生徒に“自力で”単語を読ませる法
2019年11月28日、英語学科の英語教員志望者対象特別講演会を開催しました。今回は、武蔵高等学校中学校教諭の手島良先生を講師に迎え、「生徒に“自力で”単語を読ませる法」というタイトルでお話をしていただきました。
手島先生は英語の発音と文字の結びつきの整理、およびそれをいかに学習者にわかりやすく教えるか、に関しての日本英語教育界の第一人者です。
まず前半は、基本的な綴り字と音の関係が、主に母音字とその組み合わせを中心に解説されました。生徒の素朴な疑問「hotの比較級は、なぜhoterでなくhotterなのか?」などを出発点にして、英語の綴りは「漢字」ではなく表音文字であること、綴りは発音を書き留め、それを正しく読んでもらうための努力の結果であること、をタスク形式でインタラクティブに解き明かされていきました。
後半は、前半の内容をいかに生徒に指導してゆくかが中心となり、手島先生の開発された「書き足し法」が紹介されました。例えばjumpを読ませるときに、um→ump→jump と書き足してゆけば、教師がモデルを示すことなく生徒が無理なく自力で正しい発音に到達できる、というものです。
英語学科を中心に30余名の学生、教員が参加し、熱心にメモを取る姿が見られました。最後に英語学科4年の北龍輝さんが、「なぜmakingはmakeingではダメなのかなど長年の悩みが解決しました。生徒に教えるときに活かしたいです。」などと謝辞を述べ講演会は終わりました。
4月から教壇に立つ学生、教科教育法を学んでいる学生、現在塾で教えている学生、現職の教師はもちろん、将来親として自分の子どもに英語の発音と綴りを教えるときにも役立つ、非常に大切な内容がつまった講演だったと思われます。
(文責 靜哲人)