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【入学式】平成から令和へ、新たな道の一歩を踏み出す。

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 平成31年度入学式が4月1日、埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナで挙行され、8学部20学科2733人が入学した。

 昨年度から本学の入学式は、これまでの東松山キャンパスからさいたまスーパーアリーナに場所を移し、今年も学生が主体となって入学式を企画・運営した。

 式典の開式に先立ちオープニングセレモニーでは管弦楽団の歓迎演奏や書道部が書道パフォーマンス、吹奏楽団による心踊る演奏、全學應援團が大学ならではの迫力ある演舞で会場を大いに盛り上げた。これらは新入生歓迎特別実行委員会の演出。

 学部別の入学者数は文学部609人、経済学部355人、外国語学部360人、法学部374人、国際関係学部202人、経営学部328人、スポーツ・健康科学部312人、社会学部193人。

 また、入学式と新元号発表のタイミングがほぼ同時であったことで、創部97年の歴史と伝統を誇る書道部の学生がそれぞれ普段勉強している書体で「新元号の書」の披露も行った。披露に伴い、門脇学長の専門が中国文学であることから、新元号にまつわる話を聞いた新入生や列席の保護者は早速大学の授業を体験する感覚へいざなっていた。

 本学は建学の精神で「漢学の振興」を掲げており、日本で最初に書道学科を設置するなど、漢学や書道の普及に力を注いでいる。研究・教育の第一人者も数多く輩出しており、「平成」の年号が発表された際に掲げられた文字を書いた河東純一氏も、本学の出身者である。

 加えて、本学は「教育の大東」「スポーツの大東」「書の大東」を謳い、全国で唯一、書道専門機関の「書道研究所」を設置(1969年の設置当初は「書道文化センター」。初代所長は文化勲章受章者の青山杉雨)するなど、書道研究を通じて大学の書道教育の充実を図り、これまで全国に国語・書道教員を数多く輩出してきた。

 書の世界で名を馳せた教授や卒業生も多く、全国戦没者追悼式や東日本大震災追悼式での標柱の揮毫(毛筆で文字を書くこと)は新井光風名誉教授によるもの。

 このような事由で、今回文化団体連合会の書道部が新元号を揮毫し、披露することになった。

学長告辞・門脇廣文学長

新元号について話す門脇廣文学長

大東文化大学に入学された皆さん、まことにおめでとうございます。
皆さんは、大学合格に向けて、一生懸命に取り組んでこられたことと思います。その努力に対して大いに敬意を表したいと思います。また、皆さんを支えてこられたご家族の皆さま、保護者の皆さまには、大東文化大学の全教職員を代表して、心よりお祝い申し上げます。

 

◆大東文化大学の特長
さて、皆さん! 一つ質問があります。
皆さんがこれからの4年間を過ごすことになったこの大東文化大学をどのような大学だと思っていますか。どういう特徴や個性を持った大学だと思っていますか。
大東文化大学は、
第一に、伝統のある大学です。
第二に、大きな規模の大学です。
第三に、学生が活き活きと活躍している大学です。

 

◆歴史と伝統のある大学だということ
まず、「歴史と伝統のある大学」だということについてですが、大東文化大学は今年で何年目を迎えるかご存知でしょうか。
今年で96年目になります。あと4年で100周年を迎えます。まもなく100年を迎える訳ですから、歴史のある大学と言って良いでしょう。
それでは、96年前、大東文化大が、どのように作られたか。皆さんは、知っていますか。
私立大学は、普通は、創立者がいます。例えば、慶應義塾大学は福沢諭吉作った大学です。早稲田大学は大隈重信が、同志社大学は新島襄が作った大学です。仏教やキリスト教などの宗教団体が作った大学もあります。
それでは大東文化大学は、どうだったのでしょうか。
実は、国会の決議によって作られた大学なのです。1923年、大正12年に、当時の国会である、「帝国議会」で創設されたのです。日本では非常に珍しい大学です。

 

◆「建学の精神」と「教育の理念」
それでは、何ために作られた大学なのでしょうか。私立大学には全て、なぜその大学が作られたのかということを述べた「建学の精神」というものがあります。また、「建学の精神」に基づいて、その大学はどのような人材を育成するのかということについて述べた「教育の理念」というものがあります。
「建学の精神」は、今日の入学式の「次第」に載せてあります。開けてみてください。昔の文章ですので、少々難しいかも知れませんが、ちょっと読んでみましょう。
漢学(特に儒教)を中心として東洋の文化を教授・研究することを通じて、その振興を図ると共に儒教に基づく道義の確立を期し、更に東洋の文化を基盤として西洋の文化を摂取吸収し、東西文化を融合して新しい文化の創造を目ざす。
大東文化大学には、その他に先ほど述べましたように、この「建学の精神」に基づいた「教育の理念」というものがあります。
この「建学の精神」と「教育の理念」を簡単にまとめると、一見矛盾するような「二組の考え方」にまとめることができます。
1.「伝統文化の尊重」と「新しい文化の創造」
2.「伝統的モラルの修得」と「国際社会への貢献」
まず、日本や東洋の伝統文化を尊重し、その上で西洋の文化を取り入れて、新しい文化を創造する。ということです。これは、「温故知新」という言葉に相当する考え方です。そして二組目は、日本や東洋の「伝統的なモラル」を身に付けた上で、国際社会に飛躍し、世界の文化の進展と人類の幸福の実現に寄与する。ということです。
大東文化大学はそのような考え方で創設され、そして現在もそのような考え方で教育しているのということを、覚えておいてください。

 

◆規模の大きな大学だということ
次に、「大きな規模の大学」ということについてですが、現在、大東文化大学には何人の学生がいるか知っていますか。
今日こうして入学式を向かえる新入生は、約3000名です。そしてそれが4学年ありますから、約12,000人ということになります。
全国には、国立、公立を含めて、800近い大学がありますが、この中で、大東文化大学は大体35番目くらいに大きい大学なのです。そして、現在は、8つの学部があり、さらに、その中に21の学科があります。大東文化大学は、このように多くの学部、学科を備えた規模の大きな総合大学です。
昨年度、スポーツ・健康科学部に「看護学科」、文学部に「歴史文化学科」、そして社会学部「社会学科」という1つの学部、3つの学科が新たに加わりました。
今日のこの場には、新たに出来た学科の2年目の学生たち400名が含まれています。「看護学科」「歴史文化学科」「社会学科」の皆さんはどちらでしょうか。手を挙げてください。
この3学科の皆さんは、新たな歴史の担い手です。そのことを自覚して、頑張ってください。
日本文学科、中国文学科の皆さんは、何処でしょうか。皆さんは、大東文化大学96周年の伝統を丸々受け継いでいます。その他の学科の皆さんも、それぞれ年数は異なりますが、それぞれの伝統を担って、これからの4年間をこの伝統ある大東文化大学で過ごすことになります。
皆さん、このような大学の一員になったことに誇りを持ってください。

 

◆学生が活き活きと活動している大学だということ
次に、3番目の「学生が活き活きと活動している大学」ということについてお話ししたいと思います。
大東文化大学と言えば、世間からは「大東漢学」「大東書道」、そして「スポーツの大東」などと呼ばれています。

先ほど新元号が発表されました。書道部の皆さん登壇してください。(書道部登壇)

新元号の発表をうけて歴史と伝統を誇る書道部11人がこの短時間で書いてくれました。

新元号の「令和」は、万葉集が出典とされていますが、よくよく調べてみると3000年から2500年前の中国の書物『儀礼』が元になっていることがわかりました。

意味は、「梅の花のごとく薫り高い文化をはぐくむ」です。これは、まさに今日新しい一歩を踏み出す皆さんにとって最も相応しい内容です。

書道部の皆さんありがとうございました。(書道部降壇)

話は、元に戻しますが、
「スポーツ」では、ラグビーや男女の駅伝が非常に有名ですが、その他にも、テコンドー部は昨年全日本学生選手権で四連覇を果たしました。東京オリンピックにも、本学の現役の学生や卒業生が出場することが期待されています。
また、男子バスケットボール部やスケート部、弓道部、女子サッカー部が全国レベルで活躍しています。その他にも、レスリング部、硬式野球部、アイスホッケー部、女子バレーボール部、相撲部、スキー部、柔道部、女子バレーボール部など、全部で41の運動部が活躍しています。
文化部では、書道部が非常に有名ですが、混声合唱団、写真部、児童研究部、落語研究会、映画研究会、会計学会、管弦楽団、ギタークラブ、児童文化研究部、JAZZ研究会、軽音楽BBQ、劇団虚構、国文学研究会、琴和道会、軽音楽サークルD.F.A.log、美術部、将棋研究会、中国語研究部、吹奏楽団、ハーモニーコリン、ユースホステル研究部、鉄道研究会など、全部で23の文化部が活発に活動しています。
そして、これらの部をまとめているのが、体育連合会と文化団体連合会であり、さらにそれらを大きくまとめているのが学生自治会です。
また、本学には『スポーツ大東』という新聞があります。この入学式が終わったあと、配布されますので、ぜひ目を通してください。運動部の活躍を取材して、発行していた新聞ですが、これを編集しているのも学生たちです。
さらに、本学には、全學應援團があり、その中には、チアリーダーも含まれていますが、スポーツの応援だけでなく、さまざまなイベントで学生を応援し、励ましています。

 

◆「Daito Education PLUS」について
その他に、昨年度から始めた「Daito Education PLUS」という活動があります。これは、一定の研修を受けた学生リーダーが中心となって、学内、学外のさまざまな活動を学生が主体となって行っている活動のことです。
「Daito Education PLUS」という名称は、普通の授業である「Education」に「PLUS」して行う活動という意味で名付けられたものです。
東京オリンピックやパラリンピックのボランティアの「キックオフイベント」や、運動部の新入生を対象とした「新人アスリートセミナー」、あるいは図書館の協力を得ながらの「ビブリオバトル」などを行っています。
今日の、この入学式ですが、学生自治会の協力の下、執り行っています。これも、昨年は「Daito Education PLUS」の学生たちが主体となって、自ら企画し、運営しました。
皆さんの中には、オープンキャンパスに来た人もいると思いますが、そこで学生たちがサポートしていたのを憶えていると思います。
その他にも、学内のあらゆる場所で、数多くの学生が活躍しています。

 

◆「大東文化」の意味について
先ほど、私立大学には、慶應大学、早稲田大学、同志社大学などのように、普通は、創立者がいると言いました。それでは、慶應大学の「慶應」とは何でしょう。早稲田大学の「早稲田」とは、どういう意味でしょう。
「慶應」年号であり。「早稲田」は地名です。「年号」を大学名にした大学には明治大学、明治学院大学、大正大学、昭和大学、昭和○○大学、○○平成大学、平成○○大学などがあります。「地名」を大学名にした大学には、東京大学、京都大学をはじめとして、国立、公立の大学が、ほぼ地名を大学名にしています。
しかし、大東文化大学は、そのどちらでもありません。「大東文化」という名前は、何を意味しているのでしょうか。この名称こそが、大東文化大学の「特長」や「個性」を表しているのです。
「大東」とは、どういう意味か分かりますか。2500年以上前の中国に『詩経』という詩集がありました。「詩経」の「詩」とは文字通り「ポエム」という意味の「詩」です。「経」は「経典」という意味です。
この「詩」の「経典」である『詩経』の中に「大東」という言葉が出てきます。これは「東の遠い国」という意味で、中国の東にある国、すなわち「日本」を意味しています。
すなわち、「大東文化」というのは、中国の伝統文化によって形成された「日本の文化」という意味なのです。
最初に、大東文化大学の「建学の精神」や「教育の理念」について述べましたが、「大東文化」という名称には、この「建学の精神」や「教育の理念」が、込められているのです。

 

◆「私立大学研究ブランディング事業」について
現在、本学は100周年に向けて「大東文化大学ならではの価値」すなわち大東文化大学の「強み」や「個性」を再認識しようと、さまざまな取り組みを行っています。
その一つを紹介しましょう。
昨年、文部科学省が募集している「私立大学研究ブランディング事業」に応募し、選定されました。157大学が応募しましたが、わずか20の大学しか認められませんでした。本学は、その中でも、S、A、B、C、D、の5ランクの上から二つ目の「Aランク」で選定されました。
皆さん、後ろの「道」という字がご覧になれますでしょうか。これは、本学の教授であった今井凌雪先生の字です。この度の研究事業は、この「道」にちなんだもので、その表題は、ちょっと難しいですが、良く聴いてください。
「漢学・書道の学際的研究拠点の形成による『東洋人の「道」』 研究教育の推進」
と言います。「漢学」というのは「中国の学問」のことを言います。少々難しい表題ですが、いかにも大東文化大学らしい、大東文化大学ならではの特長や個性に基づいた研究ということで、高く評価されたのです。
大東文化大学の「建学の精神」に言う「儒教に基づく道義」に根差した「東洋人の「道」を育てる大東文化大学」というブランドイメージの定着を目指すものです。

 

◆「DAITO BASIS」について
本学は、いま、「大東文化大学ならではの価値」すなわち大東文化大学の「強み」や「個性」を再認識しようと、さまざまな取り組みを行っています。
その中の一つに今述べました「研究ブランディング事業」がありますが、そのほかにも、「DAITO BASIS」という試みがあります。
大東文化大学の授業科目の中で、「建学の精神」や「教育の理念」との繋がりが深い、最も大東文化大学らしい科目を選んで皆さんに推奨するものです。
「論語」「書道」「自校史」「英語」「キャリアデザイン」「体育」の6つの科目です。大東生としての基盤となる教養を身に付ける科目という意味で「DAITO BASIS」と名付けました。ぜひ、進んで受講してください。

 

◆「学生が作る大学」を作ろう!
最後に、皆さんにお願いです。いま、大東文化大学は、「学生が作る大学」を目指しています。授業やゼミ、部活動、サークル、大学祭、ボランティア、就職活動など、大学でのさまざまな場面で、皆さんが主体となって一つの「チーム」を作り、お互いに励まし合い、助け合って進んで行く。そのような活気あふれる大東文化大学を皆さんの力で創っていってください。「学生が作る大学」を作っていってください。

皆さんの限りない努力に期待しています。頑張りましょう!

本日は、ご入学、まことにおめでとうございます。

理事長祝辞・中込秀樹理事長

中込秀樹理事長

諸君は新元号になって初めての本学新入生です。入学おめでとうございます。ご両親や保護者の皆様にもこの日を迎えられたことに心からお祝いを申し上げます。また、来賓の方々にも、お忙しい中、当大学新入生の門出を共に祝って頂きますことを学園の代表者として心よりお礼申し上げます。

私は大東文化学園の理事長であります。これからいろいろな機会に皆様に接することとなると思います。よろしくお願いします。さて、諸君は本日より、晴れて本学の一員である大東人となりました。ただいま学長の告示にありましたように、本学は、大正期に、当時の帝国議会の議決に基づいて設立された独自の教育理念を持つ学び舎であり、今年で創立96周年を数える都内においても屈指の伝統のある学校です。これまで永きにわたり優秀な人材を輩出し、我が国において信頼を得てまいりましたこれは諸君の先輩方の努力の賜であり、歴代の教職員の培ってきた土台であります。諸君も今日からこの伝統ある本校の学生として責任と自覚をもって行動し、有意義な学生生活を送って頂きたいと思います。

本学はスポーツの大東とも言われ、また、儒教をはじめとする中国文化、文献、書道などにおいて他に類を見ない業績、伝統を積み重ねてきました。

また、東西文化の融合の見地から、西洋諸国語、諸文学、更に法学、社会学、経済学、経営学、スポーツ・健康科学、看護学等多様な分野における教育、研究を積み重ね、新たな価値、文化を創造すべく研鑽を積んできています。

このような本学において諸君は、勉学に励むのはもちろんですが、そればかりではなく、スポーツや文化活動も経験され、大切なものを学んで頂き、大成されることを望みます。

このようにして一歩、一歩、目標に向かって努力をしていく諸君を我々教職員は一丸となって全力で支援します。

諸君らの本学における学びの過程には、或いは辛いことや、苦しいことも起こるかもしれません。壁にぶつかったり、スランプになったり、ホームシックになったりすることもあり得ましょう。諸君は、これら困難を克服していかなければなりません。常に、自ら学ぶ意欲を持ち、前進する気構えが必要です。どのような隘路があろうと、けして諦めずに挑戦し続けること。それが何より大切であります。成長することに貪欲になってください。

保護者の皆様ならびにご来賓の皆様にも、この若者たちが成長していく大切な時期に、ぜひともお力添えをいただきますようお願いをいたしまして、私からの祝辞とさせて頂きます。