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2019年度青山杉雨賞を5人が受賞

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「大東文化大学青山杉雨賞」の授与式が6月10日、板橋校舎で行われ、受賞者5人に賞状、目録、記念品が授与された。
  教育研究支援金の寄付の申し出を受けて2010年に設けられた同賞は、本学元文学部教授の青山杉雨(さんう=本名文雄=)氏のご遺族から教育研究支援資金の寄付申し出を受けて制定。同学部書道学科、大学院文学研究科書道学専攻に在籍中に学内外の書活動において特に優秀と認められる者に授与される。今回で最終回となる。

 門脇学長は「受賞者の方々は、書道の大東・大東の書道の歴史を背負うだけでなく、書道界をひっぱっていく存在となってくれるだろう。この賞をひとつの励みにしてますます研鑽し、書道界・大東文化大学の発展に尽くしてほしい」と称えた。
  青山家を代表して長男の慶示氏は祝辞で同賞の歴史を振り返り「受賞者の方々には、これを機にさらに大きく飛躍していただきたい。今回で最終回となるが、今後も大東文化大学の書道の発展に協力をしていく」と述べた。

受賞者と受賞理由は次の通り(敬称略)

小西 優輝

学位請求論文『漢代骨簽刻風研究 ― 有紀年有年号類を中心に ―』で文学研究科書道学専攻博士課程前期課程を修了しました。また第34、35回読売書法展では連続で「特選」を受賞し、謙慎書道会展においても「特選謙慎賞」を受賞しました。公募展における書作活動の活躍も顕著でありますが、現在博士課程後期課程に在籍中で書作・書学の両面から追究する姿勢の継続と、今後のさらなる活躍が期待されます。

酒井 杏子

現在本学大学院博士課程前期課程に在籍しております。第23回高校生・大学生書道展では最高賞である「大賞」を受賞しました。読売書法展でも「秀逸」を受賞し、公募展における書作活動の活躍も顕著であります。書作活動や書学研究だけでなく、昨年度に引き続き今年度も教育補助員として、書道学科の為に尽力してくださっています。今後は書作活動の引き続きの活躍と、書学面の活躍が望まれております。
 

山口 雄生

本年3月に本学書道学科を卒業、在学中は篆刻作品制作演習のゼミ長を務め、書道学会や卒業制作展など書道学科の行事運営に尽力いたしました。高校生の頃から河野隆先生に憧れ篆刻を始め、そのご指導を忘れることなく作品制作を積み重ね、昨年度の第5回改組新日展にて新入選を果たしました。読売書法展においても「特選」、「秀逸」を受賞しており、その授賞歴は目を見張るものがあります。現在は新社会人として仕事と書活動との両立に励んでおります。

龍寳 眞樹

現在文学部書道学科4年生に在籍中の学生です。公募展での書作活動の活躍が顕著であり、一昨年の第4回改組新日展に新入選を果たし、昨年の第5回改組新日展においても連続入選を果たしたことでその実力を改めて証明いたしました。その他展覧会においても数々の賞を受賞しております。これまでの書作活動での経験を活かし卒業論文や卒業制作に大きな成果を挙げることが期待されます。

浦上 裕介

現在文学部書道学科3年生に在籍中の学生です。第9回青少年書き初め大会において最高賞である「文部科学大臣賞」を受賞しております。また第35回読売書法展では「特選」を受賞。漢字部を代表する「特選この一点」にも選出され新聞にも掲載されました。書道学科3年生の総括を務めておりますが、日頃の書作活動へひたむきに努力する姿が引き続き、書道学科の在学生達により良い刺激を与えてくれることを希望します。

※無断転載を禁じます

青山杉雨氏は1912年愛知県名古屋市に生まれ、親類の中に書道家がいたことから書の道へと進み、30歳で書道家の西川寧氏に師事し、本格的に書家の道を歩みはじめた。
55年4月から、本学の講師となり、59年から86年まで教授をつとめた。69年から85年の16年にわたり本学書道文化センター(現書道研究所)の初代所長をつとめ、松井如流氏、熊谷恒子氏、今関脩竹氏、宇野雪村氏、浅見筧洞氏らとともに大東書道の礎を築いた。
 青山氏は、63年に『周易抄』で日展文部大臣賞を受賞したのをはじめ、65年には『詩経の一節』で日本芸術院賞を受賞。また、謙慎書道会理事長を歴任する傍ら、伝統の書に立脚しながら現代感覚の高い独自の表現様式を確立し、さらには後進の指導や団体の育成、国際交流にも尽力したその功績が認められ、88年に文化功労者、92年文化勲章を受章。