FEATURED STORY

社会課題×独自の発想。
大東人から、未来を切り拓く。

業界の最前線で、見過ごされがちな社会課題に挑む大東文化大学の卒業生経営者たち。彼らの「常識を覆す発想」と「ひたむきな実践」の物語。

株式会社フィートインデザイン 久保田敦社長
ヘルスケア・ものづくり 2026.09.02

足腰救済と予防によって超高齢化社会における健康寿命の増進に寄与し、スポーツパフォーマンス改革により日本を元気に!!!
ITの知見と「米国足病医療基準のインソール」が武器!

1992年3月 外国語学部英語学科 卒業

久保田 敦 氏

株式会社フィートインデザイン 代表取締役

大東文化大学を卒業後、IT分野の最前線で経験を積む。「日米の足の医療格差」という社会課題の解決を目指したプロジェクトに参画し、ITの知見を活かして米国足病医療基準のオーダーメイドインソール(オーソティクス)事業を構築。全国の人々の健康寿命増進とパフォーマンス向上に情熱を注ぐ。

1

超高齢社会と医療格差。見過ごされてきた「足元」の重要性

超高齢社会を迎えた日本において、高齢化に伴う医療費・介護費の増大は極めて深刻な課題である。その大きな要因の一つが、骨や関節の衰えによって歩行困難になる「ロコモティブシンドローム」だ。またスポーツの現場でも、足元の歪みが原因で将来あるアスリートが怪我に苦しみ、夢を絶たれるという不条理な現実が常に存在している。しかし、日本の多くの人は「インソール(中敷き)」を単なる靴の付属品と捉え、足そのものの機能不全が全身に悪影響を及ぼしている事実に気づいていなかった。

さらに深刻なのが、糖尿病患者における足のトラブルである。血流障害を伴うため小さな傷でも治りにくく、最悪の場合は足の切断を余儀なくされる。当時、アメリカの医療現場では足を救う高度な技術が確立されていたが、日本には浸透しておらず、明確な「足の医療格差」が存在していた。この根源的な課題を放置せず、「日本の足を救う」ためのプロジェクトが静かに幕を開けたのである。

2

ITの知見と「骨格を補正する」劇的な発想の転換

この医療格差の解消に向け、先陣を切って活動を始めたのが、のちに久保田社長が事業を引き継ぐことになる恩人であった。ITシステム開発の分野で活躍していた久保田社長は、その熱意に共鳴しプロジェクトへ参画する。彼は自身のスキルを活かし、日本の約30の病院と連携して糖尿病患者の治癒率や切断回避率などのデータを集約。アメリカの先進的なノウハウを日本の医療現場へ広めるための、強固なデータベース構築をサポートしたのだ。

そして2006年、アメリカから「フットオーソティクス(生体力学に基づく足底装具)」と足圧三次元計測機の技術が導入されたことで、事態は劇的な進化を遂げる。それは単に「靴に合わせる」「履き心地を良くする」という引き算の対策ではない。足元から全身の骨格バランスを整え、人間本来の運動能力と自然治癒力を引き出すという、根本治療に近い革新的なアプローチだった。

「足に関する悩みを抱えている人はまだまだ大勢いる。その人たちに少しでも早く、正しいフットオーソティクスが届いてほしい」

事業の推進中、共に奔走した恩人が2014年に急逝するという悲しい出来事が訪れる。しかし久保田社長は悲しみを乗り越え、その遺志と事業部を引き継ぎ、全国展開を加速させた。ITデータの蓄積と最先端テクノロジーを融合させ、医療基準のインソールを通じて人々の健康を足元から支え続けるという独自の発想を、見事に社会の実装へと導いたのである。

3

100年歩ける社会へ。足元から未来を切り拓く

現在、同社のオーソティクスはトップアスリートのパフォーマンス向上から高齢者のリハビリまで幅広く支持され、「杖なしで歩ける喜び」「車椅子から解放される喜び」を生み出している。専門技術を用いて社会課題に真っ向から挑み、人々の痛みに寄り添いながら社会のウェルビーイングに貢献する姿勢。そこには、「文化を重んじ、多様性を尊重し、人々と共に生きる」という大東人のDNAが確かに息づいている。

恩人の想いを受け継ぎ、日本の足元を救うために情熱を注ぎ込むそのひたむきな実践は、単なるビジネスの枠を超え、誰もが健やかに歩み続けられる未来を自らの手で切り拓く力強い足跡となっている。

「ビジネスの根本は、自分が何をしたいかではなく、相手が何を求めているかを常に意識することです。学生の皆さんも、目の前の人々との温かいご縁を大切にしながら、失敗を恐れず、新たな未来へと歩みを進めてください」

関連リンク

本記事は、株式会社フィートインデザインの公式情報、過去のインタビュー記事、および本学経営者の会での講演内容などをもとに、渉外連携室が独自に要約・再構成(キュレーション)したものです。

株式会社フィートインデザインの事業に興味を持った方へ

人々の健康を根本から支え、スポーツ界や予防医療に革新をもたらす仕事に関心がある方は、公式サイトをご覧ください。

公式サイトを確認する