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2020年06月11日

学長メッセージ(学費に関する考え方について)

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在学生の皆さんへ

大東文化大学学長

内藤二郎

 

 新型コロナウイルス感染症は依然として世界で広がりをみせており、日本でも緊急事態宣言は解除されたとは言え、依然として先が見通せない状況が続いています。学生の皆さんも、様々な困難のなかで日々を過ごしておられることでしょう。こうした状況が既に2カ月を超え、心身ともに疲労が蓄積しているのではないかと心配しています。


 本学では、5月にオンライン授業を開始しました。日々の勉学は順調に進んでいますか。ほとんどが初めての経験という中での勉強は、多くの苦労や不便を伴うものでしょう。一方、教職員も突然のオンラインによる授業を前に、通常の授業を大幅に上回る膨大な資料や教材の作成、録音、録画などに奔走しています。そして、オンライン授業がより効果のあるものとなるよう、悩みながらも様々な工夫を凝らし、想像を遥かに上回る超多忙な中で、学生の皆さんに極力不利益が生じないよう十分に配慮し、教職員一丸となって日々懸命に取り組んでいるところです。学生の皆さん、教職員をはじめ多くの人が集い、元気にキャンパスライフを送るという本来の大学生活が叶わず、日常が崩れた状況には本当に心が痛みます。しかしながら、これは人命が懸かった問題であり、何よりも学生の皆さん、そして教員、職員も含めたすべての人の安全と健康を最優先しなければなりません。また、感染の拡大を防ぐことは、重要な社会的使命であるとも考えています。是非、ご理解、ご協力をお願いします。


 皆さんの中には、ご家庭の経済的事情が急変したり、アルバイトを辞めざるを得なくなったりして、経済的に厳しい状況に直面している方々が少なくないことは、我々教職員も承知しており、心配しています。少しでも皆さんの支えとなるよう、本学では学費の延納手続きについて簡素化を図り、柔軟な対応を行いました。次いで、オンライン授業受講の環境を整えるための支援として、全学生に一律5万円の特別支援金を用意しました。さらに、通信環境が十分でない学生に対し、PCおよびWi-Fiルーターの無償貸与も行いました。今回の新型コロナウイルス感染症による混乱が原因で学生生活が続けられなくなるという事態を、何としても防がなければならないという強い思いです。
 

 こうした状況下で、一部に学費返還や免除を求める声が上がっていることは承知しており、できるだけ耳を傾けてきました。そこで、学費に関する本学の考え方を少しご説明します。ご存知の通り、大学では卒業/修了要件として、在籍期間および取得単位数が定められています。学部は最低4年間在籍して124単位以上を取得することになっており、大学院博士前期課程は最低2年間、博士後期課程は最低3年間在籍し、所定の単位を取得し、論文審査に合格しなければなりません。授業料は、この在学期間全体を通じて必要となる費用です。それを各年度に均等に分けて納付をお願いしています。所定の期間在学し、単位を取得し、卒業/修了することに対する費用であるとも言えます。つまり、単位科目、あるいは単位時間当たりで設定されるという仕組みにはなっていないのです。
 

 また、オンライン授業により、授業のクオリティが低下するとの声も聞かれます。もちろん、現在行われているオンライン等による非対面式の授業は、学生の皆さんと教員のどちらにとっても想定していたものとは違いますが、この点に関しては、授業方法が変わったとしても単位付与に値するような教育の質の維持、向上をはかり、対面授業と変わらない、あるいは対面授業以上の充実した魅力ある授業となるように努めています。
 

 一方、教育充実費は、主に大学の授業や課外活動をはじめとする教育研究活動をソフト、ハードの両面から支えるために使用する費用です。例えば、皆さんが利用している施設・設備等の整備が挙げられます。そこには教室、図書館、食堂等だけでなく、会議室や事務室、さらには、廊下、階段、トイレ、エレベーターなどの建物すべて、また、校庭やその周りの樹木、スクールバス、通信環境、PCや机椅子、空調設備などの機器備品の購入、図書資料購入なども含まれます。こうした施設や機器・備品の整備、更新を継続的に行っていかなければなりません。それには多額の費用がかかるため、単年度の教育充実費で整備することはできません。大学は教育研究活動を継続的に運営していくために、常に中長期的な計画のもとで施設・設備等を整備しています。これらの施設・設備を維持していくための費用や修繕・改修のための費用なども当然必要となります。こうした修繕事業なども同じように中長期的な計画によって行われています。そのため、これらの費用は個別の施設や機器・備品ごとに割り振られているものではなく、入学年度に関係なく毎年納付していただく費用となっています。同様に、実験・実習費についても、入学から卒業までの期間を通して必要となる費用であり、月単位、年単位で設定されているものではありません。したがって、現在のようなオンライン授業の期間分は費用が発生しないというものではありません。このように、大学の学費は、学生の皆さんが入学してから卒業・修了するまでの期間を通して、さらには中・長期的な教育・研究環境の整備にかかる費用を、数年間に分割して負担していただくものです。学費が中・長期的な視点に立った考え方により制度設計されているというのは、どの大学でも同様です。現在の大学の教育・研究環境の多くは過去の先輩方が築き、それが受け継がれてきたものであり、さらに充実させながら将来の後輩に受け継いでいくものでもあります。このように大学が連綿と続いていくうえで、学費はとても貴重で大切な財源となっていることをご理解ください。


 多くの学生の皆さんが、今とてもつらい思いをしていることも承知しています。そうした想いを理解しつつも、感染防止の観点との狭間で皆さんの思いに十分に応えられないことが本当に無念でなりません。この点に関しては、今後も学生の皆さんの声に耳を傾け、またできるかぎりの支援を行っていきたいと考えています。まずは、少しずつですが、キャンパスの段階的な入構緩和を検討しています。また、学生の皆さんへのさらなる経済的支援のため、これから教職員を中心に募金活動を行う予定です。そしてこれは少し先になるかもしれませんが、入学式も無く、いまだにキャンパスに一度も入構できず、大東生になったという実感も沸かない1年生、そして1年生を歓迎する想いを抱きながらその機会が作れない先輩たちの声にも応えられるように、何らかの方策を検討したいと思っています。


 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、今年度の前期が特別な状況にあることは間違いありません。しかしながら、厳しい状況ではありますが、オンライン授業という新たな方法を用いて、学生の皆さんと教職員が一緒になって、新たな経験をし、次の可能性に挑まなければならない機会でもあるのです。是非この点をご理解いただきたいと思います。そして、大学在学中だけでなく、卒業後も長きにわたって自分の支え、武器となる知識や考え方、そして何よりも生きていくうえでのたくましさを身に着けていただきたいと思います。授業はオンラインで行われていますが、個々の授業が目指す目標の達成はもちろんのこと、こうした幅広い学びを続けるうえで、決してマイナスばかりであるとは考えていません。新型コロナウイルス感染症が終息した後、困難な状況下での経験を糧とし、将来に活かしていけるよう、今、この時にできることに集中していただきたいと強く願っています。教職員も全力でサポートします。

 

 「一塵大嶽(いちじんたいがく)を崇(たか)くし、一滴広海(いってきこうかい)を深くする所以(ゆえん)は、心を同じくし、力を勠(あわ)するが之致すところなり」

 

 関西出身の私は、30年近く前から、和歌山県にある高野山に年に1、2回お参りさせていただいております。これは、そこで以前に教わった印象深いお言葉です。日本書道史の三筆にも挙げられている弘法大師(空海)によるものだそうです。今回の危機に直面し、ふと心に浮かびました。ごく簡単に解釈すれば、「小さな塵が積もって高い山を作り、一しずくが溜まって大海となるように、心を一つにして力を合わせることで大きなことが成し遂げられる」ということでしょう。私たち一人ひとりは一塵、あるいは一滴かもわかりません。しかし、皆で気持ちを一つにして協力すれば、必ず大きな力になるでしょう。今、私たちはまさにこの局面にいます。この試練は、ある意味で私たちが試されているのかもしれません。お互いに慣れないことが多く、必ずしも順調にいくことばかりではないでしょう。しかしながら、教育を止めること、勉学の機会を途絶えさせることは、何が何でも防がなければなりません。そのためには、教員、職員そして何よりも学生の皆さんの理解と協力が不可欠です。厳しい状況ではありますが、是非力を合わせて共にこの難局を乗り越えていきましょう。多くの学生、教職員が集い、明るい声が飛び交い、元気で活気に満ち溢れた大東文化大学のキャンパス。私は、こうした日常が一日も早く戻ることを願い、イメージしながら、毎日を過ごしています。

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