学業成績優秀者「温故知新報奨金」表彰式
2025年度大東文化大学学業成績優秀者「温故知新報奨金」表彰式が7月5日に板橋キャンパス多目的ホールで行われた。
温故知新報奨金は、学業成績が特に優秀であった者に報奨金を給付する制度で、本年度は外国人留学生を含む76名が選ばれた。
同報奨金を対象とした表彰式では、学長・副学長・学務局長・学生支援センター所長・国際交流センター所長が列席し、表彰者への賞状授与と記念品贈呈がおこなわれた。
当日は表彰者のご家族も50名ほど来場され会場も賑わう中、表彰者代表から自身の学生生活のエピソード等を交えた代表挨拶がおこなわれ、全學應援團からのエールもあり、有意義な式典となった。
学長挨拶・高橋進学長

温故知新報奨金を受賞された皆さん、本当におめでとうございます。
この制度は、学業において特に優れた成績を修めた皆さんの努力を称えるとともに、将来、社会に有為な人材として活躍されることを期待して、表彰と報奨金を授与するものです。
今回の受賞は、皆さんが日々真摯に勉学・研究に取り組み、知識を深め、探求を重ねてきた成果に他なりません。学びの過程で得られた新しい知識や発見の喜び、理論を理解し、時として友と議論を重ねる楽しさ、そして知識と知識を結びつけて新たな創造に至る達成感・充実感は、皆さんの知的好奇心をさらに刺激し、新たな学びへの扉を押し広げたことでしょう。
「学びは決して終わることのない旅」です。専門領域にとどまらず、広い視野を持って知識を吸収し、異なる分野との融合を図ることで、より豊かな知見が得られます。ぜひ今後も、柔軟な思考と探究心を持って、貪欲に学び続けてください。
そして、大学で培った知識や経験を、社会に還元していく使命が皆さんには期待されていることも認識して下さい。社会への貢献の形は一つではなく、研究、教育、技術開発、地域活動など多岐にわたります。社会に有益なことを皆さん自身で選択され、自信を持って成し遂げていくことを心より願っています。
また、今回の受賞は、皆さん自身の努力の賜物であると同時に、日々支えてくれたご家族、学びの本質を教えてくれた恩師、共に切磋琢磨した友人の存在があってこそ得られたものです。その支えに対する感謝の気持ちを、ぜひ改めて胸に刻んでいただきたいと思います。
「目標を明確にして突き進む努力は嘘をつかない」。皆さんの今後のさらなる飛躍と活躍を心から期待しています。
学生支援センター所長挨拶・山田敏之所長

温故知新報奨金を受けられた皆さん、大変おめでとうございます。各学科から1名という大変厳しい選抜を通り、報奨金を受けられたことは、ひとえに皆さんのたゆまぬ努力の結晶と拝察申し上げます。皆さんの日々努力する真摯な姿勢に敬意を表します。
また、本日同席されているご家族の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。皆様が日々お子様に寄り添い、献身的な支援をしてくださったからこそ、本日の学生たちの栄誉があるのだと確信致しております。あらためて感謝申し上げます。
現在、世の中は100年に一度の大変革期を迎え、従来の延長線上で物事を考えることができない状況となっています。AIが人間の能力を凌駕するスピードで進化しており、「人間とは何か」が問われる時代と言えます。このような混迷の時代を生き抜くために必要なのは、富や財産ではなく、物事の本質を捉える深い知識の蓄積とその知識を有効活用する能力です。
知識や能力は私利私欲のために使うものではありません。知識や能力は社会的な問題解決のために活用されることが重要です。知識や能力の基盤となるのが、他者の困り事や悩み事を察知し、他者の立場から考えることができる、他者への共感や配慮の精神です。これはAIが到達していない、AIを超える人間の特性です。
報奨金授賞という栄誉を手にされた皆さんには、豊かな人間性と身に着けた知識や能力によって、社会的問題の解決に向け、失敗を恐れず果敢に挑戦する真のリーダーになって頂きたいと思います。これからも、常に周囲の方々への感謝の気持ちを忘れず、地道に努力を続けてください。2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学の本庶佑特別教授は座右の銘として「有志竟成」という言葉を挙げています。志を曲げることなく堅持すれば、いつか必ず目的は達成できるという意味です。皆さんの今後の一層のご活躍を祈念申し上げます。本当におめでとうございます。
国際交流センター所長挨拶・松原孝明所長

本日、栄えある「温故知新奨学金」を受給されることになりました成績優秀者の皆様に、心よりお祝いを申し上げます。皆様のこれまでのたゆまぬ努力と、学業への真摯な姿勢が実を結んだ証であり、この素晴らしい成果は大学にとって大きな喜びです。
私は国際交流センター所長として、特に留学生の皆様に祝辞を述べさせていただきます。留学生の皆様、数ある国の中から「日本」を、そして多くの大学の中から「大東文化大学」を選んでくださったことに、心からの感謝を申し上げます。
大東文化大学の建学の精神は「漢学の振興と東西文化の融合」にあります。創設以来、本学は東洋の文化、特に儒教を基盤としつつ、西洋の文化を積極的に摂取吸収し、新しい文化の創造を目指してまいりました 。この理念は、現代においては「多文化共生」へと発展し、多様な価値観を認め、地球的規模の視野と感覚を持ち、異文化への理解力・共感力、そしてコミュニケーション能力を育むことを目指しています。
そうした中で、まさに、皆様、留学生の存在こそが、この「東西文化の融合」と「多文化共生」をキャンパス内で具現化する、かけがえのない力となっています。皆様がもたらす多様な視点、異なる文化背景、そして独自の経験は、日本人学生にとって新鮮な刺激となり、彼らの思考を深め、視野を広げる貴重な機会を提供しています。これは、単に異なる文化が共存するだけでなく、相互に影響し合い、新たな価値を創造するダイナミックなプロセスです。
皆様は、異文化を理解し、異なる意見を傾聴し、協働で問題を解決する能力を培うことで、将来、国際社会や地域社会を繋ぐ「架け橋」となる大きな可能性を秘めています。実際に、本学の留学生の卒業生は、日本国内の企業で活躍したり、母国で日本の経験を活かして貢献したりと、多岐にわたる分野でその力を発揮しています
この「温故知新奨学金」は、皆様がそうした未来を切り拓くための「糧」です。この「糧」をもとに、大東文化大学で得た学びと経験を最大限に活かし、世界で活躍されることを心から期待しております。皆様の学業への情熱と、将来への貢献意欲は、本学の教育理念が目指す人材像そのものです。改めて、「温故知新奨学金」受給、誠におめでとうございます。皆様の学生生活が、実り多く、忘れられないものとなることを心より願っております。