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第15回「東西文化の融合」国際シンポジウムが実施されました

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12月24日、本学創立100周年、日本語学科創設30周年を記念して、本学大東文化会館、およびオンライン(Zoom)にて、本学大学院外国語学研究科日本言語文化学専攻主催の第15回「東西文化の融合」国際シンポジウムが開催されました。共催は、本学外国語学部日本語学科、本学外国語学会日本語部会、本学東洋研究所、本学国際交流センター、また、国際交流基金、大和高田市夢咲塾に後援をいただきました。

 

午前の部では、本学大学院外国語学研究科日本言語文化学専攻の大学院生による研究発表が行われました。ホールでは日本言語文化学系の大学院生4名が、302講義室では応用日本語学系の大学院生3名が、それぞれ自身の研究について充実した発表を行いました。質疑応答では学内外の諸先生方から貴重な御指導をいただき、院生・学生のみなさんからも多くの質問や意見をいただいて、発表者にとって有意義な時間になったことでしょう。

日本言語文化学系

小形 駿介 (日本言語文化学専攻前期課程1年)

山東京傳の雀 ―『桃太郎発端話説』『笠森娘錦笈摺』『桜姫筆再咲』―

沼田 大輝 (日本言語文化学専攻前期課程2年)

『南総里見八犬伝』と日蓮門徒 ―里見義実の挙兵と「小湊誕生寺」―

海津 充則 (日本言語文化学専攻前期課程3年)

放生説話の失墜 ―「夢応の鯉魚」の成立背景―

張 艶 (日本言語文化学専攻後期課程2年)

『訓蒙図彙』初版本の増補改訂―元禄版本の意図―

応用日本語学系

ホーラーヌパーブ・シースダー (日本言語文化学専攻後期課程2年)

継続を表すラオス語のアスペクトマーカーについて

濱岡 佑帆 (日本言語文化学専攻後期課程2年)

フィクション作品における男性キャラによる男性語の使用について

趙 丹楠 (日本言語文化学専攻後期課程3年)

ポライトネス理論における人物に対する心的距離への研究 ―日本人大学生と中国人大学生の親疎・上下関係のデータから―

 

午後の部では、「日本文化と日本語教育・国語教育が出逢うとき―白拍子・静御前と龍神の道、太陽の道―」と題したシンポジウムが行われました。

藏中しのぶ先生(本学教授)の講演につづいて、母・村山左近師から引き継いで、大和高田で白拍子舞の伝承に取り組んでおられる日本舞踊家の花柳楽彩先生(本学非常勤講師)に白拍子舞を奉納していただき、続いて夢咲塾事務局の阪本昌敏様に、静御前ゆかりの地・大和高田の風土と伝説、白拍子舞の伝承活動についてご講演いただきました。

藏中しのぶ 先生 「白拍子・静御前と龍神の道、太陽の道」

花柳 楽彩 先生 「白拍子舞 奉納」

阪本 昌敏 様  「静御前の故郷・大和高田市の伝説と白拍子舞の伝承」

 

その後、日本女子大学教授の三田明弘先生(本学非常勤講師)、国文学研究資料館・総合研究院大学院大学准教授の相田満先生(本学非常勤講師)、日本民俗学会会長・國學院大學教授の大石泰夫先生に、下記の題目でご講演いただきました。

三田 明弘 先生 「吉野・蔵王権現と修験道」

相田  満 先生 「災害と龍の伝承」

大石 泰夫 先生 「ヤマトの中の吉野―水と龍と神仙思想と―」

 

続くパネルディスカッションでは、藏中しのぶ先生(本学教授)が司会役をつとめ、前半は白拍子・静御前と母・磯の前司(禅師・禅尼)、白拍子と龍神、大和盆地の古代の道と川、三輪山・吉野山について、パネリストの先生方とともに議論を深めました。後半は「日本文化と日本語教育・国語教育が出逢うとき」と題して、本学で学位を取得した卒業生であり、ナポリ東洋大学専任研究員・国際交流基金フェローシップのアントニオ・マニエーリ先生(本学特別研究員)に「イタリアの日本研究と日本古典文化」という題目で御講演いただき、最後に、日本語学科「日本文化特別演習」の非常勤講師の先生方に、授業での取り組みについてそれぞれご紹介いただき、闊達な意見交換がなされました。

アントニオ・マニエーリ 先生 「イタリアの日本研究と日本古典文化」

日本語学科「日本文化特別演習」の取り組み

杵屋喜太郎 先生 [長唄三味線](当日、歌舞伎座出演のため、代読)

花柳 楽彩 先生 [日本舞踊]

菅野 友巳 先生 [舞台芸術論・日本美術鑑賞]

菊池 明子 先生 [茶道]

森谷 一美 先生 ・ 高橋 華風 先生 [華道]

 

当日は終始大変な盛況でした。

会場には138名の参加者が、オンラインでも50名の参加者があり、椅子が足りなくなり、事前に用意していた資料が途中でなくなってしまうほど、想定を上回る参加者数でした。

日本語部会のみなさんには、椅子運びや資料の増刷にご活躍いただき、ありがとうございました。

なお、本シンポジウムの内容は、『水門―言葉と歴史―』32号(勉誠出版、2025年刊行予定)に掲載の予定です。

本シンポジウムにご協力いただいたすべての皆様に深く感謝申し上げます。