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スポーツ科学科2年の篠原琉佑さんがユニバーシアード冬季競技大会の日本代表選手に選出されました

篠原琉佑選手(スポーツ科2年)

2021年12月にスイス、ルツェルンで開催される冬季ユニバーシアード競技大会のスノーボード競技に日本代表に内定している篠原選手を取材しました。非常に真面目な人柄で、こちらに逆取材してくるほど探求心が高く、ユニバーシアードでの活躍が期待できます。

(取材:スポーツ振興センター)

Q1 競技を始めたきっかけ、大東文化大学入学のきっかけ

 父の影響で小学1年のときにスノーボードに連れて行ってもらった。寒いし、最初は嫌だったが趣味で滑るようになっていった。小学4年の時に、ある日、ゲレンデでたまたまスノーボード選手が練習していて、競技としてのスノーボードを体験させてもらったところ、「楽しい」と感じ、競技としてスノーボードを始めるきっかけとなった。 
 高校では競技活動を応援はしてくれたが、経済的な支援は無く、競技活動を視野に入れた大学進学に迷っていたところ、親戚に大東文化大学の卒業生がおり、スキー部にかけあってくれたことで、もともとスポーツ科学を学びたかったこともあり、スポーツ推薦入試での受験の運びとなった。 

Q2 ステップアップの転機

 競技として本格的に取り組み始めたのは小学校6年生の頃。アマチュアの大会で経験を積み、中学2年生から公式大会に出るようになり、全国大会でも成績を残せるようになった。 
   アマチュアの大会では、中学3年生時に一般男子パラレル回転の部で優勝をし、2018年では高校1年生時に全日本ジュニア選手権でパラレル大回転、パラレル回転の両種目で優勝、シニア選手も参加する全日本選手権ではパラレル大回転で3位に入賞した。 
   2018年の好成績によって、ニュージーランドで同年に開催された世界ジュニア選手権日本代表選手に初選出。パラレル大回転では予選落ち(19 位)したが、パラレル回転では決勝に進出し15位の成績だった。 
   当時目標としていた世界ジュニア選手権に出場しての感想は、緊張で実力を発揮できず、競技の難しさを痛感したが、パラレル回転で決勝に進出できたことは自信にも繋がり、漠然と抱いていたオリンピック金メダルという目標が、強い覚悟に変わった転機となる大会だった。 

Q3 これまでのベストキャリア

 国内では2018年の全日本ジュニア選手権での両種目優勝と、同年の全日本選手権での3位。海外では、ノースアメリカン杯で4位、イタリアで行われた国際スキー連盟(FIS)公認の大会で銅メダルが2回。  

Q4 競技としての目標、人生としての目標

 オリンピックでの金メダル獲得。オリンピックを夢という表現をすることは好まず、明確に「目標」と位置付けている。2026年イタリア大会、2030年には札幌で開催の可能性がある。その次の2034年のオリンピック。自分の種目は年齢も高い選手も活躍できるので、3大会出場を狙っている。韓国やヨーロッパの選手には友達もでき、今、彼らと競えているところに充実を感じる。 
   競技引退後は、スノーボード界のために、強化、育成、普及面で貢献していきたい。 

Q5 現在の競技活動、大学生活

 2019年の春頃から両肩を負傷してしまい、だましだましやってきたが、今年思い切って手術をした。練習ができない期間は本当につらかった。 
   大学では、バイオメカニクスの授業がとても面白かった。また、国際大会は語学も重要なので、学びたかったドイツ語を学べて楽しい。 
   冬場は長野に帰って雪上トレーニング、その他は陸上トレーニングをしている。

Q6 これまでで一番大変だったこと、一番楽しかったこと

 やはり両肩を負傷した 2019年春頃から現在の期間は本当に苦しかった。ちょうど今が一番楽しく、手術後初めての雪上での練習がこれから始まると思うと楽しみだ。

Q7 困難克服方法、趣味

 メンタルの強化が課題だと感じているので、ネガティブなところを受け入れ、ポジティブに考えていく発想を取り入れている。 
   身体を動かすことが趣味。テニスなどもやっている。 

Q8 選手としての自分の強み

 忍耐力、我慢強く継続した努力を積むことができる。これまでの成績の伸びをみても、自分は徐々に上がっていくタイプだと分析している。

Q9 目標とする選手

 ロシアのロギノフ・ドミトリィ選手。自分より2歳年上だが、競技年齢が高い種目でありながら20歳にしてワールド杯で優勝している若手ナンバーワンの選手。目標であり、ライバルだ。

Q10 競技の魅力、種目の魅力

 「速い人が勝つ」という至ってシンプルなこと。また、スノーボード1本で速い時には時速60キロで風を切りカービングしていくスピード感も大きな魅力。

Q11 ユニバーシアードへの意気込み、抱負

 目標は金メダル。大学生のオリンピックともいわれるユニバーシアードに出場できることに嬉しさは勿論あるが、自分の目標はオリンピック。手術後はじめての大会でもあり、気負いなく、オリンピックに繋がる生き生きとした自分らしい滑りをしたい。 

種目説明

・パラレル大回転(GIANT PARALLEL SLALOM) 
  旗門の設置されたコースを同時に2人1組で滑り、タイムを競う。「パラレル」とは、2選手が並行するコースを同時に滑る競技方式を意味する。 
 
・パラレル回転(PARALLEL SLALOM) 
  旗門の設置されたコースを同時に2人1組で滑り、タイムを競う。「パラレル」とは、 2選手が並行するコースを同時に滑る競技方式を意味する。回転は大回転に比べ、よりリズムのある細かいターンが要求される。