公開講座/Extention Lecture
2025年度公開講座
2025年度 夏休み公開講座
中国古典小説の世界
物語の宝庫である中国の古典小説、とりわけ文言小説には、神仙・妖怪等を記した志怪小説や、実在の人物の逸話である志人小説などがあり、その数は数え切れないほどです。これらは日本でもよく読まれ、怪談『牡丹灯籠』や、芥川龍之介『杜子春』、中島敦『山月記』など、中国の小説を元ネタにした日本文学作品も少なくありません。以上について、高校生・大学生以上の年齢層を対象に、大東文化大学東洋研究所の研究員が具体的に解説します。
- 期間
- 2025年7月19日(土)、7月26日(土)、8月2日(土)
- 時間
- 10:30~12:00
- 場所
- 大東文化大学 東京板橋キャンパス ※例年と異なりますのでご注意ください。
- 会場
- 受付が完了しましたら、会場と交通アクセスの詳細を含め、メールにてご連絡を差し上げます。
- 交通
- 東武東上線『東武練馬駅』下車 大東文化会館から無料スクールバスで約7分、または国際興業バス「浮間船渡駅」行「高島六の橋」下車ほか
- 受講料
- 無料
- 定員
- 30名(先着順)
- 受付期間
- 6月23日(月)~7月4日(金)
定員になり次第締め切りといたします。
上記期間以前の受付はいたしません。
受付が完了しましたら、会場と交通アクセスの詳細を含め、メールにてご連絡を差し上げます。
お申し込み日から3日以内に受付完了のメールが届かない場合は、お手数ですが、メールもしくはお電話にてご連絡をお願いします。 - 申込方法
- インターネットメールのみにて受付
※以下の項目を明示の上、お申込ください。
1.受講希望回、日程(複数の申込みが可能です。)
2.郵便番号
3.住所
4.電話番号
5.氏名(フリガナ)
6.年齢
- 申込先
- E-mail : tokenji@ic.daito.ac.jp
- 注意事項
- ・受付は先着順とさせていただきます。
定員を超過した場合は、やむを得ずお断りの連絡を差し上げることになります。あらかじめご了承ください。
・駐車・駐輪はできません。お車、バイク、自転車でのご来場はご遠慮ください。(自転車専用の駐輪場はあります) - 問合せ先
- 大東文化大学東洋研究所
TEL: 03-5399-7351 FAX:03-5399-8756 Email:tokenji@ic.daito.ac.jp
第1回 2025年7月19日(土) 10:30~12:00
- 講師
- 東洋研究所 兼担研究員 小塚 由博
- テーマ
- 中国古典小説の世界への招待
六朝時代の『捜神記』や北宋時代の『太平広記』、明代の『剪灯新話』、清代の『聊斎志異』など、中国において古来よりたくさんの「小説」(文言小説)が制作され、今に伝わっています。「小説」とは、古くは「取るに足らないつまらない話」(『荘子』外物篇)という意味で、それが数千年の時を超え、現在の「小説」(ストーリー性のある話)にどのように繋がっていくのか、今回は中国の古典小説の面白さや魅力について、具体的な例を挙げながら、総論的な観点からお話しします。
第2回 2025年7月26日(土) 10:30~12:00
- 講師
- 東洋研究所 兼任研究員 荒井 礼
- テーマ
- 中国古典小説の展開
中国の文言(書き言葉)小説には、怪事を事実として記した「志怪小説」と、フィクションを加え、起承転結が意識して書かれた「伝奇小説」があります。前者は六朝に盛んになり、以後も継続して著されます。後者は唐宋に盛んになり、以降は「桃花扇伝奇」のような白話(口語)文学として発展します。今回は六朝の『捜神記』、清代の『聊斎志異』・『閲微草堂筆記』など、同じ志怪でも、時代や作者によって、表現がどう変わっていくのかを見てみましょう。
第3回 2025年8月2日(土) 10:30~12:00
- 講師
- 東洋研究所 兼任研究員 今井 秀和
- テーマ
- 怪談「牡丹燈籠」の来歴―中国古典の翻案と江戸の文芸―
江戸期に出版された小説には、中国古典を典拠(元ネタ)とした上で、話の舞台となる場所や時代、キャラクター設定などに変更を加えたものが多くあり、こうした方法を「翻案」といいます。たとえば明代の瞿佑『剪灯新話』に載る怪談「牡丹燈記」は、浅井了意『伽婢子』所収「牡丹燈籠」などに翻案され、その後の日本の文芸作品に強い影響を与えました。『剪灯新話』から『伽婢子』への影響を軸に、翻案という技法が持つ魅力について考えてみましょう。