を改めて見つめ直し、それらを活用したリカレント教育プログラムを検討しました。
当日は全10グループが登壇。大学執行部らが審査員を務める中、各グループが10分間の持ち時間で、それぞれの企画についてプレゼンテーションを行いました。
審査では、「リカレント教育の理解」、「大学の現状把握」、「課題に対する着眼点・熱意」、「構成・プレゼンテーション」の4つの観点から評価が行われました。
厳正な審査の結果、総合評価で最も高い評価を得た「優秀賞」と、社会課題の解決に向けた視点などが評価された「理事長賞」の2チームが選出されました。
受賞プログラム
【優秀賞】
発表チーム:E班
プログラム名:大東文化大学発「在宅・地域ナース育成」リスキリングプログラム
全国に多数存在する「休眠看護師」の職場復帰を支援する「『在宅・地域ナース育成』リスキリングプログラム」を提案しました。補助金に依存しない大学の新たな収益源の確保と、医療・介護分野の人材不足という社会課題の解決を同時に目指す戦略的な取り組みです。
ターゲットは、育児などで約10年の離職期間があり、最新技術や病棟復帰に不安を抱える30〜40代の看護師です。本プログラムは全60時間(約3ヶ月間)で構成され、隙間時間を活用できるオンライン講義(36時間)と、学内に実際の生活空間(和室や一般浴槽など)を再現した「在宅看護学演習室」での対面演習(24時間)を組み合わせたハイブリッド型学習を提供します。 特に、対面演習をすべて平日の日中に限定し、受講者専用の託児施設を期間設置することで、育児との両立という最大のハードルを解消している点が特徴です。
プログラム修了後に大学の非常勤助手として働く選択肢を提案することも可能であり、学内の人材不足解消を図りつつ、2~3年目には累計黒字化を達成する持続可能な事業モデルが示されました。
【理事長賞】
発表チーム:B班
プログラム名:『子どもウェルビーイングサポーター養成プログラム -スポ健看のリソースを添えて-』
18歳人口の減少に伴う大学の定員割れや、大学イメージの浸透不足といった課題を解決するため、医療系イメージの強化と将来の就学者に繋がる子育て世代を対象とした新規リスキリング事業として、「子どもウェルビーイングサポーター養成プログラム」を提案しました。
このプログラムは、子育て世代や孫育て世代のリスキリングと、保育現場の有職者のアップスキリングを目的としています。子どもの急患対応やアレルギー対応、感染症対策多様な子どもたちへの支援や地域連携など、本学の特徴である幅広い学問分野を最大限活用し、大学公認の小児ケアのセミプロの輩出を目指します。また、各種給付金や補助金の活用可能性も検討した収益見込み、対面演習時の託児サービスなど、受講生確保と事業安定性も盛り込みました。
単なる教育プログラムではなく、本学の未来を切り拓く経営戦略として『大学ブランドを向上』させられるような企画を意識しました。
発表の様子


講評
石井淳子理事長
全10グループの皆さん、本日は大変お疲れ様でした。今回の発表は、いずれも本学の持つリソースを活用した『学園の新規事業提案』であり、大東の未来を担う皆さんの高い可能性が感じられる素晴らしいものでした。
今後、これらの企画を実際の事業として実現していくためには、社会の『市場環境(競争環境を含む)』や『マーケティング(ニーズ)』をさらに深掘りしていくことが必要ですが、いずれの提案も実現の可能性はあるものと思います。
この研修は終了しますが、今後、日常の業務を行う際にも担当業務の立場を超えた高い視点、学園、大学の発展について考える姿勢を是非持ち続けてください。
今回、自ら課題を見つけ、当事者意識をもって真剣に企画を練り上げた職員の皆さんの熱意に触れ、大東文化大学の未来はとても明るいと確信しました。これからの皆さんのさらなる活躍を期待しています。
高橋進学長
全10グループの皆さん、素晴らしい発表を本当にありがとうございました。私は今日、すべての提案に対して『もし自分が受講者だったら、どれに参加したいだろうか』と考えながら聞いていました。結果として、どれに参加しようかと非常に悩んでしまうほど、いずれの提案も魅力的でした。今回賞を取られたグループはもちろんのこと、それ以外の提案もすべて素晴らしい内容でしたので、ぜひ大学として今後の展開に活用させていただきたいと考えています。
もう一つ、私が『受講者目線』で考えた重要なことがあります。それは、社会人の学びとは、単なる形式的なものではなく、『自分の未来や将来に向けて、実際に有益であると思えること』が何よりありがたいということです。参加することが自分自身のためになる。そういう実感を持てる学びであれば、目的を持った人々は必ず集まってきます。今回の皆さんの提案には、そうした受講者に寄り添う視点や工夫が120パーセント込められており、本当に素晴らしいと感じました。
皆さんの柔軟な考え方と熱意をもって、これからの未来の『新しい大東文化大学』を創っていっていただきたいと思います。

