Graduate

【特別座談会vol.3】卒業生×現役生 女子長距離を語る(2/2)

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 外園監督は選手を乗せていくのがうまい、私もそれに乗ってレースに挑むのが心地よかったです。 鈴木  

 

 明るく元気に、一人ひとりを分かりやすい指導でサポートしてくれる監督です。 野田  

 


 

ー年間のスケジュールのなかには合宿などもあるのですか。

 

外園 はい、春合宿があって、駅伝のための選抜合宿を夏に行います。長野県の菅平でやりますが、そのほか寮合宿もあります。

 

鈴木 夏合宿は駅伝を目指していくものですから、集団走でも誰か遅れそうになったらキャプテンとかが背中を押して、励まして、最後まで皆で一緒に走りきってゴールするといった、そういう一体感をもった練習をしてチーム力を上げていくことが求められます。菅平は高地なので空気が薄くてキツいんですが、皆で絶対にやりきる、という雰囲気をつくれました。

 

野田 練習はキツいですが、監督が練習終わりに温泉に連れていってくれたり、スイカ割りや花火大会を企画してくれたり、息抜きを用意してくれて、それでまた頑張ろうって思えますし、仲間との絆も深まっていると思います。

 

 

ー二人にとって外園監督はどのような指導者ですか。

 

鈴木 一言では言い尽くせませんが、まず私の競技人生をガラッと変えてくれた恩師です。最初に声をかけてくれたときと同じ情熱をもって、4年間通して指導していただきました。監督は試合などに向かっていくとき、気持ちを高めてくれるのですが、私はそれに乗っかってレースに挑むことが心地よくて、そのおかげで大学で結果を残せたと思っています。

 

野田 監督は毎日の練習はもちろん、朝練も見てくれて、一人ひとりのフォームを確認してアドバイスを送ってくれます。スマホなども活用して資料を作ってくれたりしてとても分かりやすい指導がありがたいです。また監督は部の誰よりも元気で明るいです。冗談も良く言って(笑)、指導者でありムードメーカーでもありますね。

 

 

ー大東大の陸上競技部女子長距離の魅力を一言お願いします。

 

鈴木 伝統的な喧嘩走法と日本一の笑顔だと思います。

 

野田 何ごとにも楽しんで取り組むこと、キツいことも楽しんでやろう、という雰囲気が好きです。

 

外園 試合でも部のイベントでも、みんながすぐに一つになれること。これは、それぞれが尊重しあっているからできることだと思います。

 

 


 

 スポーツの専門的な学びを競技にも活かすことができました。 鈴木 

 

 自分の学びたいことを追究していけるのが大東大の良さだと思います。 野田 

 


 

ーここで部活以外の大学生活についても少し話を聞きたいのですが、スポーツ科学科の学びについて紹介してください。

 

東松山キャンパス 総合グラウンド

鈴木 大学の授業は競技にも活きていたと思います。スポーツ生理学やスポーツ医学、あるいはスポーツバイオメカニクスは体の構造や動きを分析する授業なども非常に興味深かったです。

 

野田 全般的にスポーツに関する学びが多くて、競技で実践できることもあります。

 

鈴木 実習が春と夏にあって、私はスキーとゴルフを選択しました。やったことのないスポーツを体験できるので毎回楽しみでした。運動会があるのもスポーツ科学科らしくて印象に残っています。クラス対抗のリレーとか綱引きとか、大学で運動会ってあまり聞かないけれど、皆夢中になりますね。

 

野田 私も昨年の実習はスキーとゴルフを初体験しました。また今まであまり関わらなかった同級生と仲良くなったり、修学旅行のようで盛り上がりました。同級生は将来目指す進路は異なりますが、それぞれの分野を集中して学べていけるのが良いところだと思います。またスポーツ科学科だけでなく、大東大は学部学科が多いので、自分が学びたいことを追究していける大学だと思います。

 

外園 監督としての立場でいうと大学からスポーツを後押ししていただいているわけですが、スポーツに特化しているわけではなく、自分の学びたい分野を何でも学べる幅広さがあると思いますね。そこが大東大の魅力なんじゃないでしょうか。

 

 


 

 ユニバーシアードで金メダルを獲ったことで、マラソンで日本代表になり世界を狙おう、そう決意したんです。 鈴木 

 


 

ーそれでは、競技の話に戻したいと思います。先ほどの発言にあったように鈴木選手は大学時代、数々の大会で活躍されましたが、特に思い出深い大会を教えてください。

 

鈴木 個人としては2年のときのユニバーシアードナポリ大会のハーフマラソン金メダルです。あの大会は、マラソンで世界を狙おう、日本代表になるんだと志すきっかけになったので、一番印象に残っていますね。もうひとつは、名古屋ウィメンズマラソンで5位になった大会です。監督との最後のレースでしたから何としても結果を残したいと、思いを込めて走りました。それがまたパリオリンピックのマラソン日本代表選考レースへの出場にもつながっていきましたから。駅伝では4年のときの大学女子選抜駅伝が最後だったしすごく印象に残っています。チームには走りたくても裏方に徹してくれる仲間もいますから、皆の分の思いも一緒に体現したいと思って一歩一歩全力で集中して走りました。

 

ー野田選手はこの2年間でどの大会が印象に残っていますか。

 

野田 1年のときに日本学生女子ハーフマラソンに出場して優勝できたことです。初めてのハーフマラソンでしたが、松江まで家族や親戚、友だちがたくさん応援に来てくれて楽しく走れて結果も出せたので嬉しかったです。今年も同じ大会で2位になりワールドユニバーシティゲームズの出場権を掴むことができました。さきほど鈴木先輩から世界で走るため、勝つためのアドバイスをもらったので世界の舞台でぜひ役立てたいと思います。

 

 


 

 パリオリンピックの鈴木先輩の走りはチーム皆で見ていました。上り坂で追いついたときの凄さは衝撃的でした。 野田 

 

 目の前を鈴木選手が走っていくときは、涙が止まらず、ただ「頑張れ!」と叫んでいたことしか覚えていません。 外園 

 


 

ー社会人になってからの鈴木選手といえばパリオリンピックだと思いますが、振り返っていかがですか。

 

鈴木 パリオリンピックは大学から目標としてきた、マラソン日本代表として初めて出場した国際大会になりますが、世界選手権より規模は大きく、そこに出られたことをすごく嬉しく思いますし、支えていただいたすべての方々への感謝の気持ちでいっぱいです。終えてみて6位入賞という結果でした。世界の走りがどんどん高速化していくなかでコースを攻略し、勝負を挑んで実践できたのはすごく大きな経験になりました。

 

野田 私は合宿中だったのでチームの皆で応援していました。初めてのオリンピックで冷静かつ大胆な走りで衝撃を受けましたし、上り坂で離されるのではなく追いついたところでその凄さがより伝わってきました。チームの皆が先輩から刺激を受けました。

 

外園 私は現地に応援に入っていました。一番キツい上り坂でも声をかけようと待っていたところ、少し遅れて入ってくるという情報があったのですが、姿を確認してからどんどん先頭グループに近づいてくるのが見えました。あの姿は目に焼き付いています。先頭グループに追いつき世界のトップランナーたちとともに目の前を走っていくときは、涙が止まらず、かけようと思っていた言葉も出てこなくて、ただ「頑張れ!」と叫んでいたことしか覚えていません。今思うのは、本当に鈴木選手の知慮を結集した勝負師のレースだったと思います。次のオリンピックでは絶対メダルを獲って欲しいと思っています。私がずっと言い続けてきて、部の伝統として根付いているのは「常に挑戦者であれ」ということですから、これからも挑戦を続けてくれるでしょう。

 

 

ー「挑戦者であれ」という言葉を受けて、最後に、お二人から今後の抱負、目標をお願いします。

 

野田 ユニバーシティゲームズで鈴木先輩と同じように金メダルを獲ること。また駅伝で優勝を勝ち取りたいです。もう一つは、鈴木先輩が持っているマラソンの日本学生記録にチャレンジしたいですね。

 

鈴木 今後はマラソンでのタイムを狙い、ランナーとして終盤に入っていくので、そこで自分がどのようなランナーで在りたいかを突き詰めていきたい。そしてもちろん監督がおっしゃったように、ロサンゼルスオリンピックへ向けて一つ一の大会を大事にしながら頑張っていきたいと思っています。

 

【特別座談会】過去記事