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レポート中国語圏

【中国】山東大学

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こんにちは。私は外国語学部中国語学科3年の吉野早紀です。私は国際交流センター主催の協定校派遣留学生として、今年の3月から中国山東省済南市にある山東大学に一年間の長期留学をしています。すでに留学生活の半分が過ぎ、長い夏休み期間に入りしました。中国でも降りしきる蝉の声に真夏の到来を感じています。
今回は留学に興味がある方に、いろいろとご紹介をできたらと思います。

済南市は気温が変わりやすく、空気もあまりよくありません。春、夏は気温の上がり下がりがすごく、前日との気温差が10度違うことも多々あります。そのため、体を壊す外国人も少なくありません。地元の人でさえ「済南の天気はおかしい」と口にするほどです。真夏は40度を超えるそうです。

 

【留学生サポート】
山東大学にはSICAという留学生をサポートしてくれる組織があります。これは、中国人学生1人が自分専属のバディとしてついてもらうことができ、入学手続きや入寮手続きなど分からないことをサポートしてくれます。
私は出国1ヶ月前くらいからバディさんと連絡を取ることができ、心配なことは事前に質問することができました。

 

【日本から山東大学まで】
私は、もしものためにと日本の空港で約10万円を両替してから持ってきました。日本から山東大学に一番近い済南空港への直行便はかなり少なく、直行便は関西空港から1日1便のみ出ています。韓国や北京、同じ山東省の青島経由でなら、羽田空港や成田空港からもありました。しかし、私は海外旅行経験も少なく、自分の語学スキルに自信がなかったため、日本国内で乗り継ぎすることに決めました。羽田空港→関西空港→済南空港このような経路でたどり着きました。
私は、入学手続きなどが始まる3日前に到着しました。私が着いた時には、迎えのサービス開始前だったため、迎えはありませんでした。この事は、事前にメールで知らされていたため、半期前から留学している日本人の方々に迎えをお願いしました。入寮手続きは、一斉に行われるらしく、初日は名前を書き、鍵が渡されただけでした。
 
【寮の部屋】
留学生寮は1、2、3、4と4棟あります。出発前に1人部屋か2人部屋を希望するかを申請できました。私は1人部屋で申請していたので、現在2号楼の1人部屋に住んでいます。広さは1人で生活するには問題ないと思います。部屋にはシャワーやトイレ、家具も揃っていたので、特に買い足すことはしていません。私は、長さ2mほどある机が使い易くすごくお気に入りです!

 

 

【シャワー】
部屋にシャワーとトイレが付いていますが、お湯が出る時間が決められています。
日によってシャワーの温度が変わっているように感じます。3、4月少し暖かくなってくるとお湯がぬるくなり、シャワー後身体が冷えました。6、7月はなぜだか熱すぎるぐらいのお湯が出ています。

 

【寮費】
寮費は、初日に支払わなくても大丈夫でした。私は払うのを忘れていたので、ドアに警告の紙が貼られてから払いました。
金額は、夏休みを含まない半期分の寮費5,850元(約99,450円)デポジット600元(約10,200円)Wi-Fi半期分120元(約2,040円)合計6,570元(約111,690円)支払いました。(1元 =17円で計算しています。)夏休みもお金を支払えば住み続けることができます。
水道代はいくら使っても別途料金がかかることはありませんが、電気代はチャージ制になっています。1ヶ月に2回までなら無料でチャージできますが、それ以上超えてしまうと別途料金がかかってしまいます。私の場合、昼間は電気をつけず太陽の光だけで生活しているので、月1回のチャージだけで足りていました。しかし、最近は気温が高くエアコンを使用する頻度が増えたため、電気の減りがかなり早いです。夏休みも教室が解放されているため、一日中クーラーが効いた教室で勉強していることが多いです。

 

【お金・口座開設】
私は、クレジットカードとVISAデビットカード、約10万円を空港で両替して持ってきました。VISAデビットカードは、奨学金や両親からのお金を引き出す用として使っています。クレジットカードは、VISAデビットカードとは別の口座で作っていたため、紛失したとき用に持ってきました。
口座開設は、自分で開設しなければならなかったため、先輩に助けていただきながら学校の近くの中国銀行で手続きしました。その後は、デビットカードでお金を引き出し、中国の口座の方に入金しています。校内のATMから中国の口座お金は引き出せます。

 

【携帯・SIMカード】
私は、日本で自分の携帯をSIMフリーにしてから持ってきました。3月に来た学生にはSIMカードは配られず、口座開設の時と同様に手続きしました。料金は日本のように月額ではなく、容量が無くなったらチャージして使います。通信制限がなく突然使えなくなるため、毎回驚かされます。
 
【寮内】
寮内にはキッチンや洗濯機、小さな売店や自由スペースがあります。キッチンは各階に一つありますが、どこの階で作っても問題ありません。流しが3つ、電気コンロが2つ、4人掛けテーブルが1つありますが、冷蔵庫がありません。ご飯時はかなり混み合っています。
2号楼の2階には日本人専用の洗濯機があり、無料で自由に使うことができます。

 

【校内施設】
校内には学食、スーパー、カフェ、ATM、美容室、ジム、プール、などがあります。校内で生活用品や食べ物をすべて揃えることができとても便利です。しかし留学生寮からは遠いという点では不便といえば不便です。
学食は地下、1、2、3、4階と計5階あり、各階で様々な料理が楽しめます。上の階に上がるにつれて料理も豪華になっていきます。4階以外は学生証以外で購入することはできません。地下と1階はかなり安く量も多いため6元(約102円)ほどで、私はお腹いっぱいになります。4階には、ハンバーガーやカレー、丼ものもあるため、中国料理が口に合わない外国人もよく食べに来ています。また料理は持ち帰りもできて、混雑している時にはとても便利です。しかし、汁物でも袋に直接入れられるため、最初はかなり驚きました。私はよくおかずは自作して、主食だけは持ち帰りしています。
スーパーが2つと売店もいくつかあり、スーパーでは食品、筆記用具、衣服、パーソナルケア用品まで揃えることができます。

 

【学校周辺】学校周辺には、様々な国の料理のお店や銀行、郵便局、コンビニ、カラオケがあります。20分ほどバスに乗れば市の中心に行くことができます。大きなショッピングモールやデパート、おしゃれなカフェもあります。ショッピングモール内には、UNIQLOや無印良品、少ないですが日本食のお店も入っています。また、大明湖という大きな湖や芙蓉街という多くの屋台が並んでいる通りもあります。芙蓉街に初めて行ったときは、様々なにおいが混じり合っていて、中国っぽさを感じました。最近の休日は、この辺りで1日を過ごしています。済南市は他の地域と比べたら若者向けの遊び場は少ないように感じます。

【授業】
山東大学では、多くの留学生は国際教育学院の汉语言汉语生に所属し、初級(1・2)、中級(1・2・3)、高級(1・2)と7つのクラスがあります。今年は、手続きが始まってから2日目にクラス分けのテストがありました。半期でクラスが変わり、後期は前期の成績で振り分けられます。テストは筆記と先生2人との面接と口頭試験でした。筆記はHSKに似た問題形式で、面接と口頭試験の内容は、「どれくらい中国語を学んだか?」「中国語の先生は日本人か中国人か?」などあまり難しくない内容でした。その後、4つの文章が書いてある一枚の紙が手渡され、先生に指示された文章を音読し、その文章に対していくつか質問をされました。結果は数日後に教室棟の掲示板に張り出されました。ここではまだ仮のクラスのため、授業を受けて合わなければ変更することもできます。
私は中級2に所属しています。必修科目は精读、口语、听力、读写の4つです。その他に選択科目があり、申請すれば受けることができます。今年は太極拳と中国歴史、発音矯正、
HSKの補習がありました。どの科目も授業開始15分以降の入室は欠席扱いになり、出席率70%以上なければ期末試験を受けることができません。また、必修科目は1科目につき月1回のペースで小テストのようなものがあり、一度休んでしまうと成績に影響してしまいます。

 

授業は当然中国語ですが、PPTを使うのでとても分かりやすく、授業は午前か午後のため、予習復習する時間は多くあります。それでも授業中に分からない単語が頻繁に出てきたため、電子辞書があるととても便利だと思いました。
留学生の教室は、寮とつながっています。授業時間外、夏休みでも教室が開放されているため、いつでも教室で勉強することができます。

 

留学は、とてもいい機会だと思います。慣れ親しんだ場所を離れ異国で生活することで、今まで想像もしなかった違う習慣、考えや価値観の人たちに出会います。最初は戸惑い、時にはイライラやストレスを感じることもあります。しかし、それがどれだけ自分中心の考えをしているかを気づかされました。また、日本で暮らしていたら、見えなかったこと気がつかなかったことが多くあり、日本で暮らすことの良さを改めて感じることができました。留学生活は大変なことも多いですが、それ以上に楽しいこともあります。今は、想像していた以上に毎日が充実しています。興味を持っているなら、是非留学することをお勧めします。
お読みいただきありがとうございます!少しでもお役に立ててれば嬉しいです。