現地研修報告ーベトナム (ベトナム国家大学ハノイ人文社会大学)
2025年度のベトナム現地研修は8月15日~9月4日までの計21日間の日程で実施され、私たちはハノイにあるベトナム国家大学ハノイ人文社会大学で勉強した。
現地研修前の勉強
現地研修に行く前には、ベトナムの歴史・言語について全般的に勉強した。その中で次のようなことを学んだ。
ベトナムは、19世紀まで中国の支配下にあった(北属期)。丁部領の独立によってはじめて自立し、都はニンビンに置かれた。その後、李太祖がハノイに都を移し、李期(1009~1225)が誕生した。ハノイはその後も西山朝まで都として栄えた。
19世紀になると阮朝(1802~1945)が成立し、都はフエへ移ったが、やがてフランスに植民地化された。1930年以降には、ホー・チ・ミンらが独立運動を展開し、1945年には、ベトナム民主共和国の独立が宣言された。
その後、インドシナ戦争、ベトナム戦争、中越戦争と大きな戦争を経て、南北統一を果たした。しかし、統一後は、基幹産業の国営化や農業の集団化により生産力が低下した。
そこで政府は、「ドイモイ」(刷新)政策を行い、政治体制は社会主義を維持しつつ、経済を市場経済へ転換した。ドイモイとは、社会主義の姿勢は崩さず、経済を中心に変える政策であり、その結果、経済回復に成功し、現在も継続している。
現地校での授業
現地では、会話を中心に勉強をした。私が印象に残っているのは発音である。ベトナム語は、発音が複雑であり、声調が少し違うだけで意味が変わってしまうことからとても苦労した。何度も繰り返して練習をすることで上達し、先生から褒められた時にはとてもうれしかった。
また、現地研修中には台風が直撃し、学校に行くと道が冠水していて、先生が学校に来られないほどの影響があった。次の日はリモートになったのだが、対面でも難しいベトナム語が、リモートとなるとさらに相手に伝わらずとても大変であった。また、独立80周年記念の軍事パレードも重なり、歴史的な場面を体験することができた。
研修中に苦労したこと
私が、研修中に苦労したことは二つある。一つ目は、飲食店に入って、注文をすることだ。初めは、日本にいるときに習った言葉で注文をするのだが、発音が正確にできていないために相手には伝わらないことが少なくなく、指差しをしてみたり、簡単な英語で話したりと、その場をしのぐことも少なくなかった。そのため、カフェなどに入る際も少し気持ちが乗り気にならないことも多々あった。
だが、現地の学校でもお店での注文の仕方を習い何度もチャレンジしていくと、相手に伝わることが少しずつ増えていった。一回で注文できた時は、とてもうれしかった。
二つ目は、食事の違いである。私は、この旅に参加する前に一度なんでも食べてみるということを決めていったこともあり、現地の食べ物にも積極的に食べた。日本人の私の味には、なかなか合わず三週間という短いようで長い旅では苦労の日々であった。香辛料も少し癖があり、味が日本で食べるものより薄く感じた。
最後に
この三週間で、私たちはベトナムの文化や食事・言語を直接的に経験することができた。これは、ベトナム国家大学ハノイ人文社会科学大学の先生方はもちろんのこと、指導し
てくれた先生や観光会社の方々など多くのサポートがあって実現できたものである。日本との文化の違いや言語の壁を感じる場面が多くあったが、貴重な経験として記憶に残っている。
改めて、現地研修に携わり、サポートしてくださった方々、本当にありがとうございました。