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2018年度青山杉雨賞を5人が受賞

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「大東文化大学青山杉雨賞」の授与式が6月11日、板橋校舎で行われ、受賞者5人に賞状、目録、記念品が授与された。
  教育研究支援金の寄付の申し出を受けて2010年に設けられた同賞は、本学元文学部教授の青山杉雨(さんう=本名文雄=)氏のご遺族から教育研究支援資金の寄付申し出を受けて制定。同学部書道学科、大学院文学研究科書道学専攻に在籍中に学内外の書活動において特に優秀と認められる者に授与される。
  青山家を代表して長男の慶示氏は祝辞で「書道に携わる関係団体全体で日本の書のユネスコ無形文化遺産への登録を目指している、受賞されたみなさんには、書を身近に感じられるような、社会に書を広める活動に力を入れていただければ」と述べた。
 

受賞者と受賞理由は次の通り(敬称略)

川内 佑毅

川内祐毅さんは、平成29年度文学研究科書道学専攻博士課程後期課程を修了、学位請求論文『中国印論における審美論の形成と展開』で博士号を取得し、また去年急逝された河野隆先生の年度内の一部授業を非常勤講師としても担当して頂きました。篆刻分野において、実技、論文の両面から追究する姿勢の継続と、今後さらなる研究活動が期待されます。

谷口 成孝

谷口成孝さんは、現在本学大学院博士課程前期課程に在籍しております。昨年の改組新日展にて入選を果たしました。また平成29年度日本書芸院展(役員展)では、「魁星作家」の1人として選出され、大作を出品されました。公募展における書作活動の活躍も顕著でありますが、相模女子大学の非常勤講師として教鞭を執り後進の育成にも励んでおります。今後は書作活動の引き続きの活躍と、書学面の活躍が望まれております。

米山 翔太

米山翔太さんは、本年3月に書道学科を卒業、在学中は学年の総括を務め、書道学会や卒業制作展の運営など書道学科の為に尽力してくださいました。書作活動においては、本学主催の全国展で理事長賞の受賞をはじめ、高校生・大学生書道展では第20回、21回、22回と3年連続で最高賞である「大賞」を受賞しました。これらの授賞歴は目を見張るものがあります。現在は千葉県立大多喜高等学校で非常勤講師として教鞭を執り、後進の育成に励んでおります。

梅林 由葵乃

  梅林由葵乃さんは、現在文学部書道学科4年生に在籍中の学生です。公募展での書作活動の活躍が顕著であり、一昨年の第3回改組新日展に新入選を果たし、翌年の第4回改組新日展においても連続入選を果たしたことでその実力を改めて証明いたしました。その他展覧会においても数々の賞を受賞しております。これまでの書作活動での経験を活かし卒業論文や卒業制作に大きな成果を挙げることが期待されます。

蒲地 功太郎

蒲地功太郎さんは、現在文学部書道学科4年生に在籍中の学生です。昨年度の第4回改組新日展にて新入選を果たしました。また第80回謙慎書道会展では「特選謙慎賞」、第8回青少年書き初め大会において「NHK会長賞」を受賞しております。日頃の書作活動へのひたむきに努力する姿が引き続き、書道学科の後輩達により良い刺激を与えてくれることを希望します。

※無断転載を禁じます

青山杉雨氏は1912年愛知県名古屋市に生まれ、親類の中に書道家がいたことから書の道へと進み、30歳で書道家の西川寧氏に師事し、本格的に書家の道を歩みはじめた。
55年4月から、本学の講師となり、59年から86年まで教授をつとめた。69年から85年の16年にわたり本学書道文化センター(現書道研究所)の初代所長をつとめ、松井如流氏、熊谷恒子氏、今関脩竹氏、宇野雪村氏、浅見筧洞氏らとともに大東書道の礎を築いた。
 青山氏は、63年に『周易抄』で日展文部大臣賞を受賞したのをはじめ、65年には『詩経の一節』で日本芸術院賞を受賞。また、謙慎書道会理事長を歴任する傍ら、伝統の書に立脚しながら現代感覚の高い独自の表現様式を確立し、さらには後進の指導や団体の育成、国際交流にも尽力したその功績が認められ、88年に文化功労者、92年文化勲章を受章。