建設業の課題「担い手不足」に挑む、老舗企業の覚悟
私たちの当たり前の暮らしを支える道路や橋、学校、病院。それら社会のインフラを整備し、災害時には最前線で復旧作業にあたるのが建設業だ。埼玉県東松山市に本社を置く伊田テクノス株式会社は、明治43年の創業以来、約1世紀にわたり地域社会の発展の一翼を担ってきた。
しかし今、建設業界全体が「深刻な人材不足」と「担い手の高齢化」という大きな社会課題に直面している。同社の代表取締役社長を務める楢﨑亘氏は、この課題に対して「待っているだけでは未来はない」と、力強い改革に乗り出した。
同社は、若手人材の育成に特化した企業内職業訓練校「伊田テクノカレッジ」の開設や、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した働き方改革を推進。その先進的な取り組みが評価され、国土交通省の「建設人材育成優良企業」において最高賞である国土交通大臣賞を受賞するなど、業界のリーディングカンパニーとして注目を集めている。
地域の子どもたちへ。モノづくりの感動を伝える「出前講座」
楢﨑氏の視座は、社内の人材育成だけにとどまらない。「建設業の魅力を、未来を担う地域の若者や子どもたちに直接伝えたい」。そんな思いからスタートしたのが、小中学校および高校でも広く実施している「出前・出張講座」や、建設現場への見学会だ。
実際の現場に児童や生徒たちをお迎えし、工事の役割や道路ができるまでの流れを分かりやすく説明。さらに、重機の仕組みや現場での安全対策を紹介するほか、ドローンの操縦体験なども実施している。参加者からの活発な質疑応答も行われ、現場の生きた声を直接届けている。
さらに講座では、同社が過去に経験した台風災害での復旧活動を漫画化した独自の冊子も配布している。災害時に最前線でインフラを復旧する建設業のリアルな使命を伝えることで、未来の「地域の守り手」になりうる人材を発掘したいという強い願いが込められているのだ。 地域と共に生き、未来に投資する。伊田テクノスが大切にする「報徳(社会に報いる)」の精神が、こうした草の根の活動に深く根付いている。
母校・大東文化大学と結ぶ、新しい「産学の形」
楢﨑氏は、大東文化大学の卒業生であり、現在も本学剣道部の総監督として学生たちの指導にあたっている。そして近年、母校との絆をさらに深める画期的な取り組みがスタートした。大東文化学園との「人事交流協定」の締結である。
これは、大学の職員が伊田テクノスへ出向し、同社が実践する働き方改革やDXのノウハウを直接学び、大学運営へ還元するという産学連携の新しい形だ。
建設現場のDXから、地域教育、そして大学運営のアップデートまで。社会の「当たり前」を根底から支え、より良く変えていく楢﨑氏のひたむきな実践は、大東人の誇りとして次世代へと受け継がれていく。
引用・参考元
本記事は、伊田テクノス株式会社の公式サイトおよび関連情報をもとに、渉外連携室が独自に要約・再構成(キュレーション)したものです。