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藤井誠一郎政治学科准教授執筆『自治・分権と地域行政~第13章~』

内容

【紹介】

本書は,地域行政のあり方を自治と分権の視点から解説する。また,分権改革から20年近くを経た現在の地域行政の全体像と取り組むべき課題を明らかにする。「地域行政」と題したのは,中央政府の行政に対して,地域には重層的なガバメントが存在し,厳然とした政治的空間の中心には住民がつくる自治体政府があると考えるからである。研究者のみならず自治体職員・市民のみなさんにも読んでいただけるように配慮した。
歴史的にみると,戦前の自治体は中央政府の下部機関としてとらえられ,中央政府の支配を強固なものとし,その政策を忠実に執行することが求められた。
しかし,そうした状況は戦後一新され,中央政府と自治体政府は対等な関係の下で国と地域社会の暮らしを支えることが期待された。ところが,戦後においても「官治集権」的な国-地方関係が存在し続けた。
しかし,1970年代に入ると,公害問題や都市問題への住民の側からの異議申し立てがなされ,自治体行政も政策開発や自主的な条例制定など,自治を強化する試みが活発になった。それは1980年代の「地方の時代」へと引き継がれ,1990年代には地方分権改革進められた。
本書は,こうした自治・分権の進展をふまえ,自治体行政の今日における問題点と課題を明らかに,今後の方向性を示す。

 

【目次】
はじめに(牛山久仁彦)
生活のなかの地方自治―地方自治を学ぶ意味―(今川晃)
第1章 地域行政の意義と都道府県・市町村(牛山久仁彦)
第2章 自治の原点としての町村(山岸絵美理)
第3章 自治体行政の統制と自治(今川晃)
第4章 自治体の再編成と広域行政(山岸絵美理)
第5章 協働政策と地域行政(牛山久仁彦)
第6章 コミュニティと自治(三浦哲司)
第7章 大都市における自治の論点と制度対応(三浦正士)
第8章 政策法務と地方分権(鈴木潔)
第9章 自治体政策の多様性とその展開(杉岡秀紀)
第10章 地域行政を支える自治体広報・広聴(増田知也)
第11章 自治体と危機管理(西村弥)
第12章 自治体議会の制度と改革課題(三浦正士)
第13章 住民参加と住民投票(藤井誠一郎)


(芦書房 HPより引用)

編著者

今川晃・牛山久仁彦編 著

発行年月

2021年1月15日

価格

2,600円+税

出版社