気候変動への危機感。次の100年を見据えた「エンジンからの脱却」
世界的な気候変動問題が深刻化するなか、あらゆる産業においてカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが急務となっている。電動化の波は自動車業界にとどまらず、海や川で活躍する船外機、そして人命を救う可搬消防ポンプといった、人々の生活と安全を支える動力源にも変革を突きつけている。
1922年の創業以来、100年以上にわたり小型ガソリンエンジンの領域で世界を牽引してきたトーハツ株式会社。代表取締役社長である日向勇美氏は、これまでの輝かしい実績におごることなく、「次の100年はエンジン製品から脱却し、電動化を含む新技術へと移行しなければならない」という強い危機感と使命感を抱いていた。
国境を越えた共創。トップ自らが牽引する電動化へのひたむきな挑戦
カーボンニュートラル社会の実現へ向けて、同社は主力製品の電動化に大きく舵を切った。自社での研究開発を加速させるだけでなく、新たな可能性を求めて他社との協業を積極的に推し進めている。2023年には株式会社本田技術研究所と共同開発契約を締結し、4kW電動推進機を開発。将来の事業化を見据え、現在は熊本県天草のエビ養殖業者に委託して実証実験を実施している。レジャー用途とは異なり、養殖の現場は半年以上にわたり1日複数回の餌やりを行い、漁獲時期には1日10時間以上も稼働する。さらに漁獲物の重みによる負荷など、業務特有の極めて過酷な環境下であえて評価を行うことで、徹底的に課題をあぶり出す。現場に即した確かな実用化へ向け、ひたむきな歩みを進めているのだ。
さらに2024年、米国のIlmor Engineering Inc.と電動船外機分野におけるパートナーシップ契約を締結。日向氏自身が社内プロジェクトを主導し、2カ月ごとに幾度も渡米して直接対面での交渉を重ね、ついに同社として初となる電動製品「6kW電動船外機(Alaris MEP6.0)」の北米・欧州向け販売を実現させたのだ。
電動船外機の開発で培った最先端の技術は、防災の要となる電動可搬消防ポンプの開発にも応用されている。カーボンニュートラル社会の実現に向けた独自の取り組みとして開発が推進されており、その優れた設計はすでにグッドデザイン賞を受賞。そして2026年10月には、ついにこの電動可搬消防ポンプの発売を予定するなど、確かな実用化への力強い歩みを進めている。
多様性を尊重し、他者と共に生きる。大東のDNAが導く変革の未来
1990年に外国語学部中国語学科を卒業した日向氏。入社直後から言葉の壁を越えて海外市場の最前線に立ってきた彼の原動力には、大東文化大学で培った「文化を重んじ、多様性を尊重し、他者と共に生きる」という大東人のDNAが深く息づいている。
自社の技術だけに固執するのではなく、国境や企業の垣根を越えて他者と対話し、パートナーシップを結びながら共に未来を創り上げる。その温かくも力強いリーダーシップは、これからも激動の時代においてトーハツを新たなステージへと導いていくはずだ。
引用・参考元
本記事は、トーハツ株式会社の公式情報やインタビューをもとに、渉外連携室が独自に要約・再構成(キュレーション)したものです。