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レポート中国語圏

【台湾】輔仁大学

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こんにちは。外国語学部中国語学科3年の松坂紅瑠実です。私は今年の2月10日から台湾の新北市にある天主教輔仁大学の日本語学科に留学しています。国際交流センターの協定校留学制度での1年間の留学です。台湾に来てから7か月経ちました。初めの3週間は授業がなく、言語が通じないことが不安でほとんど寮にいました。分からないことが多くホームシックになってしまいましたが、今は生活にも慣れてすごく楽しく過ごしています。
輔仁大学の留学生には必ずバディが付きます。私は留学に来る前からバディと連絡を取っていました。私のバディは日本語学科の4年生でとても日本語が上手く、私はあまり上手に中国語を喋れなくて不安でしたが、すごく心強かったです。バディは寮の手続きや居留証の手続きなどの初めの必要な手続きをしてくれます。さらに、履修の相談などにも乗ってくれました。
今年は新型肺炎の影響で授業が始まる時期が遅かったり、授業中のマスクの着用が義務付けられていたり、ほとんどの日本人留学生が4月の最初に帰ってしまったりと、例年の留学とは違っていると思いますが、これから紹介することを通して、少しでも台湾留学に興味を持っていただければ嬉しいです。

 

〈キャンパス、大学周辺について〉
輔仁大学は敷地がすごく広く、来た当初は寮に帰るのにも迷うほどでした。公園のように木々も多く、鳥やリス、犬なども多く見かけとても自然が多いところです。開放的な雰囲気で、人や車の出入りも多いです。新型肺炎の影響でしばらくの間は人の出入りを制限していましたが、現在は自由になり、休日には散歩をしている人も見かけます。ゆったりとしていてすごく穏やかなキャンパスです。
大学内にはスーパーマーケットや郵便局、コンビニがあります。学食もあちこちにあります。図書館は全部で3つあり、1つは23時まで開いているので夜遅くまで勉強出来ます。
大学周辺にはドリンクスタンドやコンビニ、飲食店が多くあります。また、布団や文房具などの生活に必要なものを売っている店も近くにあります。布団は寮で中古の物を買うことも出来ます。大学から20分くらい歩くとコストコもあります。駅やバス停は正門を出てすぐの所にあるので、どこに行くのにもすごく便利です。

 

〈授業について〉
留学生は日本語文學系の4年生として在籍しますが、1年生から4年生までの授業が取れます。履修の方法は、学校開始から1週間の初回授業で先生から書類にサインをもらって、日本語学科のオフィスに提出する形式でした。授業は100分間あり、50分間経つと10分間の休憩が入ります。3月から6月までの1学期のほとんどの授業は、グループワークを取り入れており、グループで討論したり、発表したり、グループで活動することが多かったです。PPT(PowerPoint)を自分で作って発表するという機会が日本ではほとんどなかったので、いい経験になりました。輔仁の学生は、PPT作りや発表がよくあるようで、すごく上手でした。私の取った3、4年生の授業では、日本語で討論などをするので、中国語を使う機会がほとんどありませんでした。1、2年生の授業は、基本的には中国語での授業になります。授業は、もし新型肺炎の感染者が出た場合に接触者が特定出来るように席が決まっていました。試験に関してですが、基本的には6月の学期末試験となります。ただし、授業によっては、中間試験があったり、授業内の発表やレポートを提出する場合もあります。留学生は、授業が終わってから夜に語学センターの無料授業を受けることが出来ます。1コマ50分の授業が週6コマあります。夜間の中国語の授業は、初めにテストを受けてクラスが決まります。私のクラスには日本人の他に、フランス人、イタリア人、インド人がいました。語学センターの授業では1人で発表する機会があり、勉強になると思います。語学センターは大学よりも早く授業が終わり、最終日には試験があります。私の場合は口頭試験と筆記試験がありました。

 

〈寮について〉
私の住んでいる文徳寮は8階まであります。部屋の中には1人1つずつの机、クローゼット、ベッドがあります。ベッドは2段ベッドです。私の部屋は4人部屋なのですが、すごく狭く感じます。部屋にはクーラーがついているので、暑い日も快適に過ごすことが出来ます。上の階には、自習室や談話室があります。共有スペースには冷蔵庫、ウォーターサーバーがあります。冷蔵庫には物を1人2つまで入れることが出来ます。洗濯機、乾燥機、シャワー、トイレは共同です。洗濯場のすぐ横に物干し場があり、室内ですがよく乾きます。夏場は1日で干したものが乾きます。トイレや水道付近、部屋の中や机の上には虫がよく出ます。寮のトイレは、日本のように紙が流せないので注意が必要です。ちなみに大学の校内では、トイレットペーパーがないところが多いので、携帯用のトイレットペーパーを持ち歩いています。基本的に留学生は1階の部屋を割り当てられ、国籍が同じ人同士が同室にまとめられます。私も当初は、日本人4人の部屋でしたが、夏休みは台湾人、韓国人と同室になりました。寮には先生方も住んでいます。寮費は1学期9000元(約34000円)です。夏休みは7月・8月の2か月で5750元(約22000円)です。冷房費は部屋ごとに出るので、人数で割って1人分を出して支払います。休日になるとほとんどの台湾の学生が実家に帰るので、寮内は静かになります。寮の横にはコンビニと学食があります。

 

〈食事について〉
寮にキッチンや食堂がないので、学食で食べたり、学校の周りには沢山の食べ物屋さんがあるので、そこで食べたり、持ち帰って寮で食べたりしています。寮にはウォーターサーバーがあり、熱湯が出るので、簡単にカップラーメンや即席スープを作ることができるので便利です。ただ電子レンジがないので、少々不便に思うこともあります。夏休みは学食がほとんど開いていないので、基本的に外に食べに行くか、持ち帰って寮で食べることになります。吉野家やモスバーガー、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンなどの日本にもあるお店が大学付近にもありますが、メニューは台湾ならではの物もあり、日本とは違います。また、ラーメン屋や和定食のお店もあるので、食に困ることはないと思います。

 

〈交通手段〉
大学周辺の主な交通手段は、MRT(電車)とバスです。MRTは輔仁大学から台北市内であれば、どこでも1時間以内で30〜40元(約110~150円)ほどで行くことができます。バスはMRTよりも安く、15元(約55円)で乗ることができるので、私は不便でなければ普段はバスを使うようにしています。ちなみにMRTとバスの中は飲食禁止で、もし見つかったら1500元(約5700円)以上の罰金が科せられます。水を飲んだりガムを噛んだりするのも禁止です。そのためMRTとバスの中は比較的清潔で、小さいゴミも見たことがありません。また、今は新型肺炎が流行しているので、飲食禁止に付け加えマスクの着用も義務付けられています。これも違反すれば罰金があるのですが、15000元(約57000円)とかなり高く設定されています。両方とも乗り方は日本とほとんど変わらないので、迷うことはないと思います。MRTはいくつもの路線があって、乗り継げば遠くまで行くことが出来ます。乗り換えも色分けされていて、表示もあるので、スムーズに乗り換えられます。

 

私は海外での生活に不安があり、当初は留学に行くのを迷っていましたが、この7か月間は日本にいたら経験出来ないことも多く、すごくいい機会を与えられたと思っています。最初は1年間の留学を長く感じ、早く日本に帰りたいという気持ちでしたが、実際に生活を始めてみると、あっという間に7か月が過ぎてしまったというのが正直な感想です。新型肺炎の影響で例年とは違う状況下ですが、毎日充実した日々を過ごしています。
留学に消極的だった私ですが、これまでの台湾での経験を通して、今では、留学していることのありがたさを痛感しています。もし、留学前の私のように迷っている人がいるなら、絶対に留学することをお勧めしたいと思います。