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国際関係学部 小泉 康一名誉教授の著書『「難民」とは誰か:本質的理解のための34の論点』が出版されます<明石書店>

国際関係学部 小泉 康一名誉教授の著書『「難民」とは誰か:本質的理解のための34の論点』が出版されます<明石書店>

内容紹介

当事者視点とグローバルな視座の両立をもとめて

個人は、移住を通じて自らの望みを追求する自由をもつ。一方、人口流入に対して国家が懸念を抱くことも避けがたい。では、両者の葛藤は克服しえないものなのか? 国際的視野から難民研究を牽引してきた第一人者が、人間経験の根幹をめぐる課題として考える。

(明石書店 ホームページより引用)

目次

はしがき

 

第1章 前提として何を押さえるべきか
論点① 難民は子どもの顔で描かれる
論点② 難民は戦士、反攻勢力にもなる
論点③ 難民の本当の数は誰にもわからない
論点④ 発表数の魔術、人数の政治的操作
論点⑤ 難民は難民キャンプにはいない
論点⑥ 帰ることくらい良いことはない、という神話
論点⑦ 拷問、ジェンダー、人身売買とのつながり
論点⑧ 「家族」という理想化された概念
論点⑨ メディア報道と政治の背景にあるイデオロギー

 

第2章 難民はどう定義・分類されてきたか
論点⑩ 現代は紛争の性質に変化がある
論点⑪ 逃亡の原因と結果、影響は複雑化し多様化している
論点⑫ 逃亡の根本原因から、きっかけまで
論点⑬ 避難する人と避難せず残る人、事前に予測して避難する人
論点⑭ 先進国内の庇護経費は、UNHCRへの拠出額を圧倒
論点⑮ 移民と難民、カテゴリーで分ける危うさ
論点⑯ 「迫害された難民」とは呼べない避難民の人々
論点⑰ 政策的に定められた定義がかかえる問題
論点⑱ 難民条約は不要か?

 

第3章 難民はいかに支援されてきたか
論点⑲ 人道主義は、現代資本主義の補完物?
論点⑳ UNHCR、栄光というよりは苦闘の歴史
論点㉑ UNHCRの構造とグローバル難民政策
論点㉒ 難民キャンプで「ただ待つ」ことは人を病気にする
論点㉓ 虚偽の申告は生きるための戦略であることも
論点㉔ 歪んだ戦略を強いられる難民もいる
論点㉕ 難民全員が弱者か? その後のケアは?

 

第4章 当事者視点を軸に、いかに視野を広げて考えるか
論点㉖ 難民は安全保障上の脅威なのか?
論点㉗ 移住を阻止するための開発援助の是非
論点㉘ 「難民問題」ではなく、難民の問題を考える
論点㉙ 難民キャンプは、技能オリンピックにして争いの場
論点㉚ 援助活動と研究の違いと補完性
論点㉛ 多くの難民調査に欠けているもの
論点㉜ 研究者と難民の関係はどうあるべきか
論点㉝ 国際制度における新たな分担のルールを求めて
論点㉞ 難民の問題は、他のグローバルな諸課題とつながる

 

参考文献
あとがき
索引

(明石書店 ホームページより引用)

出版年月

2023年3月30日

価格

2,700円(税抜)

全文

264ページ

出版社

明石書店