Extention Lecture

2012年度公開講座

東洋研究所では1985年(昭和60年)から一般の方を対象とした公開講座を開催しています。
「アジアの民族と文化」を共通テーマに毎年11月に3回講座を行っています。

2012年度公開講座

第1回 11月8日(木)13:00~15:00

講師
鈴木珠里(大東文化大学非常勤講師)
テーマ
言葉を紡ぐ女性たち
―現代イランに生きた女性詩人たち―

日本では悪いイメージの報道ばかりが目につく中東の「お騒がせ国」イラン。しかし、その国では一体どのような人々がどのように暮らしているのでしょう。実はイランは世界有数の詩人を輩出し、人々の日常にも詩が溢れる「詩の国」なのです。今講義では、報道からは見られない、詩の国イランにおける女性たちに注目し、彼女たちがどのように言葉を紡ぎ語っているのか、そしてその詩がどのように語り継がれているのか、ご紹介します。

第2回 11月15日(木)13:00~15:00

講師
岡本佳子(国際基督教大学準研究員)
テーマ
日露戦争と在外日本知識人の言論活動
―岡倉覚三(天心)の発言を中心に―

1904-05年の日露戦争は、主権国家間の軍事衝突であっただけでなく、文明論や文化イメージの言説を巻き込んだ国際世論上の紛争でもあった。日本は非西洋の諸民族から共感と期待を集めた一方で、新たな帝国主義国家として西洋列強から黄禍論を突きつけられた。本講座では、この時期の日本に対する世界の注目に応じて、岡倉覚三(天心)はじめ在外の日本人知識人が欧米ジャーナリズムで繰り広げた、反黄禍論プロパガンダと文化宣伝の顛末に迫る。

第3回 11月22日(木)13:00~15:00

講師
松本照敬(東洋研究所教授)
テーマ
日本仏教の年中行事

私たちの一年の生活は、初詣でに始まり除夜の鐘で終わる。年間を通じて、節分会、彼岸会、盂蘭盆会など仏教寺院と結びついている年中行事は少なくない。一般的な習慣となっているので、ことさらそのいわれを考えてみることもなく過ごしているが、それぞれ何らかの理由によって発生したものである。
本講では、仏教行事のいわれを尋ね、それらが実際にどのようにおこなわれているのかを眺めてみたい。